第13話 「ごめんなさい」
俺に引導を渡す為に戻ってきたノア。
気のせいかやけに明るい
(危険(俺)が退治されるのがそんなに嬉しいのか…)
余程助っ人に自信があるのだろう、ノアは掃除した部屋に感嘆の声をあげている
「ね、カズヤさん!ここってカズヤさんが掃除したの?スッゴいキレイになったね」
声だけ聞いていれば彼氏の部屋に初めて招かれた彼女との会話だ
「うん…どうせ殺されるならせめて小綺麗にしてからと思ってね…」
「えっ⁉誰かに殺されちゃうんですかっ⁉」
「えっ??」
数分後、俺はソファーの前で正座をしていた。
ノアはプンプンと頬を膨らませて怒っている
「そんなに信用出来ませんかっ⁉…まぁ初対面だったしアレだけど…でも質問にもちゃんと答えたりしたじゃないですかっ‼」
「はぃ…すいません…」
正直ノアの行動自体も俺の猜疑心を増大させる一因になっている。。。
とツッコみたかったが地雷を踏み抜く勇気は持ち合わせていないので黙秘を貫く
「確かに昨日は何にも言わないで帰っちゃったけど…」
あ、思い当たる節はある訳だ?
まぁそれを聞いただけでも良しとするか
「昨日は隣のおばあちゃんの薬を届けなきゃならなくて仕方なかったんです‼」
と理由を言われたがこっちはそのせいで一晩中自分の死と見つめ合わなくてはなら…言うまい。
それよりも今はゾンビな俺を普通に接してくれている稀有な存在、ノアとの出会いに感謝だ
「本当にごめんなさい。お詫びにはならないけど昨日聞かれてた事、話すよ」
昨日聞かれた事…それは自分でも聞きたい部分だったが俺という存在だ
本来、というか普通のゾンビはこの世界にも普通にいるが
思考し、言葉を発するゾンビなんて聞いた事がないと言う。
大抵はダンジョン等の魔素が強い場所で死んだ人がアンデッド化して復活する
その際、より上位のアンデッド系モンスター等に使役され命令のままに動く
野良ゾンビもたまには涌くが鈍重な動きと単調な動き(人を補食しようと襲いかかる)の為
駆除対象上位であるにも関わらずオーダーを受けるのは冒険者でも初級の方だ
なのに俺はモノを考え、言葉を話し、何なら自発的に行動(掃除)もしている
見た目がアレ(ゾンビ)なだけで普通の人と変わりがないじゃないか?と
これに関しては俺も答えを持ち合わせていない
何しろ何故ここにゾンビとして存在しているのかすら不明だからだ
なのでノアには正直に身の上話を聞いて貰い、その上でこれからどうしたら良いか相談する事にしたのだ




