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~天使の贈り物~  作者: 麦茶のれんぴっか
Ⅲ今宵は……
16/21

【番外編】Do you teach to me?

私に教えて?

両親を殺した貴方――…。

 どーしよう。おかあさんが、息してないよ。


 大丈夫。ただちょっと長い眠りについてるんだ。


 そぅなの?


 そうだよ。だから安心してお休み?


 うんっ!わかった!


 * * *


 優しい光が差し込む。

 ふわりと髪をなでる優しい感触。

 幸せなはずなんだよ?なのにどうして胸が苦しいの?

 痛いの?破裂しちゃいそうなの?鼻がツーンとして嗚咽が止まらないの?


 何も怖くないし、痛くもないし……。

 嗚呼、悲しいのかなぁ?


「んっんん……あ、さ?」


 目を開けると、お父さんよりも若い男の人が私の目の前にいた。

 とっても綺麗な人だと思った。灰色の瞳に、茶色い髪の毛。少し冷たい感じのする目だけれど。


 でも、嫌いじゃない。

 それにこの人の手はとってもあったかい。


「おはよ…う?」

「おはよう」


 笑うと、冷たい顔じゃなくなるな。

 嬉しいな。嬉しいな。

 ただ、その人が笑っただけなのに、とっても嬉しいな。


「おと、さんは?おかぁさんは?」


 私が眠たい目で聞くと、


「ん~、天国?」


 てんごく。

 それは、何?


「心が綺麗な人が死んだら行くところだよ?」


 へぇ~。おとーさん達はそこに行ったのか。

 じゃあ、ここは天国?


「樹はここで、お父さんたちは天国、かな」


 へ?

 ぽかん、と口をあける。

 なんで?

 私も天国に行きたいよ?おとーさんとおかーさんと天国に行っちゃだめだったの?


「だーめ、」


 優しいこの人が少し怖く見えた。

 私の怯えを感じ取ったのか、彼は優しく笑った。


「ボクは、君の大事な人……」


 そうなんだ。

 でも涙が止まらないよ?


「泣かないで、お姫様」

「だって、だって……私ひとり置いてかれちゃった……」


 私が、ダメな子だったから?

 置いて行かれたの?


「樹は、いい子だから……まだ天国に行っちゃいけないんだ……」


 そう言いながら、愚図る私を抱きかかえると、


「悲しみは恋愛の次に人生を彩る最高のスパイス、考えて御覧?」


 最高の……すぱいす?


「悲しみがなかったら人は幸せがわからない……」


 うん?

 

「だから、ねぇ、樹が悲しいおかげで幸せを感じられる人もいるってこと……忘れないで」


 ……?

 首をかしげて彼の言葉を瞳を閉じて噛みしめ、頭の中で租借するように考えていると、ふっと温もりが なくなった。

 吃驚して目を開けると今まで抱きかかえられていた私はカーペットに横たわっていた。


 血塗れのカーペットに。




 『忘れないで』

 『忘れません……』




 私の両親を殺した貴方――…

 


一気に2本!

なぜなら友達の誕生日だから。

関係ねー(ーー゛)

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