表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【F.A.G】  作者: bubbles
2/33

バラクーダ①

ダニの交通渋滞みたいなベッドで目を醒ますと、丈威(ジョーイ)はまだテレビ画面に釘付けだった。


難聴待ったなしの爆音の海の中、丈威は時たま『ウォッ!』だとか『クソッ!』だとか『死ね!』だとか唸りながら、ご自慢のドレッドヘアーをユサユサ揺らしてアサルトライフルをゴキゲンにブッパなしている。


喉がヒリつく。埃をそのまま詰め込まれたみたいな違和感。ここで昼寝するといつもこうだ。


いつの間にかケツの下に移動したスマホをほじくり出すと、待ち受けのデジタル時計は午後四時過ぎを表示していた。


つまり俺の隣で上裸(ジョーラ)のまま胡座を掻いているこの男は、都合三時間もコントローラーを握りしめ、海の向こうの同じようなバカ共とドンパチを繰り広げている事になる。


「…おいジョー」


返事はない。恐らく耳クソを放置しすぎているせいだ。


「ジョーッ!」


二度目の呼びかけも無反応なのを確認すると、俺は三度目の代わりに丸テーブルの上のリモコンを手に取り、テレビの電源をオフにした。


「あああァァーーッ!!!」


丈威は弾けるように立ち上がり、ぶっ壊れたサイレンみたいな雄叫びを上げると、そのまま口あんぐりのバカ面で一時停止した。












「ぶはッ」


俺はその様子が可笑しくてつい吹き出してしまった。


「あッ!マキオ!テメェふざけんなよッ!」


丈威はコトを理解すると、右手のリモコンを奪い取ろうとこちら目掛けてルチャ・リブレばりのダイブをかました。


「バカッ!おい、やめろって!」


俺は必死に身をよじったが、ヤツのバカでかい図体を避けられる訳がない。

結局はこのクソ汚いベッドの上で、先程のオンラインゲームに続く二次大戦が野郎(ヤロー)二人により勃発した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