第9章 神様への告解、パパとママへの告白(下)
これは前作「中2の夏に、白石くんが神様になった」の続編です。
今年の夏休みに不思議な体験をした、日向 結と白石くん。
秋から冬、そして早春に季節は進んでいく中で、さらに不思議さは増していきます。
人間の“思考”と“感情”、“魂”と“心”をめぐり、少女が成長する物語をどうぞ最後まで見守ってあげてください。
第9章 神様への告解、パパとママへの告白(下)
(4)
わたしの家に白石くんが来るのは4回目だ。
いったん自分の家に帰ってから、自転車で白石くんはやってきた。
部屋の窓から白石くんが来るのを待ってたわたしは(あっ、来た)と、玄関まで走っていく。
そんなわたしを、ママはニコニコしながら見てる。
呼び鈴が鳴った。
ピンポーンという音が鳴り止まないくらいの早さでドアを開ける。
「いらっしゃーい、さっ、入って入って」
「おじゃまします……」
「いらっしゃい、白石くん。結といつも仲良くしてもらってありがとう」
「はっ、はい。いや」
「ママっ、変な挨拶しないでってば」
「やぁ、白石くん、僕とは久しぶりだね。夏の肝試し以来だ」
「もう、パパも余計なこと言わないで。白石くん、ソファに行こ、座って座って」
「は、はい……」
「白石くんが緊張しちゃったじゃない。白石くんなにか飲む? なにがいい」
「あ、いや……」
白石くんが答える前にパパがマグカップを4つ運んできた。
「カフェラテでいいかい? 暖まるよ。なんだったら晩ごはんもいっしょにどうだい?」
「あっ、ありがとうございます。でも、あまり長くはいられないので……」
「そうよ、ジョー。白石くんのお宅でも、もう夕食の支度している時間でしょう」
「はい、まぁ」
「早く白石くんに説明をしてあげて、ママ」
ママはゆっくりとうなづいて、白石くんの方を見た。パパはママの横にピッタリ座って、ママと手を重ねている。
*
「白石くんはもう結から聞いているでしょう。優秀なチャネラーである白石くんに、また「神様との接触」をしてほしいという要請があったの。宮内庁の応神天皇陵を管理している部署から」
「えっ?」
わたしから聞いたのとは、ちょっと違うママの説明に、白石くんは少し驚いているみたい。
「私は今年の9月まで宮内庁に努めていたの。そして応神天皇陵の監区事務所に配属されていた。その関係で宮内庁の上の方からお話があったのよ。
宮内庁はあなたたち3人が先月応神天皇陵の敷地内に忍び込んで何かをしているのを知っています。しかし、それを咎めることはしないと言っています。
なぜなら、白石くんそして結、矢納氏の3人に、ぜひやってほしい依頼があるからです。
あなたたちのやっていたことは、宮内庁が過去何回か行っていた儀式と同じものだった。でも宮内庁には、あなたほどうまく、神様を降ろすことはできるチャネラーはいませんでした。
そこで、宮内庁内のチャネラーに代わって、白石くん、あなたに「神様との接触」をしてほしい。宮内庁はそう言ってきました。
チャネラーとしての白石くんと、質問をする結。この組み合わせが、神からの啓示を正しく受け取る方法だったのです。
そして、そうして得た情報を報告してほしいということです」
「は、はい……」
「白石くんのご両親には、教育委員会から連絡が行くことになっています。夏休みの自由研究で、白石くんが優秀賞に選ばれた、[前方後円墳と世界の統合]が文科省の目に止まり、応神天皇陵の祭祀場復元記念神事の儀式に見学者として参列するという名目でね。当日は、学校も公休扱いでお休みすることになります。……どうですか? 白石くん」
「えっと、僕はただ気を失っているだけで、そんな優秀なチャネラーとかじゃないです。その後も記憶はほとんど残っていないし」
「なんか、すごい大掛かりなお話になっちゃってるんだね、ママ」
「白石くんの霊媒能力はとても高い。宮内庁はそう判断しています。でもだからといって、このあと度々、白石くんにお願いするというようなことはありません。今回で最後です。
もともとは、限られた血筋の中から、白石くんのような力を持ったものを探し出すのが、宮内庁の仕事でもあるのですから。白石くん、宮内庁にあなたの力を貸してあげてくれませんか」
