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三話 さすが動物あたまわるい

 

 虫除けとすごい結界によって快適な睡眠をとっていた悠馬は空腹により目が覚めた。

 小腹がすいたから出かけようとし、そのままここへ来たのだ。そしてそのままレベル上げ作業。本格的な空腹が悠馬を襲う。


「腹が減った。そうかあのベア何とか食えばいいか」


 悠馬はそうつぶやき作業を始める。

 まず最初に地面に敷いていたウッドハントの樹皮を取り出し、指で一定感覚に穴を開けて行く。そしてベアマナークの毛で次々と縛っていく。


「装備ほしいって言ってたからな。まあこれでも喜ぶだろ」


 そして出来たのが蓑虫みたいな頭から被るタイプのものだ。手を出すところはあけていない。

 そして悠馬は蓑虫装備に魔法をかける。


「『頑丈』『拘束』『長く燃える』」


 これで準備は万全だ。

 こうして悠馬はベアマナーク用の装備を完成させた。

 悠馬はその装備を背負い昨日のベアマナークの所へと赴く。この装備を届けるために。

 

「『追跡ナビ』」


 悠馬は脳裏に浮かぶ矢印に従い、炭化したウッドハントの森を進んでいく。悠馬の頭に環境破壊の文字が浮かんだが魔物だし問題ないと自己完結をする。

 そして一つの洞窟の前に出た。

 

「おはよう。武器じゃないがこれをやろう。すぐ着れ。腹が減った」


 悠馬は洞窟の中に向かって大声で叫ぶ。すると洞窟の中で何かが動く気配がし、数秒後ベアマナークが顔を出した。


「おお。もう作ったのか。早いのう。腹が減ったのなら中に果物を蓄えておる。それでも食え。その装備の対価じゃ」

「わかった。でも今はまず着てみるんだ。うまく出来たか気になる」


 ベアマナークに装備を渡した悠馬はにやりとわらう。

 それに気がつかないベアマナークは蓑虫みたいに装備をきて嬉しそうにしていた。


「ほう。ウッドハントの樹皮を毛でしばったのか。ふむふむ。そういえばこれはどこから腕をだすのかのう」

「腕は出さなくていいよ。『ファイヤー』」

「な!」


 ベアマナークの咆哮が洞窟に響き渡り反響する。

 いくら魔法が効きにくいといっても腕を使えないでよく燃える燃料を体に巻きつけられているのだ。酸素もすぐに奪われ出来ることといったら走るのみ。だが拘束の魔法により走ろうとした瞬間足に抵抗を感じ地面を転がる。


「熊っておいしいかな。魔物だけど食えるよな。果物もあるって言ってたから豪華な朝食だぜ」


 目の端にピクリとも動かなくなり、後は火が消えるのを待つだけのベアマナークをうつした悠馬は果物を取りに洞窟の中へ入って行く。

 洞窟は一本道ですぐに奥に着いた。だがそこにあったものは悠馬の想像を超えていた。ベアマナークが今まで溜めた戦利品もおいてあったのだ。

 とりあえずりんごみたいな果物を二つ手に取った悠馬は、壊れた武器などの戦利品を見ていく。

 剣に斧に槍。おまけに杖みたいなものもある。とりあえず学者を使おうとするがそこでカードのマークが光っているイメージが浮かんだのでカードを確認する。


レベル 65

職業  学者

スキル 器用 学者 急所 加工



 悠馬はそのまま学者で詳細を調べる。


加工

 職人さんがんばって。

 素材を好きな形へと一瞬で加工できる

 思い浮かべたことしか出来ないのでアイデアは自分でどうぞ。

 

 悠馬の感想はただ一つ。適当に何か作って売れば一生遊んで暮らせる、だ。ここで悠馬は今後のすごし方を決めた。この世界で人がいることはハンターがあることでわかっている。なので適当に物を作って売って遊ぶ。決めたあと悠馬はすぐに行動する。

 まず落ちているベアマナークの戦利品を加工する。

 落ちている数々の武器が輝きすぐに収まるそこにはナイフが大量に出来上がっていた。このナイフ持ち手も刃もすべて鉄でつなぎ目さえない出来上がりだ。これが加工の力である。

 悠馬はとりあえずナイフを放置し丸焼けベアマナークのところへ行く。

 そして加工を発動する。

 そこには青い上下の服が三着とこんがり焼けた肉が大量に地面へと置かれていた。

 悠馬は他の肉の上に乗っかっている比較的きれいな肉を食べ他は罪悪感に襲われながらも放置する。果物を食べ意識をそらした後一つの服を加工し袋にする。

 袋を持った悠馬は洞窟へと入りナイフを袋にしまっていくがナイフが袋を破り、しまえない。なのでナイフを五本加工し鉄の網を作りそれを袋の中にいれナイフをしまった。そしてその上に二着の服をかぶせ加工し蓋をする。

 大量の鉄の塊を持っているといっても過言ではないがレベルのおかげか重く感じない。

 悠馬の準備が整った。


「『道案内』」


 悠馬の脳裏には矢印が出現する。


「ナイフ持った。ご飯食った。忘れ物なし。準備完了」


 悠馬は矢印の方向へ走り出す。袋の中がガチャガチャうるさいが見たことのない景色にだんだんと意識を奪われていった。

 


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