第五審 さらば紅魔館の巻
こま~しゃる
映姫「茨戸、作者がとんでもないことを考えました」
秀 「どうしたんス。」
映姫「作者が東方創生判お正月特別編なるものを考えているらしいですよ」
秀 「へ~。で、内容は?」
映姫「秀、小町、そして私たち3人がおせちを食べたりするらしいです。まったく、そんなことをやるより、受験生として勉強して貰いたいですね」
秀 「それで、何話書く予定何スか?」
映姫「3話を予定しているらしいです。三賀日に一話ずつ公開予定だそうですよ。」
秀 「あの...クリスマスの企画は...」
映姫「私は仏教徒なので。そんなものは書かせません」
秀 「まあ、いい加減な人っスからね、作者は。内容、公開日は変更になる場合もあるかもしれませんし」
映姫「つまり、お正月編乞うご期待!という訳です。
見ない人は地獄に突き落としますよ」
「ああ、遊ぼうか。命のゲームをな」
少女は興味津々である。今は機嫌は良いが、もし機嫌を損ねるようなことになれば、自分は即刻ドッカーンとなるだろう。自分はこの少女を満足させて、ここから逃げ出さなければならない。
「命のゲーム?何それ、?」
「よーく見てな」
制服のボタンの一つをカエルに変えた。少女はびっくりした顔で自分を見ている。
「今のお兄さんがやったの?」
「そう。フランちゃんは、生き物も壊せるんだよな。今からオレが生み出す、そうだな...10種、10種類の生物を全部壊せたら、君の勝ち、一つでも壊せなかったら俺の勝ち。わかった?(今、守るべきは自分の命、優先するのはこの女の機嫌、脱出のカギは我が能力。10種類以内に、お前を倒し褒美貰わなくては)」
「わかった。フランが勝ったら、お兄さんを壊していい?」
「ああ。イイよ。そのかわりオレが勝ったら、オレは帰っていいかな?」
少女は少し黙ってから、
「うん、いいよ。負けなければいいんでしょ?」
見た目は少女に見えるが、やはりこの女も500年近く生きているのだろうか。姉のように、見た目の割に言葉やルールとかを知っている。それよりも、気になるのはこの女がなぜこんなところにいるのかだ。この女、間違いなく上にいる女の姉妹に間違い無い。その割に扱いが雑すぎる。主の妹という時点で、権力を握るには十分なはずだ。はずなのだが、なぜこの狭苦しい刑務所のような場所に入れられているのだろうか。謎は残るが、とりあえずここから逃げ出す方法だけでも考えなくては。
「まずは、一種類目。カエルだ。ほら、早くしないと、逃げ出していくぞ」
生物には逃げろという命令をしておいた。しかし、吸血鬼のスピードがわからない。人間はアスリートでも35km/hが妥当だし、吸血鬼の元みたいなコウモリのような鳥でも30km/hでるかでないかぐらいのはずである。
「ほら。もう終わったよ。早く次の出してよ」
ハッと、カエルの方向見るともうやられていた。能力を使ったのでは無い。カエルの腹部に丸い傷跡が付いている。血を吸われたんだろう。カエルが干からびている。
「ああ、わかった。もう二種類目は創っておいた。昆虫は好きか、カブトムシだ。さっきより難しいぞ」
「えー、どこ?どこにいるの?」
なぜだ?能力を使えばすぐできるのではないのか?女は何でも破壊できるはず。500年近く使っている能力を忘れるわけが無い。
つまり、答えは一つ。奴の能力には条件がある。条件つまりは弱点に繋がるはずだ。
「あ、あんなところにいた。えい」
少女が手を握った瞬間、さっきのようにカブトムシが吹っ飛んだ。
「(わかった。この女の能力は手を握れば目で見たものを木っ端微塵にできる能力。防ぐ方法を考えなくては......)」
周りを見渡すと、机の筆立てが目に入った。
「三種目。君の机にあったペンをカメレオンに変えた。見えるかな」
カメレオンには保護色という生まれついての能力がある。女の能力を見極めるためにピッタリの動物だ。
「さあ、見せてもらおうか。フランちゃん」
バァン!!と破裂音がした。まさかと思いカメレオンの方向を見ると、やはりやられていた。
「(いや、見えるはずがない...自分でも能力の探知機能が無ければわからないのに、まさかそんな......)」
「ねえ、早く次!ねえってば!」
女から苦労したとかいう感じは少しも感じない。
「(目だけじゃあないのか?匂いは自分の能力では作れない...とすると耳か?いや、カメレオンは鳴く生き物じゃあねえ!クソッ!)」
女はどうやったかわからないが、動物の位置をわかるらしい。そうすると五感をつぶして、という作戦は無理になった。さらに、逃げだすというのも位置がもう断定されている。間違いなく、木っ端微塵になる。
「(目で見なくても、空気の流れとかで生き物の形を読み取り壊すのか...何かわからんが。じゃあ、両手しかない。両手を握らせなくする。それしかない)」
「四種目はヘビ。それも3匹!どうだ!」
破裂音は2回聞こえた。予想通りである。手は2つしか無い。一回に2匹が限界になる。凄まじいのは、女の能力だ。一瞬のうちに猛毒のヘビ3匹を葬ったのだから。
しかし、もう何も考える必要は無い。もうこのゲームの勝者は自分だ。一匹目の時点でもう決まっていたのだ。
「さて、決着は着いたな。帰るとするか」
女は謎めいた顔をしている。
「ねえ、早く5匹目を出してよ。早く」
「出す必要はない。もはや、君は負けているんだからね...。それでもいいなら、五種目、ハエだ」
「何を言っているの?こんなハエすぐに...」
女が膝から崩れ落ちた。何が起こったのかわかっていないような顔をして自分を見ている。
