表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ドヴォルザークの墜焉

作者: 裏山おもて

交響曲第9番「新世界より」

「新たな世界に行けば、なにか変るのかな?」



水平線に煌めく夕日は、なにかを叫ぶように輝いている。



波はなく、風は凪ぎ、空は宵を待つばかり。



橙色の陽光を受けた海面は、ガラス片を散り散りに撒いたように眩しく



水も空も静かに、太陽が沈む音だけが聞こえてくる気がした。



舟はその場に浮かび、背後からは夜がそっと首筋を撫で



穏やかな暖かみは消えゆき、ひたすらに凍てつく宵闇に、呑まれていく。



「世界が変わるときは、あなたが変わるとき」



ドヴォルザークの交響曲が耳鳴りのように聞こえてくる。



どこにも行けない舟に乗った僕たちは



鼻歌の音色のようにたゆたい



ただ塩水に腐って沈んでいくのだろう。



ドヴォルザークの世界は音で色を彩り。



僕たちの世界は文字で色を彩る。



こうして虚構の空間で世界を創造し続ける僕たちは。



すこしずつ、新たな世界を冒険している

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 美しい情景が浮かびました。 そういえば「新世界より」って帰宅模様なイメージ。 夜明けより落日。 帰りのひと時が、人々を笑顔にするからなのかなぁ。 多分、終わりは始まりの瞬間なんだ、 とか色…
2013/09/12 00:21 退会済み
管理
[良い点] 言葉がゆったりと波間にたゆたう、そんなイメージを喚起させる素敵な詩ですね。 とろりとろりと感性に染み込む言葉のエキス。心地よい余韻に浸れそうです。
2013/09/01 07:20 退会済み
管理
[良い点] 音楽と小説の違いはあっても表現するということで共通している。 そして新しい創造は常に、新世界への旅立ち…。 とかっこよく言いたくなる素敵な詩でした。 [一言] 先月、のだめカンタービレの音…
2013/06/12 16:31 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