小学校高学年
三話目となりました。
読んでいるうちに転生とか関係なくね?と感じるかもしれませんが、私が思う転生の最大のメリットは経験した事を覚えている事だと思います。その経験を元にさらに成長出来る事が転生のメリットだと思います。
それでは楽しく読んで頂けたならば光栄です。
後少しで二度目の小学校生活も終わる。エスカレーター式に系列の中学校に通う事になった私は勉強に身を入れる事無く過ごしていた。学力を落とさないようにそれなりに勉強していただけなのだが、前世の記憶を持っていた私は学内ではそこそこの成績を収める事に成功した。
加奈も同じ学校に通い、学年でトップクラスの成績、運動面でもトップなのを見るとここまでの天才はそんなにいない事が解った。つまり加奈は特別な人なのだ。そしてそのルックスの良さから加奈は学年でもマドンナ的存在となっていた。その話をクラスの友人から聞いた時に、前世の高校での四天王を思い出した。学内で特に可愛い子四人を四天王と呼んでいた事を思い出したのだ。それはそうと加奈はピアノを習い出した。最初は私と同じドラムを習いたいと言っていたのだがそこはまた父の目論みによりピアノを習わされた。持って生まれた才能と数年ギターをやっていた事もあり、耳、指の回転は速くもう既に将来を希望されているらしい。加奈が今後何を選ぶかは解らないがほぼ全てにおいて人並み以上になるのは間違いないだろう。音楽と言う事に関して言えばプレイヤーならば間違いないだろう。ただ、生みだす者としてならば解らない、技術が上の者が認められる訳ではないのだから。
私は後数週間後に行う、小学校卒業パーティの出し物の練習をしていた。一次会はある会館を貸し切り、それぞれのグループが出し物を行う事になっている。私は真美とクラスの友人達とバンドを行う事にした。他のグループはダンスだったり、バックに音楽を鳴らして歌を歌ったり、コントを行うみたいだ。欲を言えば私の組んでいるバンドのベースを真美が担当していたならばそれなりの演奏が出来たのだが真美は他校の生徒である。そんな事出来る訳もない。真美は真美で中学受験で忙しいらしく、レッスンに来ていない時が多くなった。
「じゃあ、もう一回頭からね。」
ハイハットを叩きカウントを行う。二拍のカウント後、楽器隊の演奏が始まった。メンバーは私を入れて五人、ギター、ベース、キーボード、ドラム、ヴォーカルとオーソドックスな布陣だ。曲自体も初心者が行うような比較的簡単な曲を選んだ。バンドはリズム帯がしっかりしていれば他が初心者でもどうにか聞けるようにはなる。ドラムとベースが上手ければ何とかなる、と言うのが私の自論だ。ヴォーカルはクラスで歌が上手くて人気者の子、身内で発表するならこれは仕方が無いだろう。歌が凄く上手でも小学生にとってヴォーカルは人気者の子がやらなければ盛り上がらない。うちのクラスの人気者は歌が上手くて良かった。物凄い音痴だったならば苦笑いしかできない。ギターとベースの子は初心者だった。数か月前から始めたらしく、バンドを組むのも、バンドで演奏するのも初めてと話していた。最初の頃はそれぞれが合わせる事を知らないから自分のリズムで弾いていた。これだと曲がごちゃごちゃになってしまう。私はギターとベースの子にドラムの音を聞いて演奏する事を教えた。何回か練習していくうちに合わさるようになった。また、彼らは演奏する能力も高くなっていった。ギターの子なんか私がギターで見本を見せた時から対抗意識を燃やし、家で相当練習していたたみたいだ。元々ギタリストの私からしたら音だけで解る。キーボードの子は小さい頃からピアノを習っているらしく技術はしっかりしている。
スタジオに最初に入った時と比べると別のバンドかのように私達のバンドはレベルが上がっていた。
「人前で演奏するには全然大丈夫なレベルになったね。」
