中学三年生④-1
第十一話の①です。前回、朝までには・・・と思いましたが予想以上に書けなくて、この時間になりました。すみません・・・有限実行出来ないってきついですね。
と、言うことで第十一話の①です!今回も皆さんに読んで頂けたならば幸いです。それではよろしくお願いします。
「お兄ちゃん、バレンタイチョコ貰ったらその場で叩き割るんだよ?解った?」
「心配しなくても貰えないよ。」
加奈は私が沢山バレンタインチョコを貰ってくると勘違いしているが、中学に入ってから真美と増田さん以外の女性から貰った事など一度も無い。去年、一昨年と二人から貰ったチョコを嬉しそうに加奈に取られたので、今回は学校で食べようと思う。
「良、俺今年はチョコ貰えると思うんだ。」
どこにそんな根拠があるのか解らないが、小倉が胸を張りながら言った。
「そう言って毎年貰えてないけど・・・君の最大の問題点はその自信過剰な所だと思うよ。」
別に小倉はルックスが決して悪い訳じゃない。むしろカッコいい方だ。それこそ小学生の頃はそれなりに女性に人気があった。それならば何処で道が別れたか?女心は解らないが、どこかで見切りを付けられたのだと思う。
バレンタイン。男として生まれたなら嫌でも意識をせざるを得ない日だ。沢山貰える人も、全く貰えない人も。私だって昔はバレンタインなんて都市伝説だと思っていた時期があった。だが、友人が隠れてチョコを貰っているのを目にした時、バレンタインという日は都市伝説では無い、という事を知った。
「あ、良。チョコなんだけどさ。今年無しで良い?」
「え、何で?」
真美が私の傍らに来るや否やそう言った。
「いや~ごめんね!楽しみにしてたでしょ?」
真美は、手でごめんと形作りながら言った。今年は食べれるのを楽しみにしていただけにすごく残念だ。だが、
「そりゃ残念だけど、増田さんがくれるかもしれないから何とか「良くん!」噂をしたら何とやらだね。」
柄にもなく、チョコが貰えると思うと胸が躍る気持ちになった。増田さんの手作りチョコを貰えて、食べる事が出来るのだ!さあ、私にチョコを
「ごめんね、私も今年あげれないんだ。」
恵んではくれなかった。悲しくなんか無いもん!だから小倉は私にお前の気持ちは解るよ、と言う目で見ないで欲しい。
「さて、今年はお前が俺ら側についた訳だが、手放しに喜べないね。可愛い妹から貰えるんだろ?」
確かに加奈からは貰えると思う。ほぼ十割の確率で。
「この周りの人間を見てみろ。お前が貰えなかった事に最大限の喜びを感じている奴らだ。何故だか解るか?解るまい、学校の可愛い子ランキング一位、二位の女の子二人から常に好意の目を向けられ、毎年チョコを貰っていた良には、この俺らの体を通して出る喜びが!」
お前はカミ○ユか、と突っ込みたくなる台詞だが、黙って聞く事にしておいた。
「お前に解るか?俺たちはな・・・バレンタインなんて都市伝説だと思ってたんだよ・・・・・・この時代に、憧れの先輩のために~・・・・・・なんて三次元の世界で有り得る訳が無いと、そんなもの二次元しか有り得ないと・・・・・・それをお前は・・・・・・毎年毎年見せつけるかのように貰いやがって・・・・・・俺らにそんな厳しい現実を見せつけて楽しいか!?貴様は俺らが苦しむ姿を見て悦に浸る屑やろうか?」
周りの人間が涙を浮かべながら拍手をしている所悪いが、
「お前だってチョコ貰った事あるだろ。小学生の時。」
私の言葉をきっかけに、それまで小倉の言葉に賛同をし、多大なる拍手を涙を浮かべながらしていた全ての人が小倉を囲み、殴り始めた。
「ま、取り敢えずうちのクラスでチョコ貰えそうな人ってあんまりいないよな。女の子は女の子同士でチョコ交換する日としか認識してないしな。」
大勢の人を裏切り殴られた後なのに、小倉は何事も無かったかのように話し始めた。