「やっと効き始めたか。手も握れないだろう?君の体には猛毒が流れている。死ぬ程の毒ではないが、体が痺れて動けなくなるぐらいの毒だ。まさか不死身の吸血鬼に聞くとは思わなかったなぁ」
「そんな...スキも無かったはず...よ。いつ、仕込んだの?」
「いつ?面白いことを聞くなぁ。ついさっき自分で吸ったじゃあないの」
女の目はカエルの方向を見ていた。気づいたところでもう遅いが。
「そのカエルは《ヤドクガエル》。昔狩人がこのカエルの皮膚の下の毒を使っていたと言われてる。カエルには鉄分が若干だが他の生き物より多い。血を吸いたくなるのは当然よ!動けないのはせいぜい1~2時間ぐらいだがね」
「強いね、お兄さん。秀だっけ?覚えておく...わ」
女はその場に寝込んだ。少し女の身を心配したが、よく考えればこいつは吸血鬼だった。死ぬことはないだろう。ついでに女の部屋の鍵を開けたままにしておいた。命の代わりに自由をあげてもいいだろう。
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一階に上がる階段を昇ると、さっき倒したメイドが待っていた。
「なんだ。またやろうってのか」
メイドは嫌な顔ひとつせずに、
「報酬を渡すという件で、お嬢様が呼んでいます。ついてきてください」
女の目は相変わらず冷酷だが、殺意は見えなかった。やはり主人の影響力というのは目を見張るものがある。でもなければ、あの幼女が自分より年上に見える女を雇えるわけがない。
主の部屋に着くと頼んであった武器と工具そして一番欲しかった腕時計が置いてあった。
「茨戸秀。報酬のものは用意しました。どうぞ」
「ああ、どうも。大変でしたよ。命がけでしたからね......」
この女、本当に悪気がなかったのだろうか。褒美を用意していた割に、あんな危険なところに送り込んだというのか。褒美を貰えたからいいんだが。
「それじゃあ、もうそろそろ帰るかな。また来るぜ」
「ああ、それと......。玄関にあなたの連れが来てるわよ」
「連れぇ?オレは一人で来たんだが」
玄関に行ってみると、小町さんが立っていた。
「やっほー。どう?初仕事は?」
「小町さんか。あなたの仕事はもういいのかい?」
「ああ...。まだちょっとね...」
おそらく終わっていないのだろう。小町さんは仕事をよく仕事をサボるらしい。上司からの情報だがまあ間違いはないだろう。映姫様が言うのだから常習犯に違いない。
「そんなことより見ろ!このスレッジハンマーかっこいいだろ?このボーガンも年代モノだぜ」
すると、後ろからメイドに呼ばれた。
「茨戸様。お嬢様が話があるそうです。お連れの方もどうぞ」
「話?さっき帰るって言ったのにか?」
部屋に戻ると、吸血鬼姉妹が座っていた。やはり吸血鬼の再生能力というのはすごいらしい。もう笑顔を見せている。
ソファに座ると、
「あなた。咲夜を倒し、さらにこの私の妹も気絶させた。相当の実力を持っているようですね。どうです?あなた私の部下になりません?」
「なんだと~?部下になれだァー?」
女の声には謎の甘さがあり、心が安らいだ。
「私の下で働けば、もう欲しいものは全て手にはいりますよ。嘘ではなくってよ」
「本当に、あんたの部下になれば欲しいものは手に入るんだな?」
「そうですよ。さあ、契約しましょう」
小町さんが心配した表情で、
「別に止めはしないよ。部下になるならなってもいい。四季様にはアタイが話しておくから......」
「いや、話す必要は無い」
自分は立ち上がって言った。
「よく聞け、吸血鬼。オレはもう映姫様に雇われてんのよ。オレはあの人以外の下で働く気は無い。それにお前、何でも手に入るといったな?よくも抜け抜けと。よ~く覚えておけ、お前が死ぬ時オレが地獄に連れてってやるからな!帰るぞ、小町さん!」
小町さんを連れて外へ出た。小町さんは終始驚いていた。
「アンタ...なんで?」
「理由は後で言う。待ってな」
すぐに歩いてきたところの赤レンガをいくつかヘビに変えた。ヘビと言っても並のレベルじゃない。最大級のアナコンダやキングコブラを生み出した。吸血鬼と言えど倒すのには、苦労するだろう。
「アンタがやったの?このヘビたち」
「これでいい。ムカついたからあの吸血鬼たちにはこれぐらいしないとな。それよりも逃げるぞ」
中庭を走って抜けた。門番はいなかったが、そんなことはどうでもいい。よく考えれば、自分は地獄への帰り方を知らない。小町さんが(仕事をサボって)来て良かったと思う。帰るには小町さんの船に乗ればいいらしい。自分は知らないのでなんとも言えないが。
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「アンタ、さっきの話だけど......」
帰りの船の中、小町さんが不思議がって聞いてきた。
「あの話か。オレはあんなロリ吸血鬼ババァの下で働きたくない。それに...だ。アイツの下で働いても手に入らないものがあんだよ」
「なにそれ。ありがちなドラマみたいだね」
自分は改まって聞いてみた。
「なあ聞きたいんだが、映姫様に彼氏とかボーイフレンドとかいないのかい?」
小町さんは笑いながら、
「四季様に?まさか、かわいいけど仮にも閻魔だよ。それにあのバカ真面目な性格だしさ」
自分はホッとしつつ、
「それならいい。まだ、チャンスはあるんだな」
「チャンス?何の?」
自分は真剣な口調で、
「何って...。告白のチャンスですよ。近い内にオレは彼女と結婚する。オレは映姫様を嫁にする」