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ドリーム  作者: りとかた
悪夢のはじまり
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ナイトメア

目の前には凛がいる。これをいると言えるのかと聞かれたら「もういない」というのが正解なのかもしれない。表現するのも嫌な状況だ。凛が転がっているのだ。それも首から上だけで…その表情は狂ったように口を吊り上げられ、目の端も同じように吊り上げられている。見るに耐えないがなかなか視線を外せない。僕はその顔を見ながら涙を流し叫んでいるらしい。体が動かせない、何かに縛られているようだ。

そして正面を見るとボロボロになった仗がいる。四肢を壁の金具で留められている。おそらく僕は仗と同じように繋がれているのだろう。仗はまだ五体満足だが見るに耐えないほど血を流している。俯いているが咽び泣いているのがわかる。叫んでいる僕に気付いたのか仗が顔を上げる。いや、仗なのかわからなくなった。目は死んでいるが口角がこれでもかと上がっているのだ。それを見て僕はまた叫ぶ。


僕は叫んで飛び起きる。頬が濡れている。嫌な夢を見た。すごく嫌な夢だ。夢だった安心感からまたさらに泣き出してしまう。ドリームランドにいても自分の夢は制御できないことを最近知った。しかし、今までこんなに生々しくて嫌な夢を見たことはなかった。僕は自分が思っていたよりもストレスを感じていたのかもしれない。ドリームイーターが出るようになってからどうしようもできない不安がいつもある。それがいつの間にか耐えれず溢れてしまったのかもしれない。落ち着きを取り戻し、涙を拭う。

鏡の前に立つとどうにも酷いツラだ。いつもの5倍増しで酷い。これが現実ならこんな顔で今日は外に出たくないところだがドリームランドでは違う。そっと目を閉じ元の自分を想像する。目を開けると顔色は戻り涙袋の腫れもおさまっている。自分の気持ち次第ですぐに戻ってしまうかもしれないがとりあえずはこれでいい。正直言うと今日は引き篭もりたい気分だが2人が心配だ。夢の中の話だけど凛と仗に会うまでは安心できない。

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