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02:天使の飛翔

よろしくお願いします。

 

02:天使の飛翔





 ねぇ。君と出会ったのは優しい光の中だったね。

 君は汚れを知らない無垢で清らかな子を演じてたけれど…

 君は…真っ黒に穢れていて。

 可哀相だねぇ…生きているモノは皆…可哀相だねぇ。




2.そうしてアイツは飛んだ


―――とんとん、とん


階段を 上がる 上がる。

てくてく 上がる。


腕に巻いてある腕時計は今9:00を示している。

(もうすぐ1時間目が始まるなぁ…)

そんな時間に屋上に続く階段を歩いているのだから完璧に授業開始には間に合わない。

でも良いのだ。この学校は成績さえ良ければ最低の授業出席日数さえクリアしていれば処分はされない。

毎回トップ10に食い込んでいる私が授業を受けなかったところでどうってことはない。

それにあのまま異質な転入生 緋之宮 月夜 の視線を感じながら席に座ってじっとしているのは嫌だったのだ。


「ふぁわ~あー眠い」


それに寝むかったのだ。

これが一番の理由だったり、したりしなかったり…。

私が立っているのは‘屋上’に続くトビラ


――…キィ。


軽く悲鳴を上げながら青空を向こうに見せる錆びたドア。

そこに広がっているのは一面の空色。空なのだから当たり前なのだけれど…。

どんなに絵の具を混ぜてもできないような色。色、と呼べるのかどうか…。


「綺麗だなぁ~」


ただそう言うしかない。

空には白い綿みたいな雲がぽつん、ぽつんと散っている。


風が――…吹いた。

私の髪が揺れる。と同時に眠気が襲ってきた。

きっと暖かに照りつける太陽と柔らかに私を包み込む風のおかげだろう。


「ふぁぁぁ」


もう。寝よ。そう思って屋上の真ん中に大の字になる。

ゆっくりと瞼を閉じようとしたとき……。


視界が暗くなった。


「?」


目を薄く細める。

(なんだ?)


――…バサッ 


はらり。

なにかが頭上の上から降ってくる。重いものじゃなくて…なにか柔らかく頬をくすぐってふわりと少しの風にも舞ってしまう、太陽の優しい光に反射して硝子のように光っているモノ。


「は、ね?」


羽。真っ白な…それはもうこの世の汚れなんて知らないかの様な…。

そう。まるで天使が持っているような。


「ふふ…綺麗」


本日2度目の‘綺麗’は空には悪いけれど1度目の‘綺麗’とは比べ物にならない美しさだった。


―――そして


「あ。ニンゲン」


まるで嫌いな野菜が大好きなシチューに入っていた時のようなノリでそいつ・・・はつぶやいた。




                                               「緋之…宮?」





震える声でそいつ…緋之宮 月夜 のことを呼ぶと。


「うん。そうだよ?」


教室にいるときとは比べ物にならないくらいの笑顔で…まるで天使のような笑顔でそう返されたのだった。

緋之宮には真っ白な翼が…異なる羽が…生えていた。

私の目の前でとんっ。と降りるとそれに反応するように羽が動いた。




「…じゃあ、お眠り」


優しい彼の声とともに私は……。

では。では。よんでくださりありがとうございます。

加筆修正:12/30 0:31 

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