「当たり前だろ?俺は天才だからな!」
ギターの子が笑いながら私の問いに答える。
「でも天才と言うのは良なんじゃない?ドラムめちゃくちゃ上手いのにギターも上手んだもん。」
キーボードの子が天才と言う言葉に反応して喋った。私はドラム歴八年になるし、ギターは前世と合わせると二十年近くなるから当たり前だ。本当の天才と言うのは加奈みたいな人なのだよ。ギター等の楽器はどれくらい練習したかが重要だ。しかし、世の中には持って生まれた才能だけでそれをいとも簡単に覆る事もある。それが加奈だった。今はまだ私の方がいささか上だがそのうち追い抜かれるだろう。
「じゃあ、ちょっと休憩しようか。十分くらいしたらまた合わせよう。」
私はそう言うとスタジオの外に出た。毎度の事ながら長時間ドラムを叩いたり、バンドで合わせると耳が遠くなった感じがする。少し外に出て耳を休ませないと。他の子達は休憩時間にも関わらず練習を行うから余計うるさい。
外に出て体を伸ばしていると携帯が鳴った。真美からの着信のようだ。
「もしもし?」
「もしもし、良?今スタジオにいるでしょ。何してるの?」
何故真美は私がスタジオにいるのか解ったのだろうか。
「学校の出し物に出るバンドの練習だよ。真美こそ何で僕がスタジオにいるって解ったの?もしかしているの?」
と、聞いたら電話が切れた。何だろうと思い携帯をポケットに入れたら後ろから大きな声がした。
「わっ!!!!!」
突然後ろから大きな声がしてびっくりして振り返るとそこには真美がいた。
「驚かさないでよ。心臓に悪いよ。」
「ごめんごめん!久しぶりにスタジオに来たら良がいたから。」
笑いながら真美はそう答える。真美は入試で忙しかったのだがもしかして終わったのだろうか。
「受験、終わったの?」
「うん!終わったよ~後は合格発表だけかな。」
「どこ受けたの?」
「受かってから教えるよ。それより久しぶりに良とセッションしたいな~。今大丈夫?」
「だから、今はクラスの友達とのバンド練習が「いいから!じゃあやるよ!」」
真美は私の言葉を遮りそう言うと、私の手をひっぱり中に入った。何番のスタジオかと聞かれ、無視していたら怒られたので素直に喋りった。私は小学生の女の子にすら逆らえないのだった。
「お邪魔しま~す!」
真美が勢いよくスタジオに入るとメンバー皆、誰?と言う顔をした。当たり前だ、いきなり知らない人が入ってくると言う事はまず無い。真美の後ろに私がいるのが見えたのか、ギターを弾いていた子が私に話しかけた。
「誰だよそいつ?」
「いや、その・・・・・・僕の友達なんだけど勝手に・・・・・・」
「いいから!ほら良、早く座って!あ、君、ベース借りるね。」
有無を言わさず真美はベースを奪い取り音を出した。少しチューニングがずれていたのかチューニングを直し、準備万端と言う顔で私を見た。こうなったらしょうがない、私には真美とセッションすると言う選択肢しか無かった。ペダルをツインにして、本気モードのセッティングにする。そうしなければ真美に怒られるからだ。
「何するの?」
「RUSHのYYZ、忘れてないよね?」
いきなりあの難しい曲かよ、と言う俺の視線を笑顔で真美は返してきた。私のドラムから始まり、曲が開始される。一年前から真美はプログレやジャズ等難しい曲を弾きたがる傾向にあった。それに付き合わされる形で私もいろいろやらされた。おかげ様で技術は上がったのだが。
私のドラムに合わせて真美が音を弾いていく、やっぱり真美と合わせるのは凄く楽しい。それが難しい曲でも簡単な曲でも。偶に私と真美は顔を合わせる。長年お互いに組んでいた事もあり互いのリズム、グルーブは確認しなくても解るのだが見てしまう。ドラムとベースの関係はピッチャーとキャッチャーの関係に似ている気がする。私にとって真美は最高の相棒だ。
