第53話 「知識の擦り合わせは必要だよね」
ービシュッ‼ー
「ギャウッ!」
現在絶賛夜警中です
時折闇に紛れて忍び寄る野犬の様な魔物(ブルビットという名前らしい)を「デスビー○」で狙撃している
元来群れで行動する魔物だが単独が多いので大方昼間の群れの残党が野良ブルとして襲ってきているんだろうとの事。
焚き火の周りには夜警当番のフィリップと質問したかったが大旦那の手前控えていた丁稚のピンとホンがいる
「それにしても昼間は本当に助かった。あの数のブルビットでは全滅確定だったからな…それにしてもカズヤの技は…魔法なのか?」
まさか神様から貰った能力です、とは言えず慌てて
「血継○界です」と答えた
「そ、そうか…要は種族固有の特殊能力なんだな?それにしても強力な技だったな」
隊の皆にはまさかゾンビなので食事も睡眠も必要無し!とも言えないので「そういう種族なんです」と誤魔化してあったので今回もゴリ押しで納得させた
「何分山奥に住んでいたので常識知らずで…皆さんの話は参考になります」
「そんなのはお安いご用だが…本当に良いのか?無報酬で?」
「えぇ、常識とか情報を頂けて大満足です、本当に」
「欲がないんだな、飲まず食わず…休まずじゃ生きていけないだろ?」
あ、不審がられている…そ、そうだな。。。
「俺の種族は栄養や水分は大気中から摂れるし疲れない体質なんですよ?」
「最後の疑問符が気になるが…便利な体なんだな」
「アハハ…」
こんなやり取りの間、丁稚の二人は派手な技の事を聞きたくて目をキラキラさせていたのでそっちに話題を逸らす
「どうやって飛んでいたんですか?」
「あの技はどうやったら覚えられるんですか?」
彼等は子供の様に質問を繰り返す
同じ位の年齢なのに精神的には全然幼いな…この世界ではもう十分大人なのに
前の世界では当たり前で考えた事もなかったが義務教育の偉大さに改めて気付いた
義務化しなければ生きる為に働き学を捨てざるを得ない。雇われれば労働に付随する最低限の知識は得られるだろうが広い見識は得られない
雇用法など存在しないだろうから労働力として使えなくなる迄一生知識も字も知らず死ぬ人が大半なのだ
ある意味幸せである意味不幸せ、か。。。
俺が難しい顔をして唸っているのに気付いて3人が代わる代わる酒を勧めてきた
有り難く頂いてお礼にツマミとケーキを具現化するとリーダーとホンがケーキの旨さに昏倒したのは余談だ




