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第2話 とある冒険者見習い2

 無事に聖国に入れた4人はラルドを先頭とし、ひとまずギルドを求めて歩き出した。あの門番にもらった地図にはざっくりとした道や主な施設が描かれていた。どうやら聖国全体の地図ではなく、今4人が歩いている地区のみのようだ。


 この地域はウォート地区と呼ばれており、聖国の玄関のようなもので異国人も多い。今いる道をまっすぐいけば中央広場に辿り着ける。広場の周りにはギルドをはじめとした施設がある。


 今歩いている道には宿屋や土産屋、森を通る冒険者たち用の薬屋や雑貨屋などもある。どの店も煉瓦造りで統一されており、美しい街並みとなっていた。


「うわぁ〜、本当に綺麗な国ですね!ラルドさん!」


「ああ」


 ロンの問いかけに対してラルドはぶっきらぼうに答えた。荷物持ちと言うこともあってあまり普段から仲良く話す、と言うことはないが、根が悪い人ではないので、余裕のある時はある程度答えてくれる。ロンは首を傾げたが特に気にすることもなく3人に遅れないように大股で歩いて行った。


 そのままローラは街ゆく人々(特に若い男性)にキャーキャー言いながら、レイズとラルドは一言、二言と言葉を交わしているうちに中央広場へとついた。




 辿り着いたギルドも落ち着いた雰囲気の外見だったが、中に入るとやはり屈強な男が大勢いた。ラルドが代表として依頼関係の窓口に並び、手続きや話し合いをした。その間ロンはレイズに地図を取ってくるように言われたので、ロンが地図が置いてあるらしい本棚のようなものに近づこうとすると、


「ねぇ」


 突然声をかけられた。


 ロンが振り向くと、そこには深く白いローブを被った15、6歳ほどの少女がいた。


「えっと…何?」


 自分はただ歩いていただけで声をかけられる理由の思いつかないロンは少女に問いかけた。


「あなた外国の方でしょ?見たところ若いし、FランクかGランクだって思ったの。聖国に疎いだろうし、一緒に薬草採取でもしない?って思って」


 なるほどロンは外国人の多いウォート地区のギルドにおり、ジェンガル王国の服装をしている。おまけにロンは16歳だ。彼女の言っていることは殆ど当たりであった。


「いや、俺は荷物持ちとしてきているから多分一緒に依頼は受けられないんだ。ごめんね」


「ふぅん…まぁいいや。じゃあね」


 そういうと少女は依頼版の方へ歩いていった。ロンはレイズに地図を取ってこいと言われていたことを思い出し、ご自由にお取りくださいと書いてあるところから地図を取り、2人のところに戻っていった。


 レイズに遅いと言われながら地図を広げる。聖国は5つの地区と中心の城に分けられる。観光施設やギルドなどを主としているウォート地区、畑や工場のあるレンゲル地区、多くの人が住んでいるファンド地区、そして険しい山を背にするように聖国の最奥に位置するシド地区だ。王城を囲むように貴族の住むロード地区はロンは訪れることはないだろう。シド地区も詳しく書かれておらず、依頼の関係もありウォート地区以外訪れることはないだろうな、とロンは残念に思った。


 結局その後戻ってきたラルドたちは宿を探した。ロンは詳しい内容を知らないが、どうやら上から3番目のランクであるBランクパーティーが受ける依頼だけあって相当重要なもので1日では終わらないらしい。


 部屋割りはローラ、レイズがそれぞれ一部屋、2人部屋をラルドとロンが取ることになった。ローラは無論、レイズはロンのことを見下しており、ラルドが2人部屋を取ってくれた。


 もちろん3人の部屋代はパーティー全体の資金から出るが、ロンは自腹である。それは夕食もだった。夕食をとっているとラルドがロンに話しかけた。


「ロン、分かってると思うが俺たちは重要な任務を受けて来た。ギルドの話通したらロード地区行けって言われたから行ってくる。ロンは連れてけねぇから1日お前はフリーだ。適当に依頼でも受けててくれ。もちろん短いやつな」


「分かりました。明日の6時までにはここに帰って来ますね」



 部屋に戻り消灯時間が過ぎた。ロンはラルドのいびきを聞きながら考えていた。


(明日は暇になっちゃたな〜。街の近くで薬草採取の任務でも受けるかぁ)


ロンは微睡みながら今日あった少女のことを思い出した。


 次の日、ロンは再びあの少女と会うことになる。

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