001 オンラインゲームの世界へようこそ
部屋に戻ると、俺はそのままベットに倒れこみ、VRギアと呼ばれる、ヴァーチャルゲームをする為の端末を頭に装着、制服のままでゲームを開始することにした。
「接続」
この言葉により、VRギアが作動し、ゲームの世界へと入っていく。
さて、ここで一度、MMORPGについて説明をしておこう。Massively Multiplayer Online の略語で、意味は、多人数が参加できるオンラインゲームの総称を指している。
晴昭が目を開けると、そこは真っ白な何も無い空間だった。
「βテストの記録を確認しました。新しく、キャラクターを作ることができます。作りますか? Yes/No」
と機械音声が流れ、選択肢が目の前に浮かんだ。そう、俺は元βテスターだ。快人には黙っていたが、それには理由があった。それは、快人が俺がβテストをやっていることを知ると、ウザイぐらいにゲームの進行状況や、完成度などの話を永遠にさせられるからだ。そんなことになるのは嫌だったので、俺がβテスターだという事は快人には勿論、家族にも内緒にしていた事だった。
βテストのキャラクターのままにすると、知り合いにあった時にバレたら困るので新しくキャラクターを作ることにする。
「キャラクターネームを入力してください。」
その言葉とともに目の前にキーボードが出現する。それに俺は
HARU
と打ち込んだ。
「キャラクターの人相、体格などの設定は、全てランダムに行われます。自分で変更する場合にはお金がかかりますが、よろしいですか?」
とアナウンスが流れる。それに俺はちゃっかりしてるなぁと思いつつ、Noを選択する。
「了解しました。それでは、ゲームをお楽しみください。」
その言葉で、俺の視界は暗転した。