曲が終わっても私と真美は合わせ続けていた。私の要求するリズムを把握し完璧に合わせる、合わせるだけでなく自分のグルーブを出していく真美の技術はもはや小学生レベルでは無い。こんな小学生がゴロゴロしていたら嫌だろうな。
私は叩いているうちに重要な事に気付いた、私はバンド練習をしにここにいるのだ。慌てて時計を見ると既に休憩時間は終わっていた。終わっているだけでなく、五分も延長していた。私は真美に目で終わらせると合図を行い、軽いロールの後終わらせた。
「ごめん!ちょっと遊びすぎた!」
私がそう言い謝ると皆、ハッとした顔をし拍手を行った。何故拍手をされたのか解らないでいるとキーボードの子が
「良君ってこんなに上手かったんだね!プロの演奏を聴いてるみたいだったよ!」
「良、お前俺たちの前じゃ実力隠してたんだな!くっそ~今にみてろよ、絶対に追い抜いてやる!」
「良、そのベースの子上手すぎだろ・・・・・・後でいろいろ聞かせろよ。」
と、色々言ってたみたいだが、要は皆俺らの演奏に聞き入っていたらしい。それにしてもプロレベルと言うのはさすがに無理がある。まだまだひよっ子だ。
「ごめんね、良。ちょっと白熱しちゃったね。」
そうだね、と言いそれから私達はバンドの練習を再開した。一曲終わるごとにベースの子は真美にどこが悪かったか、良かったかを聞き、他の子は私に聞いてきた。今までと違い、各々自主的に聞いてくる当たり、私と真美の演奏で彼らは自分達のバンドが未熟だと感じたらしい。そして、より良くしたいと思ったのだろう。これはバンドの演奏力向上させるきっかけとして良かったのかも知れない。
その後、練習が終わり私達はスタジオを後にした。私と真美以外は迎えが来ており、それぞれ別々に帰宅した。私と真美はいつも通り駅に行き、それから電車の乗った。
「それにしてもキーボードの子可愛かったね~良ってあいうのがタイプなの?」
「可愛いとは思うけど別に僕のタイプって訳じゃ」
真美が私を茶化してきた。女の子はこの年頃になると異性との関係について聞き出してくる。思春期を迎えるのが男より早いのだろう。私が前世で小学校の時はこの時期に女性と付き合う等と言う事は考えもしなかった。人によるのだろうが、ほとんどの人がそうだと思う。中学校に上がった時から異性を気にし出すのだが、考えてみたら春には中学生になるのだからそのうち皆そうなるのだろう。
「あっちのほうはなんか良に気がある感じだったけど?どうなの?もしかして両思い~?」
「だから、そんなんじゃ無いってば!真美こそ好きな奴いるのかよ?」
「私が好きな人はね~、さ~誰でしょ?」
私は真美とは違う学校だしレッスン以外では真美との交友関係を知らないから解るはずが無い。
「解る訳無いじゃん。誰だよ?教えてよ。」
真美の好きな人が誰か別に知ろうとは思わないが一応せがんでみた。真美はえ~と言い笑うだけな所を見ると教える気は無いらしい。
「じゃあ、良の好きな人教えてくれたらいいよ。」
「残念、駅に着いたようだ。じゃあ真美またね~」
ちょっと、と言う真美の声を無視して僕は電車から降りた。そして軽く手を振って電車から離れた。
私が小学校高学年になると母は迎えに来なくなった。私を信頼してと同時に加奈のピアノ教室の送り迎えがあるからだ。加奈のピアノ教室は駅から電車を使って向かうほど遠い場所では無い。なので加奈は母と歩きながら通っている。
家に着くころにはもう七時になっていた。家に入ると母が夕食の準備をしていた。
「おかえりなさい。」
「ただいま。加奈と父さんは?」
「加奈は部屋でギター弾いてるわ、お父さん今日も遅くなるんだって。すぐ夕食にするから手洗って来なさい。あと加奈も呼んで来て。」
そう言うと母は食器を並べ出した。私は洗面所に向かい手を洗うと、私と加奈の部屋に入った。
