第21話 「闇討ちでござる」
ゾンビとして転生して1ヶ月が過ぎた
村人達への寄付(地下室?のお宝)、墓地の整備と清掃、そして主に子供や主婦達との交流によって地道に認められつつあった今日この頃
村の中心にある飲み屋では不穏な話し合いが行われていた
「あのゾンビ野郎、ウチの女房とイチャつきやがって‼(被害妄想)」
「俺のトコなんか娘が毎日入り浸って晩飯時になっても帰ってきやがらねぇんだよ(家族間のコミュニケーション不足の棚上げ)」
(あの野郎…痛い目に遭わせて追い出そうぜ…)
村民達(主に男達)の身勝手な不満は次第に牙を剥きとうとう俺の闇討ち計画にまで発展してしまった様だ
そんな事になっているとは露知らず俺は持て余した時間を墓地の区画整理や花壇の設置、
そして自宅の改装へと費やしていた
前世?では全く几帳面でもなく造園や大工仕事等も携わった事すらなかった筈なのに
ゾンビになってからは体が覚えて?いるのか思った事は自然とこなせる様になっていた
(明日は森で木を伐採してデッキの材料を作ろうっと)
連日訪れる多くの村民を快く出迎える為に庭先にウッドデッキを作ろうと思い立ったのだ
ゾンビになる前のこの体?はきっと大工だったんだろう、と何故か変な納得をする
そうでなければ前世で釘1つ打った事のない俺が土木作業や増築など出来る訳がないのだ
ひとしきり採取した野草等を調理する為に夕暮れ時の薄暗い道をテクテクと歩いて帰路につく
…ガサッ…
茂みから何かが飛び出して来たと思った瞬間頭を何かで殴打され意識が遠退いていった…