「・・・・・・彼女がいる奴は放課後とかに二人っきりで貰えると思うけど?」
「あーあー聞こえない聞こえない。あーあーあーあー。」
今日ほど小倉が面倒くさいと思った日は無いほど、面倒くさい。
「佐藤もあの先輩から貰うんだろうな・・・・・・ほんとに、あの中二病野郎が・・・・・・」
何かと小倉は佐藤の事を中二病野郎と言う。確かに一時期はなりかけていた時期があったが、今は中二病と言う程中二病では無いと思うのだが。
「あいつどうせ屋上にいるんだろ?独り寂しく黄昏ている所をからかおうぜ。」
「多分殴られるよ。」
「俺の方が強いし!地元で負けなしだし!」
屋上に向かって走りだした小倉を私は痛く感じた。むしろ、小倉のほうが危なくなてきているんじゃないだろうか。
小倉が佐藤の邪魔をするとなると、後々面倒くさい事が高確率で起きる。そう考えたら本当に煩わしいのだが、私も屋上に行き、小倉を止めるしか選択肢は無かった。急いで階段を駆け上がり、小倉の後を追って屋上に入ったのだが、誰もいない。この寒い時期にわざわざ好き好んで外に出るような人はいるわけもないのだが。小倉も佐藤がいないと思ったのだろう。既に屋上を後にしたのかも知れない。しかし、佐藤は屋上の普通の人は知らない場所にいる。そこに行くと、佐藤は毛布をかけて寝ていた。
「風邪ひくよ。」
「ん?・・・・・・あ~お前か。」
私が声をかけると直ぐに目を開け、佐藤が起き上がった。
「何しに来た?」
「さっき小倉来なかった?」
佐藤は少し考えてから、何かを思い出すと、
「そもそも、お前に声をかけられて起きたから解るわけがねぇ。」
そう答えて、また寝始めた。この寒い中毛布だけで寝れる神経が羨ましく感じる。仕方が無いので、屋上から出ていこうとした調度その時、屋上の扉が開き一人の女子が入ってきた。彼女は私と佐藤がいる場所に向かって一直線に歩いてきた。他には眼を向けること無く。佐藤に用事があるのだと思い、私は奥の方に隠れた。彼女は佐藤を見つけたが、寝ている事を知ると少し落胆した。だが、彼女の取った行動は、
「!!!!!!」
声をかけて起こす、もしくは諦めて帰る等ではなく、一緒に布団の中に入るという行動だった。大胆で私にとっては面白い行動に、佐藤のリアクションを見るまでは帰る訳にはいかない、そう思いこの状況を見届ける事にした。
暫くして、佐藤が亜里沙さんと勘違いしたのだろう、彼女を抱き寄せた。この場に亜里沙さんがいたのならば修羅場を見る事になるのだが、運が良い事にいない。やがて、亜里沙さんとは違う体付きに違和感を感じたのか、佐藤は目を開けるのだが、
「・・・・・・」
自分が抱き締めた相手が亜里沙さんでは無い、と解るとそ~っと辺りを見回し、誰もいない事を確認し、その手を体から離した。そして、
「誰?」
と、最もな事を聞いた。佐藤の問いに答える前に彼女は顔を真っ赤にし、布団から急いで抜け出し、
「先輩!チョコ受け取ってください!」
と言うと、佐藤にチョコを強引に手渡し走り去った。嵐のように過ぎ去って行った出来事に、佐藤はただ呆然としているだけだった。
「見ちゃった~。」
そんな佐藤に静かに近寄り、私は一言声をかけた。
「まだいたのか?」
大きな溜め息を付き、佐藤は私を見て言った。そして、
「解ってるとは思うが俺は、」
「うん、大丈夫だよ。亜里沙さんには佐藤がちゃんと説明したらいいよ。でも羨ましいな。僕は今年は誰からも貰えないから。」
と、佐藤の言葉に答えた。
「は?あの二人から貰えるだろ?」
「今年はくれないんだってさ。だから無いよ。」
私が貰えない事を知ると、
「バチが当たったな。」
と佐藤は言った。
「何、今年は一つも貰えなかったのか?ハハ、ざまーみろ。いつもいつも順調に行くとは限らないんだよ。」
