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その二

 「初めましてアルフレッド・カラスだ、アルフレッドでもカラスでもアルでもクソでも好きに呼ぶと良い、授業を始める前に掲示板に乗せてなかった内容の補足を入れる、ついでに後で同じ内容を貼り付けておくから知り合いに見ておくように言っといてくれ」

そんな第一声だった、覇気も何もない面倒臭そうな口調に声、それでも生徒からしたら珍しくもない、基礎体力科の教授はのほほんとした口調と声で話すがその実、生徒の限界を見極めて追い詰めて追い詰めて体力作りを行うし中位魔術科の教授等は線の細い痩せぎすの男だが太く低い声で話す、それを考えればやる気等に問題は有っても見た目のイメージから外れないし変に小声で聞き取り辛いなんて事もない。

そして言っている事も至極当然で、予め掲示板に張り出されたのは授業日時と必要な教科書、使われる教室と学科名くらいで授業内容も単位取得に必要な日数も、大まかな試験内容すら書かれていなかったのだ、それを補足するのは当然と言えよう。


 「まず単位についてだが、基本的に他の教科と変わらず5回の受講で一単位、当たり前だが受講態度で多少は変動するから、続いて試験資格までの日数、いや回数か、まだ行きあたりばったりでどの程度の早さで進めて良いのかわからないが30回程度と考えて良い、試験内容は筆記と実技、細かな内容までは教えないが2回に分けて行う、授業は朝一と昼一に一回ずつだ」

 「授業内容だがほぼ座学、最後の方に少しだけ実技が入る感じだ、これに関しては正直に言うが、俺がこの学院に在籍するように言われた5年、その5年を今日と同じくらい生徒を受け持つとしても、間違いなく竜を殺せる奴は生まれない、俺は俺の知りうる全ての知識をお前達に教える事を王に誓ったが同時にお前達が実技試験をクリアできない、仮にクリアできても竜殺しは成し得ない事を請け負ってきたしそれで良いと言われている、では授業を始める」

その言葉と態度をフザケルナと或いはならどうしてと、そう思うと同時に、それだけ、それだけ竜を殺すという事が難事で不可能の果てに限界を越えても届かないのだと理解する、それと同時にどれだけ素晴らしい知識を技を教われるのかとわくわくする、なにせ竜を殺せる技と知識だ、大抵の敵は鎧袖一触にできるだろう。


 「教科書の128ページを開け、今日は竜の種別と差異について教える、生物学と多少被るだろうが我慢しろ」

続いたのはそんな言葉だった。


 そんなもの教わらなくとも教室の中と外に居る生徒のほぼ全員が知っている、この授業を受ける前に予習したからとかではなく、単純に常識の範囲内の知識だからだ、とは言えもしかしたら一人くらいは知らない奴も居るかもしれない、だが教科書を後で読んでレポートでも提出させれば良いだけでワザワザ授業を一つ潰してまで行う事ではない

 それでも授業は受けなければならない、単位や授業の進捗の都合上次の授業を受けるにはこの授業が終わった後で学生証にチェックをしてもらわないと駄目だし英雄譚や自慢じゃないだけマシだろう。

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