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01:アイツはやってきた

はいっ!ノリで描いちゃった☆てへ(殴、蹴

こんにちは。駄作…Orz

~プロローグ~ 


「ただいまぁ」


あれ?いつもならすぐ帰ってくるはずの“おかえりなさい”と言ってくれる優しい母の声がない。


「おかーさん?」


返事がない…。母は仕事をしていないはずだからいつも家にいて私が帰ってくると絶対に、


「おかえりなさい。手を洗って、服を脱いで頂戴」


と綺麗な声で歌うように私に言うのに…。


―――とん、とん、とん


長い廊下を歩いてリビングのドアの前で立ちすくむ足。

なんだかこの扉を開けてはいけないような気がした。本当にただ本能が命じていたんだ…とは思う。あの時薄っぺらいあのドアを開けさえしなければ…私は今日までこんなに苦しむことはなかったのに。これは罰なの?神様?



01:アイツはやってきた。


「ねぇねぇ。樹~今日転入生クン来るんだって~イケメンだといいね♪」

「なんで男子設定…」

「ん?そこはノリで~」

「あっそ」


私は、野々宮 樹ののみやいつき


空水堂そらみどう中学に通っている。ごくごく一般の女の子。だと自負している……が!周りの同級生は、


「なんで恋愛に興味ないかなぁ?」


としばらく首を捻り、


「変人だからか!!」


と一様に叫び皆様納得して自己解決していくのである。

そもそも恋愛なんかしてカップルになってみろ。金はかかるわ、気はする減るわで一恋二損いっこいにそんである。

だから恋なんてしない。今は“金”がいるんだ。

自分を養う金が……。


――転入生は金持ちだろうか?

私が“噂の転入生”に抱く感情はそんなもんだった。




「緋之宮 月詠ひのみやつくよです。よろしくお願いします。」


ソイツは皆の期待通り……美形またはイケメン。の部類に入るであろう顔立ちをしていた。自己紹介が済み、緋之宮とかいうやけに整った女の私でさえも羨む顔をした男子は、私の斜め後ろに座ることとなった。


………。


視線が痛い。

なぜだか転入生クンは私の背中をガン見しているようだ。

自意識過剰とかじゃない。

だって私が恐る恐る振り返った時もこっちをガン見してたし!驚き通り越して恐いわっ!


ってコトを隣の篠田しのだに話すと…


「野々宮も!?」


と共感されたので私が何かのターゲットにされたようではないみたいだった。

緋之宮は栗色のさらさらの髪に同じく栗色の瞳…だと思う。

瞳は長い前髪に隠れて見えないのでよく分からない。

でもなんだかぼんやりした空気を纏った子だった。まぁ。私には関係ない。


先生の話が終わり(仲良くしろーだとか…)皆が弾かれたように緋之宮の席に群がった。


「ねーねー月詠クンってよんでもいい?」


だとか……。


「どこに住んでるのー」


だとか……。

くだらない。


私以外の女子はきっと緋之宮と仲良くなりたい、あわよくば恋人になりたい。そういう下心がアリアリだ。


「はぁ…」


五月蝿いうるさい

緋之宮の近くの席の私の周りはとにかく五月蝿いのだ。


「あり?ののっちは興味ないんだ?」


……。


さぁ。来た、私の天敵。


神崎 翼かんざきつばさ

何かと私に構って来る暇人。

しかもタチが悪いことに美形ときてる。

おかげでこっちはいい迷惑よ。先輩からは睨まれるし……。


「………」


無視。



「ちょっ!?いくらなんでもシカトは酷くない?」


無視。


「ねぇねぇ!ののっちぃ~」


ヒィィ!キモい!


「ののっち言うなぁ!」


耐え切れ無くなって(いろいろなことに)つい叫んでしまう。

「あ!やっと喋ってくれたぁ」


無視されてしょんぼりしてた神崎がぱぁっと顔を上げる。


「今のは独り言です。モチのロンこれも…」

「えっ!」

「お前なんかに構ってる暇はねぇんだよ。下等生物くん?」


極上の笑顔で黒いオーラを出しまくる。これが唯一の撃退法。


「ぅ゛ーーー。酷い…」


頭を抱えている神崎に、


「あぁ、ごめんなさい。これじゃあ下等生物が可哀相ね?」


と追い打ちをかける。


「と、いうことで離れてくれない?すっごく邪魔…」

「うぅ…」


ゆっくりと名残惜しそうに私の肩から頭を離す。

そして、


「いい匂いだったぁ」


といいながら離れていくのだった。と行かせるはずもなく、


「あっ待って神崎クン☆」


私の中で一番キャワイイ声を出す。すると、神崎は嬉しそうにこっちを振り向き、


「なぁに?ののっち?」


こっちに駆け寄って来る。


「あの、ね…キ、スしたいから目つぶって?」

「!?うんっ」


そういって目をつぶって少し背を屈める神崎。


―――堕ちたな


わたしはニヤリと笑って、


「ここじゃ恥ずかしいからもっと……こっち」


そう言いながら窓際に引っ張っていく。

神崎は開いている窓の枠に寄り掛かっている。

ふふふふふ。

人生ね。甘くないのよ?


「あ…いくよ?」

「俺…もう死んでもいい…」


と幸せそうに呟く神崎。


「うんっじゃあ死のっか☆」

「え?」


戸惑う神崎の肩を押す。力一杯。

大丈夫。ここ2階だし?

そのまま。神崎は下に落ちていく。

受け身取れるかな?



満足そうにパンパンっと手を叩く私を見て恐ろしげに


「見ろよ転入生…あれがクラス恒例《人生そんなに甘くないのよ神崎クン☆》だ。主にというか野々宮と神崎で構成される漫才だな…しっかし恐ぇ~」


ふんっ!転入生にいきなり変なこと教えてんじゃないわよ!

漫才って……死活問題よっ!

こうして成敗しとかないと図に乗るのよ!


「了承した」


はい?

なんか今高校生らしからぬ発言が聞こえたような気がしたけど?

もしかしなくても緋之宮である。

ソプラノの綺麗な声は一度聴いたら忘れるものではない。


「あ。んと。…分かった」


言い直す緋之宮。皆フツーにビビってたからね?

まぁ。関係ない。新しい住人のことなんて…。


いち早く気を取り直した私は、教室のドアをガラリと開けいつもの場所に向かった。

(さぁ。転入生はどんなフォローをあの後するんだろう?)

と少し楽しい空想をしながら。


ぐっだぐだでしかも更新がマジくそ遅い…それでも付き合ってやるぜ!という方はどうぞ生暖かく見守ってくださいまし。

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