表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

28/61

第28話 キメる時は細かい所に要注意

 魔力が足らないとか、ドジっ子魔族かよ。

 先ほどまで「冥土の土産」だの「絶望の淵」だの、聞いていたこちらも恥ずかしい。

 ブライバスは申し訳なさそうに両手を合わせ、


「何かごめん。期待させちゃって」


「本当にだ。魔力の管理を徹底するのは魔法使いの常識なのに」


 いちおう助かったが、期待を裏切られてパリスはご立腹だ。

 もしも撃たれていたら死んでたかもしれないのに。


「まぁ、とりあえず結果オーライってことで。ブライバス、なんとかならないものか? 俺達もさっきまで話していたヤツと戦いたくはない」


 こちらが優勢だとわかっているので、もう一度和解を提案する。

 魔力が無いのならこちらのもの、四対一(それも、二人はそれなりに実力者でもう一人はヤンデレ)では、普通なら負けるわけがない。


「……うーん、でもなぁ。こっちはこっちで事情というものがあじゃん。まぁ強いて言うなら、今の目的はネウレアだけだから、ネウレアをどうにかできれば街は別に見逃しても良い。光が何とかってやつはたぶん気のせいだろうからさ」


 ネウレアをどうにかできれば……か。

 それは俺としては絶対できない相談だ。そもそもここに送られた理由がネウレアのお世話で、それと同時に世界を救わなければならない。

 それに――俺の陰に隠れて袖を掴むネウレアを魔族に引き渡してたまるかということ。


「おいミカミ、ブライバスはそんなことを言っているが、お前はどう思う」


「もちろん、のめない。ブライバス、こちらにもこちらの事情がある。そもそも最初からこうなるハズだったんだけどな」


 街を危険に晒すことは知っている。

 だが、ネウレアといるのは世界を救うため。


「ブライバス、帰ったら権力者どもに伝えておけ、我々人間は……」


 魔族との宣戦布告をする。


 三コンマ置いて、ブライバスは魔族らしく下品な高笑いを始めた。


「ハハハ、いいねぇミカミ。そういうの嫌いじゃないよ! 今日のところは引き上げる――ちょっと締まらないからな」


 そして、ブライバスは黒翼を羽ばたかせ、天高く舞い上がる。


「人間共、明日の夜に我々魔族は侵攻する! せいぜい首洗って待っていな!」


 ブライバスは頭上に魔方陣を描き、響く声で笑いながら入っていこうとした。

 入っていこうとしたのだが、魔方陣に思い切りぶつかる。


「……あれ?」


 手でペタペタと触っているブライバス。

 そして、魔方陣を消すと、


「あのー、人間の皆様、ごめんなさい。魔法を間違えたので、もう一度さっきのやつ、やり直して良いですか?」


 またか。


 ◇


 門をくぐり、大勢の冒険者が街に入っていく。

 結局何もできなかった彼らは、眠そうだったり怒っていたり、それぞれ実に様々な表情を浮かべ、街の奥へと消えて行った。


「魔族との和睦は不可、無駄でしたねぇ。まぁ向こうの狙いもわかったので、何歩か譲ってあげても良いかもしれない。何て言ってもらえると思っているのですか?」


 回りくどい非難だな。

 俺はさっきまであったことをギルドの受付嬢に報告しているところだ。


「血を流さずに襲撃を1日しのいだってことで大目に見てもらいたいところだけどな。まぁでも、ネウレアが狙いか」


「それはまぁ妥当な判断とも言えますけどね。ミカミさんが生きているのに違和感すら覚えますが」


 違和感って何だよ。生きているのに違和感って、異世界スラングですか。

 ただしかし、普通なら既に何回か死んでいてもおかしくないというか、毎回助かっているからな。


「それでは、明日の夜は本日と同じように厳戒体制で迎えることになります。まぁあなたはいても居なくても同じというか……」


 散々な言われようだな。

 ただし、俺が戦闘に関してはほぼ素人と同じということは事実。

 初心者用のターゲットであるヒメアントは普通に倒せたが、相手が魔族ともなればそうもいかない。

 だけど、すぐに強くなれる方法なんて無いよなぁ。

次回もよろしく!


評価欄、感想欄は各話あとがき下部にある広告の下にあります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