第44話 「寝下座」
「寝下座」とは…
「土下寝」とも言われているが本来は「五体投地」という宗教上最上級の祈りとも言われる礼拝法の1つである。
膝から接地し両手、胴体、額と全てを地面につける行為による神仏や高僧等に絶対的な帰依を表す事が本来の理由だが
圧倒的なミス(過失)を謝罪する為にある特殊な職業に従事する方々に使用される場合がある。
敢えて「寝下座」と表記したのは「土下寝」の場合某芸人やマンガ等で茶化す場合にこの言葉が使われる場合があり
その場合実際寝てしまうのを至上とするネタも含まれるので敢えて「寝下座」と表記した
ーここに完璧な寝下座を体現する1人の若者がいるー
彼は神の怒りに触れ文字通り「神罰」を賜ったのだ
しかし彼の一分の隙もない、ある種の芸術を思わせる程の五体投地(寝下座)は荒れ狂う神をも収める程の美しさがソコにはあった。
「すいませんでしたー‼」
「わ、私もゴメンね?つい感情的になって雷落としちゃって…」
数分前、炭化していた彼の体は既に「超回復」により全快していたがその眼は暗く濁っていた
鋼の意思を容易く砕かれ心宿らぬその眼はまるで本来の思考を持たぬゾンビの様であった
自称:慈愛の女神は後悔の念を顕にした
(私はカズヤ君の心を壊してしまったのね…)
彼女はある決意を持って彼に告げた
「カズヤ君、私に出来る事なら願いを叶える様努力するわ」
哀しみに濁る彼の眼に一瞬邪悪な光が灯ったが自称(以下略)が気付く事はなかった
(もうひと押しだな。。。)