「僕は、以前のときと同じようにしていればいいんですね?」
「はい、そうです」
「いいんじゃない? 白石くん。学校も休めるんだし」
「結、そんな言い方をしたらだめでしょ。それとあなたは公休じゃなくて普通の欠席になります」
「えー。そうなの」
「おや、結は学校大好きなんじゃなかったっけ? なぁ、ママ」
「もう、パパまで……。白石くんいないんだったら、学校より白石くんや矢納さんといっしょのほうがいいよ、そりゃ」
「ジョー、大事なお話の間は、いつもみたいに結をからかっちゃいけないわよ。白石くんもいるのに」
「ごめん、ごめん。でも結、パパも立ち会うからな」
「えっ、本当?」
「本当よ、結。ママも行きます」
「えー、じゃあ全員集合で、第3回 神様Q&Aってわけじゃん。
それでどうなの? 白石くん、やってもらえる?」
「うん、やるよ、結ちゃん。お母さん、僕やらせていただきます」
「あー、よかった……。ありがとう白石くん」
「やったー」
「なんか、よくわからないところもありましたが、いや、やってるときもよくわかってないんですけど、お父さん、お母さん、僕がんばってみます」
白石くんは、“霊媒能力が高い”って言われたあたりから、すごく気持ちが盛り上がっているみたいだ。でも、わたしのパパとママを「お父さん」「お母さん」っていうのは、なんかくすぐったすぎる。
「じゃ僕、そろそろ帰ります。うちで心配するかも知れませんから、失礼します、お父さん、お母さん」
うーん、くすぐったい、ふふふ。
(5)
12月4日(金)合唱祭当日
いよいよ合唱祭本番! 朝8時30分に教室集合、HRのあと大講堂に移動する。
生徒席のパイプ椅子がずらっと並んでいるのは壮観だ。2階席は観覧の保護者席になっている。9時30分に開演なので、もう着席していいる保護者もいる。
パパとママも、わたしたちの合唱の時間に合わせて10時30分くらいにやってくるって言ってた。
もうすぐ、一年生から順番に合唱を披露していく。この開演前の緊張感が心地よい。あー、ドキドキするなぁ。
*
♪どうして君が泣くの まだ僕も泣いてないのに 自分よりも悲しむから つらいのがどっちか わからなくなるよ♪
静かに滑らかに、わたしたちの課題曲合唱がスタートする。
練習では苦労していた伴奏も、とても上手に弾けているし、指揮者も落ち着いている。
♪そばにいたいよ 君のためにできることが 僕にあるかな いつも君に ずっと君に 笑っていてほしくて♪
わたしは無心で唱っていた。無心だったけれど、テノールパートから白石くんの声を聞き分けていた。でもそれは、ほんの一瞬で、白石くんの声は解けるように混じり合って、やがて心地よい和音になっていく。
うっとりするように課題曲を終え、自由曲「若者のすべて」に移っていく。
♪夕方5時のチャイムが 今日はなんだか胸に響いて 「運命」なんて便利なものでぼんやりさせて♪
わたしはどんどん陶酔していく。自分の口が勝手に動いているみたいな感覚。その自分の口から生まれてくる音を外から聞いている感覚。白石くんの声とわたしの声とみんなの声が混じり合って、いくつもの和音になっていく。それを遠く俯瞰で眺めている感覚。
♪最後の最後の花火が終わったら 僕らは変わるかな 同じ空を見上げているよ♪
終演。指揮棒が高く掲げられて止まる。そしてゆっくりと降ろされる。ピアノの最後の和音の残響がゆっくりと消えていく。
わたしたち、まるで夢から覚めたときのようだ。目が焦点を結び観客を映す。指揮者が観客に向き直り、ピアノ奏者が立ち上がる。
背筋をのばしたあとに深く一礼。
生徒や保護者たちの拍手を浴びて、わたしたちの合唱披露は終わった。
*
「ブラボー! ハレルヤ! グッジョブ!」
パパが大声で話しかけてくる。恥ずかしいよ、パパ。
全部の合唱が終わった。音楽の先生の総評と、校長先生の閉会の挨拶が終って、今日はここで解散だ。ぞろぞろと講堂の外に出てくると、芝生のあちこちで保護者たちが立ち話していた。
ママはなんと、白石くんのお母さんと話してる。
「えっ、なんで?」
べつにマズくはないけど、動揺しちゃう。なに話してるんだろう?
