第90話 「第1回?留守番反省会」
「ごめんなさい…」
転移により背後を取られたノアはあっさり確保されてカズヤ宅で正座中だ
「怒ってないよ?食べ過ぎ(限度があるが)は体壊すから心配してるんだよ」
これからもノアには留守番を頼むつもりだ。でも無制限にケーキを食べてポックリ逝かれたらそれは「未必の故意による殺人」だ
良かれと思って無限ケーキを与えたがその影に潜む脂肪…ならぬ死亡リスクは予見出来なかったという「証明」は出来ない
裁判にでもなってこの「悪魔の証明」を求められたら詰んでしまう(まぁ裁判もないしゾンビだけど)
当然ながらノアには現代医学の知識はないのでなるべく解る様に説明していく
「えーっと…ケーキはね、砂糖(糖分)と脂(脂質)が沢山入ってて…」
なんとか理解させるのに半日を要した
本当は「激太りして戻りにくくなるぞ!」で瞬殺で理解させられるのだがそれを言ったらこっちが瞬殺されてしまう
現に今尚ノアの体から
(ケーキ食べたい)
(食べたら太る)
(糖尿病?何それ美味しいの?)
(いっその事カズヤ君を倒して⁉)
等と言う恐ろしい心の葛藤の渦がどす黒いオーラとなって漏れだしている
「ノ、ノア。別に食べるな!とは言わないよ。ただ食べ過ぎは身を滅ぼすからね?」
「う、うん。分かった…」
良かった。分かってくれたみたい
「あ、今から暫くはケーキお預けね?」
…グルルルルッ…ギャギャッ‼⁉
カズヤはその日人生、ゾンビ生併せても初めての「魂を喰われる」感覚を体験した
以降カズヤの口からこの日の詳細を語られる事はなかった
【Ragnarok…】(ラグナロク)と言うとカズヤは震えが止まらなくなりこれ以上の追及は困難だったと後の文献には書かれている
「な事ある訳ないよね?」
ノアは頭を擦っている
余りにも残酷(?)な宣言で我を忘れ、奇声と共にカズヤに襲いかかった迄は現実。
以降の流れはゲンコツを食らったノアのせん妄(妄想)だった
「ノア?君の為なんだからね?」
「はい。。。」
これにて反省会は無事?閉幕した
翌日以降暫くノアが訪ねて来ないので懲らしめ過ぎたかな?と反省していると
村の子供達から討伐要請の依頼を受けた
ここ最近夜な夜な獣の唸る声が聞こえて恐くて眠れないという
余談だがノアが時々その獣に似た声で唸っているそうで「憑依か⁉」と騒ぎになってるらしい
「うん。直ぐにやっつけるからね☆」
数分でカズヤは「安全宣言」を宣言し村人達を安心させた
その脇にたんこぶを幾つか装着したノアが正座させられていた事については
「きっとカズヤ君が除霊?してくれたのだろう」
と誰も不審に思う者はいなかったらしい




