18:別れの時は静粛に。
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。
とバイオレンスに謝ってみた。
--反省中---
17.別れの時は静粛に。
クリーム色の四人部屋。
清潔な、でも不安になるような消毒の匂い。
朝のニュースを写している黒い縁のテレビ。
「……哀れだ」
普段、といっても余り長く居た訳ではないけれど、友達として……異性としての記憶は君が初めて。
そんな君が普段出さない大きな声を出した。
喉、大丈夫かな?
「……そ、かぁっ。」
哀れだ。と言われても、私には『神崎翼』君は趣味も性格も誕生日も知らない、親戚以下の存在なの。
彼氏、と一口に言ったって、仲が悪かったかもしれない。
別れる一歩手前だったかも知れない。
神崎翼より一之瀬連翔の方が、連翔が――好き。なのに。
逢って見なければ分からないかも知れないけれど……。
「翼…だっけ? そいつは樹の事をずっと待ってるんでしょ」
知らないよ。
だって一度もお見舞いに来てくれなかったんだよ。
メールさえ来なかったんだよ。
「―――分かった。バイバイ、一之瀬君」
明日、退院しても大丈夫カナ?
今の私は、前の私じゃないんだよ。神崎くん。
それでも私を愛せるならば……やってご覧よ。
私は君を好きになるかもしれないけれど……きっと君は私を嫌いになる。
「樹っ……」
「何?」
自分でも驚くくらい冷たい声が出た。
ゆっくりと後ろを振り向く。
そこには
ゆっくりと後ろを振り向く。そこには傷ついた顔でこちらを向いている連翔。
「大丈夫、また会えるよ」
にこり、と微笑んで。
また……逢おうね?
* * *
「――・――様。本当に…宜しいのですか?」
果ての無い、漆黒。
「仕事を寄越せ……アイエオス」
そこに……膝を抱えて座る髪の長い男。
どこか窶れ気味の…。
「しかし……っ」
そこには、同じく黒尽くめの青年。
何事か言い募る。
「黙れ……我の犠牲者はどこだ」
その声には優しさなど欠片もなく…ただ深い慟哭と、悲しみだけがあった。
威厳に満ち溢れたその姿、その声。
その空気。
彼はもう……求めない。