「加奈、ご飯食べるよ。」
加奈に話しかけると、加奈はギターを弾くのを一旦辞め私の方を向いた。
「お兄ちゃんお帰り!ちょっと待ってて!」
ギターをスタンドに掛け、加奈は私の前まで来た。私と加奈は一緒に部屋を出てダイニングに向かった。
ここ最近の父は以前にも増して仕事が忙しくなった。昇任すると以前にも増して責任や重要な仕事が増える。それに伴い給料も上がるのだが割に合わないと愚痴をこぼしている。休日も少なくなり、家族でどこかに出かける事も少なくなった。父にとっては家族でどこかに出かけるよりも家族でバンドをする事の方が好きらしく、母や加奈に文句を言われている。選曲も父の好きなバンドばかりなので、本当に父のためのバンドになっている。
「ただいま~。」
「あら、おかえりなさい。今日は遅くなるんじゃなかったの?」
父が予定よりも早く帰ってきたので母は急いで父の分の食事を取りに行った。
「いや~切り上げてきたよ。全く・・・・・・」
父は仕事の愚痴を言い始めた。母は適当に合わせながらテーブルに父の分の食事を出した。私と加奈はそれを見ながら食べていた。
父はテーブルに着くと食事をとりながら私達に話しかけた。
「な~、今度スタジオ入る時までにスレイヤーの曲練習してくんない?久しぶりにスレイヤーやりたいのよ。」
「私違うのやりた~い!B'zやろうよ~、ウルトラソウルやりたい!」
加奈が父の意見に反対した。私だってスレイヤーは嫌だ。おそらく、父がやりたがってる曲はanjel of death かreign in bloodだ。あんな速いテンポで16分のバスを踏むのは体力的に無理だ。
「そうね~たまにはお父さんのやりたい曲じゃなくて加奈のやりたい曲をやりましょうよ!お母さんもB'zやりたいわ~。」
女二人の意見に父は勝てる訳もなく、次にやる曲はB'zで決まった。
私としてもスレイヤーじゃなくて良かった。父は私がツインを踏めるようになった時からメタルばかりやらせるものだから正直きつかった。
時間が過ぎるのは早い物でもうすぐ私達のバンドの順番になる。皆、家族や級友、学年の前で演奏する事に緊張している。私みたいに過去に何度もライブに出ている訳では無く初ライブなのだから緊張するのは当たり前だ。しかもライブハウスのような小さい場所では無くホール規模、さらに人数も多い。私もこれくらいの人前でやるのは過去に数える位しかなかったので少し緊張していた。
私達の前のグループが終わり、いよいよ私達の出番になった。幕が降りると、それぞれが楽器の準備をした。私はドラムをそれぞれの位置にセッティングして軽く叩いて終えた。他の皆は何をしていいのか解らずに楽器を準備したらその場に立っていた。キーボードだけ少し音を確認して終えていた。
「ギターとベースも少し音出した方がいいよ。始まってから音出ないとかなったら困るでしょ?」
「そ、そうだね・・・・・・」
私のアドバイスに焦ってそれぞれ急いで音出しをした。まずい、このままでは緊張しすぎてバンドが成り立たない。
それぞれ軽く音出しを終えたと同時に私は皆に向かって喋った。
「皆凄く緊張してると思うけど大丈夫だよ。いつもの練習通りにやろう。練習通りにやったら絶対上手くいくんだから。自信を持っていこう!」
「そうだね!良君の言う通りだよ!皆頑張ったんだもん。絶対にうまくいくよ。」
私が言った後に、キーボードの子が自信よく喋った。
「そうだな、良がそう言うなら間違いないよな。」
「思いっきり暴れようぜ。」
「皆をびっくりさせようぜ!」
少しずつだが皆の顔色が良くなってきた。私はドラムスローンから立ちあがりステージの真ん中に来ると皆を呼んだ。
「じゃあ皆で円陣をしようよ。僕達の初ライブ前に皆で意気込もうよ。」
私が呼ぶと皆私の元に駆け寄り丸くなって円陣を組んだ。
