知人が合法的にN○Kの解約をした話
知人の体験談 (ほぼノンフィクション)です。
N○K(やN○Kとの契約や代行業者)に対して色々な意見がある人もいると思いますが、そういうのには触れていません。必要なら他サイトを見てください。
N○Kさんにも素晴らしい番組はあります。CCさ○らとか、大相撲とか、直近だと五輪OPとか、たくさんあります。
あくまでも体験談です。N○Kさんたちをディスる目的は一切ありません。
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ある日、彼は思いました。「そうだ、N○Kの解約をしよう」
そもそも彼はテレビを見ていませんでした。昔は見ていたのですが、最近は何と言うか、他の動画配信サービスの方ばかり見ていて、リモコンは埃を被っていたのです。それでも何か面白い番組があるかもしれない、緊急時、災害時に役に立つかもしれないと、テレビを取っておいたのです。
一度思い立つと何故これまでテレビを持っていたのか疑問に思いました。テレビという物体の所有自体にデメリットはありません。そこまで場所を取りませんし、特に壊れているわけでもありません。単にモニターとして役に立ちます。大画面で動画を見て、ゲームをすることができます。問題はN○Kとの放送受信契約に伴う受信料の徴収でした。
彼はテレビを見るメリットデメリットについてまとめてみることにしました。
1.N○Kの番組を視聴できるかわりに、見ている見ていないに関わらず毎月1000円弱を支払わなくてはならない。
2.民放を視聴できるかわりに、見ているときはCMを視聴しなくてはならない。
「テレビを捨てよう」
つまり彼にとって、「N○Kを視聴できる」+「民放を視聴できる」ー「CMを視聴する」ー「N○Kに受信料を払う」=マイナスとなったのです。
さて、テレビを捨てるとなると、今までの生活は多少なりとも変わります。彼はその影響をまとめてみました。
ニュースを見ることができなくなる。←ネットニュースで十分。
他の番組を見ることができなくなる。←他の動画配信サービスで十分。視聴料もN○Kより安いしコンテンツも豊富、自分の好みに合わせられる。CMもほとんどない。民放のTV系アプリもある。
緊急時にテレビを見ることができなくなる。←ラジオ、ネットで十分。
彼は特に困らないと判断しました。そして、その日のうちにテレビをコンセントから引っこ抜くとリサイクルショップに持っていき、数千円とレシート(最重要)を入手したのでした。
さて、自宅に戻った彼は早速N○Kふれ○いセンターに電話をしました。
※不思議ポイント1
今日日、電気や水道、保険の解約など、大抵のものはネットでもできるのに、何故かN○KのHPにはありません。決してネット社会に対応していないわけではなく、契約や住所変更の手続きはできるのに何故か解約の手続きはネット上で行うことはできません。
電話口でテレビを売ったため解約をする旨を伝えると、「はいじゃあ手続きしますねー」とはなりません。まず平坦な口調で「一ヶ月以内に新しいテレビを購入する予定があるのか?」と尋ねられました。当然ありません。知人は「いいえ」と答えました。
次に、「ワンセグやカーナビを持っているか?」と尋ねられました。上記のものを持っている場合、N○Kとの間に契約義務が生じると最高裁が判断しています(なので将来的にN○Kと解約するかもしれない場合、受信機の搭載されていないものを買いましょう)。知人は「持っていません」と答えました。
するとようやく手続き……と思いきや、手続きのやり方を説明されるだけでした。解約届を郵送するのでそこに必要事項を記入、捺印して、証明書(レシートが重要な理由)を添付し、郵送し、そこから審査があるということでした。そして最後に念押しするかのように、「一ヶ月以内に新しいテレビを購入する予定があるのか?」、「ワンセグやカーナビを持っているか?」と再度質問されました。当たり前ですが、この質問をしたところで電話中の数分のうちに変わることはあり得ません。先と同じ答えをしてようやく知人は解約手続きの準備を終えることができました。電話口の相手はずっと平坦な口調で、知人は「自分が人間ではなく無機物として扱われていたようだった」と語っています。(※個人の感想です)
なお解約届が届くまで謎の一週間がかかります。
※不思議ポイント2
何故か電話をしたのに電話上で手続きはできません。解約の電話をしたということは解約の電話をしたということなのに解約できません(某政治家構文?)。
さて一週間後、知人のもとに解約届が届きました。用紙には何故か、「受信設備の設置予定」という質問項目がありました。何故解約する書類に再契約する項目が設けられているのか、謎です。彼は必要事項を素早く埋めてレシートを添付するとすぐさま郵便局に向かい、書類を郵送しました。
