第88話 「ムリかぁ~」
「失礼します、お父様、そろそろカズヤ殿をお借りしたいのですが…」
「おぉ、エル来たか!我は先程カズヤと友の契りを交わしたぞ!これからは「カズヤ」「ケノン」の仲だな、ワハハハ!」
「えっ⁉ズルいっ‼(?)」
(昨日まで緊張と畏怖で引いて見てたけど二人とも良い人なんだな…)
「ではエルもカズヤと「友」とねるが良い!嫁にはやらんぞ?カズヤ!ワハハハ!」
「流石に畏れ多いです…」
「チェッ…(?)ではカズヤさん、私とも友となって下さい」
「え?はい、勿論喜んで」
(何か月とスッポン級の格差「友」だな…でも嬉しいや…)
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「砂糖、ですか?」
ここは王専用厨房の中。エル姫にケーキのレシピを大公開中だ
「ここジル王国でも砂糖は貴重な品です。この量を用意するとなるとかなり高級な「スイーツ」になりますね…」
あ、初っぱなから詰んだかも⁉
「この「薄力粉」と言うのは?」
「小麦粉はありますか?」
「はい、それなら…」
「小麦粉と薄力粉は要は小麦の違いです。小麦粉の中でもよりサラサラしたモノを指します」
「なるほど」
「お城で食べるパンは柔らかいですか?」
「ええ」
「では多分薄力粉は精製可能です。より細かく挽き後は色々試すとより近いモノが出来ると思います」
「分かりました!それと…この「生クリーム」と言うのは?」
「これも色々試す必要がありますが要は牛の乳から出来ます」
「「牛」?ですか?」
「はい、脂肪分を多く含む家畜の乳から…もしかして牛がいない?」
「今までその様な家畜を聞いた事がありませんわ」
「うーん…前途多難だな…」
バーーーーン‼
「カズヤよ、我も仲間に加えよ!」
「良いですよ…って何で裸エプロンなんですか⁉」
「む?侍従長から「汚れるからこれを着ろ」と言われたのでな」
「別に脱いで被る必要はありませんよ?」
「そうか!だが涼しいので気に入ったのだがな…」
「せめて下は履いて下さい…」
「分かった!」
ケーキの伝授は材料的にかなり難しい事が判明した
その代わり比較的材料を揃え易いクッキーを教えるとエルは喜んでくれた
王様には「神の御業」として話しているのでエルとケノン王の目の前でケーキを具現化する
「おぉ‼」「えっ⁉」
「無より有を為す…確かに神の御業よの…」
「凄い…見た事もない魔術です…」
「これはお二人の為に、です。召し上がって下さい」
こうして俺はケノン王という後ろ楯を得て自分の夢に一歩近づくのである