パパはニコニコして、わたしに近づいてくる。いっしょにいた女の子たちが、外国人が話しかけてきたのでびっくりしてる。
「日向さん、誰?」
「うん、パパ。私のお父さん」
「えーーー!」
「日向さんってハーフなの?」
「うん、まぁ、一応……ははは」
「結とクラスの仲間は素晴らしかったよ。とても美しいコーラスだった、ありがとう」
ペラペラとしゃべりまくるパパの手を引っ張って、「じゃぁね、帰るから。バイバイ」と、そそくさとその場を離れママのところに連れて行った。
*
ママと白石くんのお母さんが話しているところに、白石くんも加わっていた。
パパは白石くんのお母さんには挨拶が終わっていたらしく、
「失礼しました、結を見つけたんでつかまえてきました」
なんて言って、すんなり会話に加わってる。
わたしが白石くんのお母さんに挨拶したら、とってもニコニコして「よかったわよ、あなたたちの合唱」って言ってくれたので、なんかすごくホッとした。
2、3歩距離を空けて、ちっちゃくおいでおいでをして白石くんを呼ぶ。
「お母さんに、もうあの話したの?」
「いや、教育委員会から連絡が来るって言うから、そのときでいいやって」
「そっか。それでいつがいいか決めた?」
「それなんだけど、学校休むってことなら、大事な授業がない日がいいなと思って」
「ふんふん」
「12月10日の木曜日はどうかな」
「いいんじゃない。1週間後だね」
ヒソヒソ話をしているわたしたちに、ママが声をかけてくる。
「結、そろそろ帰るわよ。ママあまり早く歩けないから、お昼ごはんが遅くなっちゃう」
白石くんのお母さんも白石くんを手招きしている。
「わかったー、じゃ帰ろ」
*
「白石くんのお母さん、さようなら」
「はい、さようなら」
白石くんたちは先に校門へ向かっていった。
わたしは「ふーっ」と息をついて、3人いっしょにゆっくりと歩いて帰っていく。周囲も下校する生徒たちがいっぱいだったんだけど、ママとパパが手を繋いでいるのが、少し気恥ずかしくてママたちの後ろを歩いていた。
「ママ、白石くんのお母さんにあのこと話したの?」
「いいえ、話していませんよ。教育委員会から連絡がいくから、それ以上の説明はご両親を心配させるだけでしょうからね」
「白石くんも、そう言ってた」
「あくまで、白石くんの自由研究が評価されて、神事の見学者として招待されるってことのほうがいいと思うの」
「うーん、そうだね。でもこれって嘘ついてることになる?」
「嘘と言えば嘘。結はいや?」
「白石くんの自由研究が優秀賞っだったのは本当だし、神事が行われるのも本当だけど、半分は嘘になっちゃうのかなって」
「そうね」
「でも、白石くんは自分が能力者であることは、誰にも知られてはいけないって言ってたから……。白石くんのその秘密を守ってあげることは、嘘にはならないよね」
「能力者?」
「うん、白石くん今日、自分で言ってた。選ばれしものだって」
「その通りだよ、結。彼は強力な能力者だし、結はそのボーイフレンドの秘密を、いっしょに守っていかなければならない。それ嘘にはならないよ」
パパは、またわたしをからかっているのか、真面目なのかわからないことを言った。
「ボーイフレンドって決まってるわけじゃないよ、ただの仲良しのお友だちだよ」
「結、嘘をついちゃいけないな」
「パパ!」
永遠にわたしをからかってくるパパはスルーして、ママに白石くんの希望日を伝えた。
「わかった、12月10日ね。帰ったらすぐに連絡をするわ。白石くんの家への通知も次の月曜日には届くでしょう」
「うん。じゃ、あとは矢納さんだね。わたしが連絡してもいい?」
「どうぞ。お願いするわ」
家が近づいてきた。