「ありきたりだけど精一杯楽しもう!ミスしたとかそんなの関係無しに。誰だって間違えるんだ、人間だもん。」
「お前、みつおかよ。」
皆があははと笑い表情が柔らかくなった。
「じゃあ、頑張りましょう。」
「「「「おー!」」」」
私達のバンド演奏は大いに盛り上がった。それぞれが持てる力を出し切り、精一杯に演奏、歌い、楽しく終わった。嬉しい事にアンコールまでしてもらったのだが、持ち時間一杯やったためにアンコールは出来なかった。
終わった後、皆泣いていた。ライブをする事の楽しさを知ったと同時にもうこのメンバーで演奏する事が出来ないかもしれないから。私とキーボードの子とギターの子はそのまま中学に上がるのだが、他の子は違う中学に進学する事になった。それも親の都合により違う県に行くことになった。恐らくこのメンバーでずっとやって行きたいと思ったのだから涙が出たのだろう。違う中学にいくから、遠くに行くからもう会えない、もうこのメンバーで出来ないんだと。
「そんなに悲しそうに泣くなよ。」
「だって悲しくないの?もうこのメンバーで出来ないんだよ?」
キーボードの子が泣きながら僕に訴えかけた。
「大丈夫だよ。」
「何が大丈夫なの!?」
私はキーボードの子を含め皆を見て
「また僕達はこのメンバーで演奏する事ができるよ。僕たちはまだまだ時間があるんだ。この先も続いて行くんだ。僕達皆が忘れないでいたならきっといつかこのメンバーで会う事ができる。絶対にね。」
喋りながら私も涙が流れていた。私もこの苦楽を共にしたメンバーでバンドをしたかったのだろう。その後、皆泣きながらも楽器を片づけた。片づけが終わるころにはキーボードの子以外は泣き止んでいた。ステージ裏から客席に戻る時にクラスの皆から拍手と歓声を貰った。母と加奈からもかっこ良かったと言われた。ちょっとだけ照れたのは皆にはばれてないだろうか?
それからあっという間に卒業式を迎え私は小学校を卒業した。卒業式が終わった後の教室で、私達は語り合い、写真を撮り、寄せ書きを書いたり、最後の小学校生活を満喫した。小学校、中学校、高校とこの時期に過ごした事は二度と体験出来ないし戻る事も無い。それでも私達の心の中にいつまでも残り続ける。思い出は時が経つにつれて色あせていく。その事を皆が知るのはいつなのだろう、と私は思いながら教室を出て行った。
「じゃあな、また会える時までにあの女の子くらい上手くなってるよ。」
「頑張ってね。また会える時を楽しみにしてるよ。」
私とベースの子は軽く握手をして別れた。
「お前とバンド組めて楽しかったよ。今度会うときは俺が歌手としてデビューしてるかもな。」
「そうなったら僕が君の後ろでドラムを叩くよ。」
ヴォーカルの子とは笑いあいながら別れた。
彼らの今後の人生で何があるか解らないけど、一緒に楽しく過ごした事を忘れないでいてくれたら私は嬉しい。
あっという間に小学校生活が過ぎ中学校生活が始まろうとしている。玄関に張り出されたクラス表で自分のクラスを確認し、教室へ向かう。そこにいるのは大半が同じ小学校の生徒だが何人か違う小学校からの生徒がいる。小学校の時に同じクラスだった友達も何人かいるようで、最初から見知った顔がいないという状況は無くなった。
「お、良!また一緒のクラスだな。」
「そうだね。よろしく。」
見知った顔と挨拶しているうちに後ろから女性に呼ばれた。
「良~!」
聞いたことのある声だと思い振り返るとそこにいる人物を見て私は固まった。
「ちょっと良!これから宜しくね~!」
「あ、ああ。よろしく・・・・・・」
ニヤニヤ笑いながら私に挨拶をしてくる女性。まさか同じ学校かつ、同じクラスになるとは思いもしなかった。
私と真美は中学校生活を共に過ごす事になった。
今回も読んで頂きありがとうございました。