第69話 「恨みを買う価格破壊王」
ドンテさんの初依頼から2ヶ月が過ぎた
カズヤの元には村人からの依頼が連日入る様になり収益も安定してきた
各地に設置した投函箱からの依頼もボチボチではあるが着実に増えている
今の所手が回らないがしっかりと宣伝をすれば更に依頼は増えるだろう
逃げた家畜の捕獲から作物の収穫の手伝い、家の修繕から薪拾いなど依頼は多岐に渡って飽きっぽいカズヤにとっては天職にも思えた
報酬も物々交換もあるが金銭での支払いもあり、交換した物品は格安で宿場町や王都の商店に買い取って貰うシステムを構築し着実に収益を増やしていた
そんなカズヤ(何でも屋)を苦々しく睨む人間がいた
村ににいる大工や商店、宿場町と王都で商売をしている事業主達だ
カズヤに依頼すると相当安価で請け負ってくれるので彼らからしたら商売あがったりになってしまったのだ
仕事の依頼が激減した村の事業主達は堪えかねて(何でも屋)に直訴した
「そうでしたか、大変すいませんでした‼」
事業主達から苦情を受けたカズヤは平謝りをした。価格調査を怠ったせいで皆に迷惑をかけてしまったのだ
(困ってる人を助けて困る人を作ってたら世話はないな…)
カズヤの猛省ぶりに事業主達は悪気がなかった事を理解してくれて今後は適正価格を遵守すると約束したカズヤに共感さえしてくれた
世の中は持ちつ持たれつなのだ
迷惑を掛けた事業主達にカズヤはお詫びとしてケーキを振る舞った
事業主達はまだ食べた事がない人も多かったのでその旨さに腰を抜かしたりしていたが食べ終わった後はわだかまりも消えてにこやかに帰って行った
(ふぅ…危ない危ない。ちゃんと既存の商売との兼ね合いを考えなきゃな…)
前世では経験した事がなかった為の失態だが今後は余計な恨みを買わない様に細心の注意を払おうと心に誓うカズヤであった
その月の終わりに嬉しい依頼が舞い込んだ
直訴をして来た事業主の1人から依頼を受けたのだ
内容は怪我で休んでいる弟子の代わりに建物の修繕を手伝って欲しいという依頼だがカズヤは率先して依頼を受けた
修繕が終わり依頼主(大工)にカズヤの働きぷりを誉められ労われた
嬉しくなって値引きしようとしたら音速でゲンコツを頂いた
サービス精神旺盛なのは時にはトラブルの元にもなるんだな、と改めて反省するカズヤであった