師匠が今年は真美と増田さんからチョコを貰えなかった事を知るや否や手を叩き、笑いながら言った。確かにここ最近は今の環境に甘えすぎていたのかもしれないが、
「師匠だっていつも愚痴るじゃないですか。色んな人から貰えるって。」
「あれはな~仕事柄ってやつだ。俺に気に入られたいんだろ、若い奴らは。」
初めて、バレンタインの日に師匠と会うが、去年も一昨年もチョコ食べ過ぎちゃってよ~と自慢してくるので普通に貰っていたのかと思っていた。
「んで、ライブやデモCDの効果はそれなりにあったんだろ?どうするの?」
私が一番考えている事を聞かれた。今一番現実的にCDを出せるのはインディーズだ。声もかかってる。だが話を聞いたら、インディーズでやるとなるとお金がかかる事が解った。その分、CDの売上次第ではこちらの手元に入ってくる金額はメジャーよりもいいのだが、それだけである。要はCDの売上のみが収入になる。レーベル側がプロモーションや広告をしてはくれるらしいが、レコーディングに関してはあまり融通を付けてくれないらしい。相手側も仕事だ。自分たち側に金が入るかどうか解らない新人に全額投資してくれるほど優しくは無い。メジャーの方がCDの売上げによるアーティストの取り分は少ない。しかし、メジャーは音楽事務所所属となり毎月固定給を貰える。メディアへの露出も多く、その分の金も貰える。こっちのほうが商品としての捉え方は大きいし、会社そのものの大きさから出来るのだろう。逆に言えば売れなかったら契約更新はされないシビアな所だろうが。
「そうなんですよね。今は考え中です。」
「簡単に考えろよ。お前らの最大の武器って何だと思う?」
師匠が私に問う。
「・・・・・・若さですか?」
私の問いにニヤリと笑い、
「解ってるじゃないか。若くて将来性のある奴らには誰でも喰いつく。取り敢えずバンドコンテストにでも出てみろよ、10代限定の。あるコンテストなんか優勝したらメジャーと契約させるって書いてるんだしよ。こういうのを最大限に使うのが良いんじゃないか?使える物は使う、これくらいの気持ちじゃなかったら生き残れねぇよ。だから俺を使ってもいいんだが・・・・・・まぁそれは置いとくか。」
師匠の言葉で10代限定のバンドコンテストを知った。しかもメジャー契約だって?もっと調べておくべきだったのかも知れない。
「確しか地区予選が5月にあるが・・・・・・まぁお前らが出ても大丈夫か。楽器隊はアマチュアレベルじゃねぇもんな。そんな奴らが若い奴らだけの大会で予選落ちするならそんな大会は糞だ。本戦はもうそいつらの個性だろうな。結局、音楽は技術がモノを言う訳じゃないからな。ま、取り敢えずこういう話があるって事だけは頭の中に入れておけ。それとだな。」
言い終えると師匠は私の方を指差し、
「ざまぁ!!!!!!!!」
と言った。
師匠の家を後にし、独り寂しく家へ向かった。今日はいつもよりも寂しい。わずかばかり誰かから貰えるかと期待したし、今年こそは真美や増田さんからのチョコを食べれると期待もしていたのだが、食べれる所か貰えさえしなかった。期待が大きいほど、そうならなかった時の損失は大きい。肩を落としながら私は家に入った。
「ただいま・・・・・・」
靴を脱ぎ、部屋へ向かおうとした所で私は玄関に置いてある靴の多さに気がついた。女物のサイズの靴なので、母の友人か、加奈の友人でも来ているのだろう。取り敢えず部屋に行き着替えようと思い部屋の扉を開け中に入った所、私の机の上に朝には無かったCDちょっと大きめの箱が置いてあった。
「加奈のチョコかな?」
荷物を置き、箱を持ち上げると可愛らしい便箋が一枚下に置いてあった。それを後で読むことにしといて、私は箱を開けた。中に入っていたのはチョコレートケーキだった。
「今年は凄く手の込んだ物を作ったんだな。」