なお審査が行われて解約が成立するまで謎の三週間がかかります。
※不思議ポイント3
さらに、解約成立の連絡はありません。受信料の払い戻しが口座にあったかどうかで判断することになります。解約が成立しなかった場合も連絡がないそうです。謎の審査にもし通らなかったらレシートは返ってくるのでしょうか? レシートがないから解約できましぇーん(暗黒微笑)なんてことはないと思いますが……。まあでも……ないわけもないと思うし……。コピーして取っておくのが無難でしょう。
そして、彼は解約が成立するのを待っている間、ふと考えました。「N○Kが映らないテレビがあればなあ」と。先ほど彼は、
「N○Kを視聴できる」+「民放を視聴できる」ー「CMを視聴する」ー「N○Kに受信料を払う」=マイナス
と判断しましたが、正確には、
(「民放を視聴できる」ー「CMを視聴する」)=プラス
(「N○Kを視聴できる」ー「N○Kに受信料を払う」)=マイナス
と分けて考えることができます。つまり、プラスーマイナス=マイナスということです。彼にとって、N○Kが映らないテレビがあればプラスだけが残るわけです。
「民放にとっても悪い話じゃないと思うんだけど……」
※不思議ポイント4
彼のような人の需要を満たせば民放は儲かるはずですが、何故か、そういう声は挙がっていないようです。
「それに、テレビ本体だって売れるわけだし……」
※不思議ポイント5
同様に、電機メーカーはそういう商品を売り出していません。それっぽいの(TV系アプリが多数搭載されているチューナー非搭載のモニター)を作っているところはあります。
「あっ、スクランブル放送って手もあるのか。技術的にはできそうだけど……。法律なのかなぁ?」
※不思議ポイント6
(ry
しかし彼は特に専門家でもなく、この話題を掘り下げてどうこうしたいわけでもなかったので、ただ少しの間漫然と考えたばかりであとは頭の隅に追いやっただけでした。これからの人生でもう関わることもない(予定)でしたから。
そして三週間後、知人がふと口座を見るとN○Kから受信料の払い戻しがありました。先にも述べたように何の連絡もありませんでした。彼は、手続きは遠回りばかりで面倒だったが、難癖をつけられて手続きが滞ることもなく、きちんとN○Kのやり方に則れば普通に解約できたことを意外に思いました。
おしまらない
無事解約し悠々と過ごしていた彼の元にある日、謎の訪問者が現れます。N○Kを名乗る人物(正確には代行業者)が契約を迫りにやってきたのです。当然持っていないし持つ予定もない旨を伝え追い返しました。アポのない客がインターフォンを鳴らすことを彼はひどく嫌っているのです。ましてや無駄な用事であれば尚更です。
鬱陶しく思った彼はインターネットで検索してみました。するとどうやら一度追い払ってもテレビを必要としていないという情報はN○Kの中で共有されることはなく、何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も執拗に契約を迫りにやってくるそうです。
彼とN○K(の代行業者)との無意味で不愉快なやりとりはこれからも続くのであった……?
※不思議ポイント おまけ
彼の話とは違いますが、引っ越すと何故かN○Kを名乗る人物が数日以内に新居を訪ねてきますよね。引っ越しに際して新住所を伝えたのは大手不動産屋と大手引っ越し業者と役所と郵便局と電気ガス水道と……、といずれも個人情報にはしっかりしていることになっているところばかりのはずですが……。いったいどこから個人情報が漏れたのでしょうか? そしてその不正(?)に取得した情報を元に堂々とやってくるのがとっても怖いですね。(もしかしたらたまたま空き家の前に引っ越し屋のトラックが停まっているのを見たとか、しばらくカーテンもなく明かりもついていない部屋だったのを見ていたとか、色々可能性はあると思うので、あくまでも想像です!)
おしまい
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追記
「どうしても見たい番組があったらどうするの」と知人に聞きました。国際的なスポーツのイベントなど、放映権の関係でテレビ(N○K)でしか見ることのできないものがあるからです。知人の答えは「そのときだけどこかの安宿に泊まればいい」でした。仮に年1回どうしても見たい番組があったとしても、そのためだけにN○Kと契約するよりはそのときだけホテルに泊まった方が安くつきます。超合理的だなぁと思いました。ホテルの朝食っておいしいし。
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他にも「透明な殺人鬼ゲーム」というデスゲームものの連載小説を書いています。
Kバイン