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死を見つめる瞳  作者: 自由の梨
1/10

何気ない日常

百合愛(ゆりあ)一緒に帰ろう!」

「うん、帰ろう(かえで)。マユは?」

「日直だからノート職員室に運びに行った。昇降口で待っててだって」

 百合愛はノート類をカバンに入れながら「そっか、行こ?」と答えた。


昇降口で百合愛は楓と会話していた。すると廊下の遠くから手を振りながら走ってくる姿があった。真弓(まゆみ)だ。

「マユ遅ーい」

「ごめん、ごめん」そう言いながら真弓は息を整えていた。

百合愛は真弓が息を整えるのを待って「じゃあ、行こっか」と二人に呼び掛けた。


「百合愛、楓、今日も寄ってかない?いつもの喫茶店」真弓がウキウキするように言った。

「修学旅行3日前だしね。わくわくするもんね」百合愛も声を弾ませながら答えた。

「行こう行こう」楓も答えた。

 百合愛達の通う県立青園(あおぞの)高等学校からあるいて15分程度の所にある相鉄いずみ野線、緑園都市駅前の喫茶店に百合愛達3人で入った。

「沖縄かぁ、楽しみだぁ」楓がうっとりする表情で言った。

「6月の沖縄って暑くないのかな?」百合愛は好物のアイスカフェオレを飲みながら言った。

「どうなんだろうねぇ。蒸し暑かったらやだね」

「マユは露出の高い服着て男子共を悩殺しちゃう?」

「やめてよ楓ったらもう」

「いいじゃんいいじゃん3人で一番胸大きいんだから」

「百合愛まで」

「アハハ」百合愛は思わず笑ってしまった。


 そんなガールズトークを何時間続けただろう。6月なので日は長くまだ太陽が輝いていたが、時刻は17時を回っていた。

「そろそろ帰ろうか」

「そだねマユ。百合愛今日バイトある人いないでしょ」

「うん私は休み。楓は?」

「私もシフト入れてない」

「ならもう少し話たい気分もあるけど行こうか」真弓が席を立った。

 割り勘でお金を払い3人は喫茶店を出た。

「じゃーねー」

 真弓と楓は電車で帰るので声を合わせてあいさつして緑園都市駅に入っていった。

 百合愛は歩いてすぐの場所にあるマンションに住んでいるのでふたりに手を振って帰路についた。


 歩きながら百合愛は体のだるさを感じていた。

「(おかしいな、熱中症かな?)」心の中でそう呟き家に帰った。

「ただいま」

 玄関のドアを開けて靴を脱ぎ家の中に入った。

「あら、お帰りもうすぐ夕飯できるからね」と母親が出迎えてくれた。

「なんか食欲ない」

「あら珍しい、修学旅行前なのに風邪でもひいた?」

「熱測ってみる。体温計どこだっけ?」

「待ってて今持ってくる」

 母親が自室に体温計を探しに行ったので手洗いうがいを済ませた。

「あったわよ体温計」

「ありがとうお母さん」

 そう言うと百合愛は体温計を受け取り脇に挟んだ。3分程して検温終了のアラームが聞こえたので液晶パネルを見た百合愛は驚愕した。

「38度7分も熱がある。お母さんどうしよう」

「そんな高熱?明日学校休んで病院行ってきなさい」

「わかった」百合愛は気怠い体でそう答えた。

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