第83話 「万能の神?part5」
一行は昼過ぎに再出発を果たした
馬車の中では楽しい質問責めが行われカズヤは魂を削られていた
「…この時はどうなったのだ?」
「ですから…あの時はですね…」
同席しているヒルが乗り物酔いする程のしつこさでガイは責め立ててくる
カズヤもガイの気持ちは分かる。
ガイの立場では「知らない」とは口が裂けても言えないのだ
「…とまぁこんな感じですね」
話せる事は全て話して整合性もつけた
念の為にガイさんと打ち合わせもして口裏も合わせた
後は
明日の王都での本番?だ
馬車旅最後の夜、色々迷惑をかけたお詫びとしてプリンを具現化した
男だらけの集団だが甘いモノは疲れも気持ちも癒す万能薬だ
一応テントの中で作ってます風な時間を作り、出来上がり次第皆に配ったのだが警護の隊員達の目がおかしい
何の事でそうなっているのか…思い当たる節だらけなのでそっとしておいたのだが
「…カズヤさんは武功も料理も人外級だ、もしかして本当は「神様」なんじゃ…?」
などと言う恐ろしい誤解の声が聞こえてきた
どう見たって普通の人じゃないか!…ゾンビだけど。
食事も睡眠も要らずどこからかスイーツを繰り出し魔術の代わりにビームや気○斬で魔物を倒すだけの。。。自分で言っていても相当怪しい
自重は今更だからしないけど神様扱いはちょっと困るな…
本日の見張り番もどういう事かカズヤにサインを求めて来たので適度に対応し、その代わり「神様扱い」は誤解だと皆に伝えて貰う約束を取り付けた
そしていよいよ最終日、山を1つ越えれば直ぐに王都が望める位置までやって来た。
この辺りは昨晩雨が降った様で路面もぬかるんでいる
「足元に気をつけて進め!」
隊員達も最後迄気持ちを弛めない
と、思っていたのだがやはりどこか弛んでいたのだろう
殿の隊員の馬が足を滑らせ落馬、隊員はそのまま脇の土手を転がり落ちて川に落ちてしまった
「あぶっ‼た、助けっ‼」
隊員は標準装備として軽装甲を装着している上にカナヅチだったらしい今にも沈みそうだ
「俺が行きます!」
一番身軽なカズヤが急いで隊員を助けに行く。が、一足遅く隊員は沈んでしまっていた
ゴボゴボゴボ…ザパーン!
潜ったカズヤが勢い良く水から飛び出した時、腕には隊員が抱えられていた
突然の救出劇の後、隊員達が口々に「万能の神だ…」とカズヤを崇め始めた
この「崇拝祭り(?)」は王都の直前迄続くのであった