まるでケーキ屋さんの売り物と見間違える程であったが、加奈は毎年手作りをくれる。今年は例年以上に手の込んだ物を作ってくれたのだろう。早速味わうために部屋を出てキッチンへ向かった。台所で一口サイズに切り小皿に載せ、テーブルに着いてチョコレートケーキを口に入れた。
「美味しい・・・」
予想以上の美味しさに、二人前ほど切り、もう一度食べようとテーブルへ向かおうとした時、キッチンに加奈が入ってきた。
「加奈、ありがとう。これ本当に美味しいよ。」
と、味と作ってくれた事に感謝の言葉を送ったのだが、少し苦笑いをし、
「お兄ちゃん、ケーキ入ってた箱の下に便箋置いてあったでしょ?読んだよね?」
箱の下においてあった便箋の話をした。私はそれを食べ終わってから読もうとしていたので、
「まだ読んでないよ。」
と答えた。私がそう言うと、加奈は溜め息を吐き、キッチンとダイニングを区切っている扉の前までくると、
「だからお兄ちゃんはこういうの後に読むって言いましたよね・・・・・・まぁ、サプライズって意味では間違ってないんでしょうけど・・・・・・」
ダイニングにいる誰かに向かって話をする、考えられるのは私と接点があり、加奈とも親しい人・・・・・・そんな女性は二人くらいしか考えられなかった。
「まあ、サプライズとしてはこっちの方がサプライズか。」
「そうですね。最初からこうしたほうが良かったかもしれないです。」
ダイニングの方から真美と増田さんが喋りながら現れた。もしかして、
「もしかして、このケーキって三人で作ったの?・・・・・・」
三人の様子から、もしかするとと思い、聞いたところ、
「そうだよ~。昨日、良が居ない時間に作ったんだ~。」
「上手い具合に昨日は平日でしたからね。」
真美と増田さんが私の問いに答えた。とすると、
「秘密にしたかったから学校でああ言ったんだ・・・」
「最初からあるって思うより、何も無いって思ってた時に貰ったほうが嬉しいでしょ?そういう事!」
真美がしたり顔で答えた。その顔を見て、私は二人の思惑にまんまとはまった事を知った。
「でも本当に美味しそうに食べてたので嬉しかったです!」
「作ったかいがあったよね。」
「・・・・・・主に私が作ってたじゃないですか・・・・・・」
三人はそれぞれ言いあっているが、私にはそれがとても親しそうに見えた。ドロドロしていたと思っていたのだが、本当は最も仲が良いのだろう。
「三人共、ありがとう。」
感謝の言葉を三人に言うと、三人は本当に嬉しそうに微笑んだ。
あのバレンタインの日から一週間後、私達は準備室で卒業ライブのための練習を行っていた。中学生の軽音楽部最後のライブのために力を入れようと他の部員は力を入れ込むのだが、今日の練習は皆、緊張感の欠片もなかった。その証拠に所々ミスが目立つ。昔の私なら見落としていたのだろうけど、この頃レコーディング等、お金を貰いドラムを叩く立場になってきたので、こういう所に敏感になってきたのかもしれない。毎月一回はライブを行っているのだから、特にライブに向けて・・・という風に気持ちが緩んできているのかも知れない。もし、そのような考えに皆なっているのだとしたら・・・・・・非常にまずい状況である。
「もうそろそろ終わる?私お腹空いて来ちゃった。」
曲が終わると直ぐに真美が言った。練習時間が終わる時間までまだ20分もあるというのに終わろうと言い出したのだ。
「そうですね。何回もやってますから大丈夫ですよね。」
増田さんも真美の言葉に賛同した。
「ね、まっちゃんもこう言ってるし、今日は終わろうよ?ね?」
「そうだ、皆でお茶でもしましょう!真美さんも少しお腹が空いているみたいですし。」
二人は私に早く練習を終わらせようと提案してきた。だが、私は先程の事もあり、
