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第23話 『合法ロリ』は合法なのに単純なロリよりもなぜかいかがわしく聞こえてくるのはなぜなのだろうか?

 アメスをしっかりと着席させ、やっと会議に参加。

 あちらこちらから意見が飛び交い、俺達の入る余地など全くなく、ドンドン進んで行く。


「魔族は魔法を得意としていたから、結界を張って凌ぐのはどうだ?」


「そんなことできる訳無いでしょ? 何日かかると思ってるの?」


「じゃあ先に討伐隊を向かわせて……」


「例の森の中にいるんだろ? 松明を消されたら何も見えなくなる。それに、どれくらいの数なのかわかっていないらしいじゃないか」


 これといった意見も無く、一時間ほど経過しても終わる気配さえ無い。

 そして、パリスもまだ来ていないのだが、何をしているのだろうか?


 ◆パリス一行


 やぁ、親愛なる私のファンの皆様。

 あの忌まわしいミカミより変わってパリスだ。

 この麗しい私に視点が変更してお喜びの方も多いであろう。

 嬉しさのあまりに倒れてしまったら、周りの方よ、優しく介抱してあげてくれ。


 さっそく今の状況を説明すると、私はエリトリナを寝かせた所だ。

 エリトリナは前にも担いだことがあるのだが、最近もしかして太っ……

 いや、言ったらまた怒らせることになるだろうから止めておこう。


「エリトリナをソファーに寝かせる。ネウレアは申し訳無いが、荷物をしまってきてくれ」


「うん」


 ネウレアは小走りで駆けていく。

 しかし、子供は良いものだ、素直に言うことを聞いてくれるし、時々私達に「はっ!」とさせるようなことを気付かせてくれる。

 ネウレアが去って行った頃、エリトリナがやっと目を覚ます。


「ん、パリス……」


「まだ寝ていろ。この後すぐ出る」


 私の口調と周りの騒がしさで、ただならぬことだと気付いたようだが、すぐに寝てしまった。

 ……エリトリナが気絶した理由って案外くだらないことでもあるのだがな。


「エリトリナ、寝ちゃったんだね」


 荷物をしまい終えたネウレアがエリトリナを撫でている。


「それでは、エリトリナをよろしくな」


 急いで支度をしなければ、アイツらを待たせることになる。

 立ち上がろうとすると、ネウレアに遮りられた。


「パリス、行っちゃうの?」


 それは、悲しげな声だった。


「あぁ、当たり前だ。エリトリナが動けない分、私がやらなければならない」


「……そうなんだね。パリスも行かないといけないんだ」


 エリトリナの方をずっと向いたまま、こちらに視線をやることなく、そう言った。


「ネウレア、嫌か?」


「うぅん、私は大人だからね。でも、好きじゃない」


 ネウレアは懐から何やら絵のようなものを取り出す。

 今と変わらないネウレアと、見たことのない人たちが笑顔で描かれている。


 しばらく眺め、それをしまった後に、何かを取り出した。


「パリス、これ」


 と、大事そうに私にそれを渡す。


「良いのかネウレア? だってこれはネウレアの……」


「持って行って。その方がいい、御守りとして使って」


 ネウレア……

 それは、ネウレアにとって恐らく魂のような物のはず。


「役に立つ、はずだから……」


 ネウレアに渡されたそれは――ネウレアが愛用している包丁だった。


「なぁネウレア、確かに役には立つが、それは今では無いのではないか?」


「炊き出しするときとかに、持っていればすぐ出せて便利でしょ」


「そうなのだが、もう少しどうにかならないのか? というか、行動から見て、ネウレアにとって包丁は武器なのかと思っていたのだが」


「違うよ。包丁はね、愛を伝えるための道具なの」


 包丁は調理器具なので、料理に愛を込めるという意味ではそれで合っているが、ネウレアが言うと別の意味も持つのだよなぁ。


「まぁ、ネウレアは子供だから仕方ない。それでは、行って来るとしようか」


 包丁をとりあえずしまい、再び立ち上がろうとすると、ネウレアにまたもや遮りられる。


「パリス、そう言えば聞いていなかったけど、パリスって何歳?」


「先月18になったところだが、突然どうしたのだ?」


「いつも私を子供扱いするからさ、でも見た目以上に若かったんだね」


「若いだなんてそんな。というか、ネウレアの方がかなり若い」


 はずなのに。

 それを言いかけた瞬間、ネウレアの口から思わぬ一言が飛び出す。


「私、もう二十歳だけど」

次回もよろしく!

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― 新着の感想 ―
[良い点] >包丁はね、愛を伝えるための道具なの なんとなく説得力があって、読みながら頷いてしまいました。私もだんだんヤンデレに染まっているのかもしれません(笑)
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