第97話 「不埒者をやっつけろ」
ケノン王はゲンガの言葉を一蹴すると宣言した
「この鎧はここにいるカズヤが作成したモノであって決して他国の技術を盗んでのモノではない。これは我、ケノン王が名を以て宣言しよう!」
全く以てその通りなのだがケノン王は言いがかりを一蹴する為に敢えて宣言をして追及を退けたのだ
「うぐぐ。。。」
ゲンガは頭を垂れてはいたが納得はしていない様子だ
「しかし…」
「くどいっ‼」
ゲンガも相当にしつこい。他国の王が宣言したにも関わらず食い下がろうとしたのだがケノン王はそれを許さない
「そこまで言うのであればうぬの訴える確たる証拠を見せて貰おう。出来るのであるな?」
「は、はひっ‼一度我が国に立ち返り証拠をお持ち致します‼」
「不埒者が!良かろう。ではその証拠とやらを持って我が元に今一度来るが良い!」
「…」
「しかし…」
「うぬが発した言葉はカズヤだけではなく我が国を冒涜したのだ、万が一にも違えた場合は戦争も辞さないと国王に伝えよ!分かったな!」
「はひ!」
見事な小物っぷりを披露してゲンガは謁見の間を逃げる様に立ち去った
「カズヤよ」
「はい、王様。」
「…それほどに凄い鎧なのか?」
「いえ、ただの鎧ですが…」
「で、あるか(ガックリ?)」
「カズヤ」
「はい、王様。」
「…試しに我が着(装着し)ても?」
「勿論どうぞ」
この後ケノン王は鎧を着け颯爽と飛び立とうとして蹴躓き、謁見の間で前転を披露する歴代最初の王として名を刻んだのでだった
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(クソッ、クソッ‼ケノン王めっ‼)
早駆けの馬車の中、ゲンガは悪態をつきまくる
「ゲンガ様、他国の王の前であの言葉遣いは国王に対しても侮辱となるのではないですか?」
「ええぃっ‼煩いっ‼」
ゲンガは諌めようとした文官を足蹴にする
「とにかくバルドに急げ‼研究中の「あの武具」を持ち出せばケノン王なぞぐうの音も出ない程に叩きのめしてくれるわっ!」
ゲンガ率いるバルド王国使節団は自国で開発した早駆けの馬具を装備した馬車を最大速度で走らせ自国へと急ぎ戻るのであった