「いや、もう一回やろう。所々ミスがある。まだ時間はあるんだし一曲は確認しながら出来る。だからもう一回さっきの曲をやろう。」
と、二人に言ったのだが、
「ま~ま~、良いじゃん。次のライブまでには何とかなるよ。それに、気楽に行こうよ。ね?」
と、真美はおちゃらけて言い、
「ちょっと疲れましたしね。学校のライブですからそこまで神経質になる事も無いですよ!」
増田さんまでも、そのように言った。二人の言葉に私は溜め息を吐き、頭を押さえた。もしかしたら、と思っていた事が的中してしまったのである。
「?どうしたの?」
私のその様子に真美が首をかしげながら言った。
「真美や増田さんは卒業ライブのためにバンドをしているの?それに学校のライブだから神経質になる必要は無いって?驕るのもいい加減にしてよ。君達はそんな気持ちでライブをするの?学校の皆だから手を抜いていいって考えているの?人を選んで演奏するの?そんなバンドがプロで活躍出来る訳、ましてやお金を貰って演奏する立場になろうとしているのならば関わる全ての人に失礼だ。」
私の怒気を含んだ声に二人は驚いていた。
「そんな気持ちでやるんだったら・・・・・・そんな気持ちでプロを目指す気でいるんだったら、僕はこのバンドを・・・・・・」
危うくもう少しで辞めると言う所だった。少し頭に血が上りすぎていたのかも知れない。私は深呼吸をして、
「もう一回考えてみて。僕の言っている意味が解るまで練習は無しだ。別に僕が来ないだけで君たち二人でやる事に僕は文句を言わない。」
私は立ち上がり、スネアとペダルを片付け金物類のネジを緩め終えると、準備室から出て行った。
「師匠、あの時の僕の言葉って間違ってたんでしょうか?」
師匠と会う日では無かったのだが、私は師匠に電話をし、何とか会えないかと頼んだ。師匠は二つ返事で会ってくれると言い、いつも師匠と行っている定食屋で落ち合い、今日の事を相談した。
「プロとして、ならお前の考えが正しいだろ。そんな事は言うまでも無い。客に合わせて手を抜いたり、力を入れるなんて事をしている奴がいたら、俺も同じ事を言うと思うぜ
。」
私の問いに師匠は真剣に答える。
「ま~でも、真美ちゃんや増田ちゃんはまだまだそこら辺は考えていなかったんだろう。普通、そういう気持ちはいろいろ経験して知っていくもんだからな。」
確かにこの考えを言い聞かせるには少し早かったのかもしれない。まだまだ私達のバンドはアマチュアなのだから。ただ、
「本気でプロになるって決めたのでそれくらいの気持ちを持ってては欲しかったんですよ。」
私の言葉を師匠は黙って聞き、刺身を一枚口に入れ、食べ終えた後、
「確かにそうではあるが、もうちょっと優しく言っても良かったんじゃないか?真美ちゃんも増田ちゃんもそうとうまいったはずだぜ?」
そう言い、再び刺身を口に入れた。
「バンドは何回も衝突して衝突して良くなる。悪くもなる。最悪解散もする。誰かが不満を持ち、それをぶちまけるなんて必ずある。その必ずある事がたまたまお前だったってだけだ。取り敢えず二人とは仲良くしろよ。こんな事で解散なんてしたらこっちが困る。ただ、こんな事で解散するのもバンドだがな。」
刺身を全て食べ終え、私たちは店を後にした。
翌日、二人は私に話しかける事も、近寄る事も無かった。私が遠くで見た二人は、いつものような元気は皆無で、見ている者が暗くなってしまうほどに落ち込んでいるように見えた。
今回も読んでいただきありがとうございました!
だいぶ、楽しい感じから一転して~という話になってしまいました。バンドをしているとこういう事ってよくあります。誰か一人でも本気ならば必ず起きるんじゃないでしょうか?皆が本気ならば衝突って免れないと思うんですけど・・・
と言うことで今回も読んでいただき誠にありがとうございました!