今日もゴブリン狩りに、明日もゴブリン狩りに、明後日もゴブリン狩りに。
ハァッ! ハァッ!
クソったれ。
ッ! 右か!
ヒュンッ!
ッ! 今度は左!
グサッ!
「くっ! 」
矢が腕に……。
気にしてる場合じゃねぇ。
「ガーーっ!」
正面から突っ込んで来たか! クソゴブリンめ!
バチッ!
「ガッ?」
見え見えの斬撃弾く位は片手でも出来るわ!
てめぇ、その一瞬の隙が命とりだぞ。
俺はクソゴブリン弾いた勢いを殺さず、そのまま身体を反転させ蹴りをゴブリンの頭にブチ当てた。
「ガウっ!?」
はっ、脳震盪起こしたか。
だかな、これで終わりだと思うなよ?
俺は素早くゴブリンが持ってたボロい剣を奪った。
「ウラッ!」
ザクッ!
「ガッ、ガ、ガッ! ?」
ドカッ!
ふー、流石に頭から叩っ切ってやるとゴブリンも即死か。
ッ!マズイ!
ヒュンッ!
グサッ!
「うっ! くそったれ! 油断した」
まだ矢を打った奴が残ってるのに。
俺もまだ未熟だな。
反省は後回しだ。
ガサ、ガサガサ
何処だ? 敵は何処に居る?
ええい面倒だ、魔力を温存するつもりだったが・・・
「…………世界に大いなる安らぎと眠りをもたらせ、優しき氷の鎮魂歌を今奏でるーー最氷結呪文ーー」
俺の足元に氷が生まれた。
その氷がドンドン広がる。
この氷は俺の視界に移るもの全てを氷像に変える。
こそこそ隠れてる奴、隠れたまま凍え死ねよ?
あー寒ーー!
この魔法は強力なんだが使った後がメチャさみーのが欠点なんだよな。
あと呪文がハズイ。
まぁこれで隠れてた奴は殺ったろ?
なにせ森を丸ごと凍らせたしな。
お陰で魔力は空っぽだけど。
傷治す回復呪文用の魔力も使ったから当分動けんな。
幸いこの寒さで痛みは麻痺してるが。
にしても、
「なんで十年も冒険者して戦う敵はゴブリンだけやねん! 」
…………この俺が異世界転生した世界は、敵がゴブリンしか居ない。
十年戦い続けてもゴブリンだけ。
ドラゴンも魔王もデーモンもボブゴブリンすらも居ない。
本当に本当に普通のゴブリンだけが敵。
はっきり言おう。
「……ゴブリン狩りに飽きた」
明日もゴブリン狩り。明後日もゴブリン狩り。
マンネリはダメだと思うよ?