「さぁ、ランチだ。僕はグラタンが食べたい気分だな、美沙はどうかな」
「うーん、わたしはチーズとかクリーム系の香りがちょっと……。また、つわりが来るかもって気になっちゃって」
「そうか、そうだったね。じゃ、ハーブとバルサミコ酢を使ったパスタなんかはどうだい?」
「あら、いいわね。酸味が効いた味は好き」
「よし決まったな」
「パパ、ズルい。わたしの食べたいものを聞いてくれない」
「おお、そうだった。結は何がいいんだい」
「へへっ、ママと同じものがいい」
(6)
矢納は戸惑っていた。
今日18時に教授に呼び出されたからだ。もう帰ろうかという時分で、そもそも教授はとっくに帰ってしまっていると思っていた。
なんの用件か見当がつかなかったが、無視するわけには行かない。帰り支度をして研究室を出て、中央キャンパスの教授棟へ向かった。
(やれやれ、一体なんだっていうのだ)
教授室にはもう2、3人しか残っていなかったが、奥の応接室のドアが空いていて呼ぶ声がする。
「おーい、矢納くん。こっちだこっちだ」
ドアから教授が顔だけ突き出して、こちらに手招きをしている。
*
「ご連絡をいただいてまいりました。なにかご用でしょうか」
「まぁ、座ってくれ、矢納くん」
「はい、失礼します」
矢納は勧められたソファに浅く腰掛けた。
「実は、上の方からな、通達が来た。例のあそこからでな」
「……。PEOということですか?」
「だめだめ、名前を出しちゃダメだよ。まぁそこからな矢納くんを名指しで言ってきた。すぐに対応してくれたまえよ」
「……、一体なんでしょうか」
「12月10日、8時から応神天皇陵の祭祀場復元記念神事が執り行われる。それに参列してくれ」
(!!……。応神天皇陵)
「詳しい事情は知らん。伝えられていない。それでわかるか?」
「はぁ、どうでしょう、あそこの人間とは面識もありませんし」
「君が今手がけているのは、前方後円墳と古代大王の照合の論文だろ、その関係なんじゃないのか」
「はぁ、あるいはそうかも知れませんが、応神天皇陵内で、祭祀あるいは神事が執り行われたことは今まで一度もありませんし、そんな神事に私が参列するというのも……、やはり思い当たることがありません」
「そうか。じゃぁ行ってみることだな。行けばわかる、きっとそういう用件なんだろう」
「わかりました。ではそういたします。他にご要件は?」
「ない。確かに伝えたからな。以上だ」
*
矢納は一度出た研究室にまた戻ってきた。椅子にドサッと座り、パソコンの電源を入れた。
(彼女に聞いてみるか。ならば、研究室のほうが通信環境がいい)
そう思って引き返してきたのだ。
日向・D・結にメールを出し、ZOOMの入室招待をした。ZOOMの画面を出したまま天井を見上げ、状況を推理し始めた。
ここ神学文化研究室は[児童才能開発プロジェクト]の運営を委託されていた。大学の研究室などというものは予算も補助金も微々たるものだ。副業がわりの収入源として請け負っていた。
これは、全国小学生知能テストでピックアップした子どもに、[知覚推理]に関する思考実験をしてもらうプロジェクトだ。
立案したのも、予算を調達したのもPEO――宮内庁内の特殊部署である。現在は日向・D・結が脱退したことによって、事実上休止しているとはいえ、PEOがこの研究室に業務命令を下してくることはおかしくはない。
しかし、来週行われると告げられた、応神天皇陵 祭祀場復元記念神事は、おそらく宮内庁本流の公式行事だろう。秘密部署であるPEOの下にいるこの研究室とは関係がないように思える。
今まで応神天皇陵の外堀を越えた内部で、何らかの祭祀、神事が行われたことは一度もないというのに、なぜそんな行事をする? そしてなぜ僕に参列しろと言ってくる?
あそこは、日向結・D・結と、白石悠翔、そして僕の3人が敷地内に無断で忍び込んで、チャネリングを強行した場所でもある。そこに僕を呼び出すということは……。
(あそこでチャネリングしたことが、なぜかバレている。おそらく監視されていた。そして、内容まで知られていて、われわれのチャネリングの成功を確認した。再度、今度は宮内庁のためのチャネリングをさせようとしているのでは?)
とすれば、この神事はカムフラージュだ。PEOの本来の目的は〈万物の正体〉なる、全宇宙的存在と接触して情報を得て蓄積すること。チャネラーを白石くんと結さんに替えた、宮内庁の公式のチャネリング、その隠れ蓑が、この神事なんだ。
そして、欲しい情報は、おそらく「2206年の環境大変化」の詳細について……。
そこまで推理が進んだとき、不意にメールの着信音が鳴った。
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結です。今からZOOM入ります
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矢納がZOOMの画面を見ると、結がもう入室していた。
(7)
「矢納さん、わたしも矢納さんに連絡しようと思ってたんです」
「へえ、そうだったのかい。なんの用件だ?」
「いや、矢納さんの用事から聞きます」
「そうか、それじゃ。
結さんは応神天皇陵で祭祀場復元記念神事というのが行われるのを知ってるかい?」
「えっ、うそ。わたしの用件もそれだよ、矢納さん!」
「どういうことだ? どうなっている」
「あのね、あのね矢納さん……」
わたしは矢納さんにこれまでの経緯を説明した。
*
「それじゃ結さんがお母さんに頼んだってことなのかい?」
「そう。頼んだら案外許可してくれるかもって」
「ばかな、応神天皇陵は一部を除いて立入禁止。だから忍び込まなければならなかったんだ。今まで陵墓内での祭祀・神事は一度も執り行われたことがないんだぞ」
「そうなの? わたしはママがあそこで働いていたから、なんか親近感があってさ。ママにお願いしてもらったら大丈夫なんじゃないかと思ったんだ」
「絶句する行動力だな、きみは……」
「じゃ、12月10日8時に、お願いします」
わたしが退室しようとしたら矢納さんがなにか慌ててる。
「ちょ、ちょっと待て。じょ、情報が足りない」
「なにかしら?」
「例えばだ、ほら、そうだ何着ていけばいいんだ。神官の着る“浄衣”も、紋付きの和服も持ってないぞ、僕は」
「なんですかそれ。わたしと白石くんは制服着ていきます。ママとパパはわからないけど、多分スーツかなにかフォーマルなものじゃないかしら」
「僕はスーツなんて1着しか持ってない。しかも太って、今はもう入らないだろう」
「あははは。矢納さんはまた撮影係りだから、いつもの服でもいいと思うけどな」
「うーん、不確かな情報だな、ドレスコード違反で入れないのは困る」
「じゃ、もう切りますね。今日合唱祭だったんで疲れちゃって。これからお風呂入るんです。じゃ」
対話画面がブラックアウトした。
矢納はその画面をいつまでも見つめていた。
(つづく) 8月14日 07:00投稿予定




