乂阿戦記2 第三章 イブ・バーストエラーは復讐の女神の胡蝶の夢-3 胡蝶蜂剣vs蛇王ナイトホテップ
\超展開✖️熱血変身バトル✖️ギャグ✖️神殺し/
強襲する剣の鬼神パピリオ!!
迎え撃つはドアダ真の首領ナイトホテップ!!
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ナイトホテップがセトアザスを拷問しようとしたその時だった。
突然、背後に気配を感じ振り向くとそこにはフードを被った男がいた。
フードを脱いだその男の顔に、場の空気が一変する。
白粉と紅を濃く塗った頬。唇は毒のように赤く染まり、瞳は夜の蝶のように妖艶に光っていた。
装飾過多な衣装に、腰に佩いた二振りの太刀。そして――ただならぬ気配。
「ハーイ、久しぶりね……サタン♡」
その言葉と共に、空気が“色”を持ったような錯覚が広がった。
「……派手な身なりで凄腕剣士のオカマ野朗……フン、やはりお前だったか、『胡蝶蜂剣』!……いや、今はパピリオと名乗ってるそうだな?相変わらず化粧が濃いな」
「あらぁ、酷いわね〜!これでもあたしは乙女なのよ〜」
「何が『あたし』だ……!相変わらず気持ちの悪い野朗だ!!まあいい、お前に聞きたい事がある」
「何かしら?私に答えられる事なら何でも答えてあげるわよ♪」
パピリオは嬉しそうに答えた。
「じゃあ聞くが、お前はナイン族上層部の真意を一体何処まで知っているんだ?正直に話せ!」
「ウフフ♪さあて、一体何の事かしら〜?アタシにはさっぱり分からないわ」
パピリオは惚けながらはぐらかす様に言った。
「とぼけるな!俺は知ってるんだぞ!!……ロキ・ローゲもしくはカルマストラ2世……此度の件、主犯はどちらの方だ?」
「アハハ!やっぱりバレてたみたいね〜!…でも駄目、内緒☆」
「……まあ良い、本題に入るとしよう……お前がここに来た目的は何だ!?」
「そうね〜強いて言うなら貴方に興味があったからかな〜?だから貴方に接触しに来たのよ♡」
「ほう、そうか……それで俺に何の用だ?」
「単刀直入に言うけど、貴方の力を貸して欲しいのよねぇ〜!」
「……それは無理な相談だな……」
「えぇー!?どうしてぇ!?」
「何故なら俺がお前をここで始末するからだ!!」
そう言い放つと同時に蛇王は一瞬で間合いを詰めると刀を抜き放ち斬り掛かった。
初手から秘剣『七死刀』を抜刀したのである。
しかしその刃はパピリオの持つ小太刀によって防がれてしまった。
「キャッ♡いきなり襲い掛かるなんて野蛮ね〜!!」
「ふんっ!どの口がそれをほざく……!」
「もう怒ったわよ!覚悟しなさい!!」
そう言うとパピリオは大太刀を抜き、蛇王から距離を置き、二刀流の構えを取る。
「何をしているお前達!撃て!あの痴れ者を始末しろ!」
ネロの号令により一斉に銃弾が放たれるが……
だがしかし、 全ての弾は見えない壁に阻まれたように刀の防御で跳ね返されてしまったのである。
そしてパピリオが反撃を開始する。
刃が、風すら切り裂く速度で閃いた。
ズバァン!と大きな音が鳴る。
次の瞬間、兵士たちの銃器が――まるで玩具のように、音もなく真っ二つに裂け落ちた。
誰も何が起こったのか理解できず、ただ“結果”だけが残る。
それはもはや剣技ではない。“現象”だった。
視界の全ての銃器は刀で斬られバラバラに分解されていた。
「……なるほどその剣の冴え、昔よりまた一段と腕をあげたな『胡蝶蜂剣』!…」
その様子を見ていた蛇王が感心した様子で呟いた。
「ええそうよ〜!私これでも結構凄い努力家なんだからぁ〜!」
パピリオは嬉しそうに答えると再び大太刀を構える。
「でもね、そんな私を本気にさせた貴方達が悪いのよ?」
次の瞬間、パピリオの姿が消えた。
「なっ!?」
「どこだ!?どこにいる!?」
「探せ!探し出すのだ!」
「くっ……!どこに行きやがった!?」
「クソがァァァァ!!!」
兵士達が慌てふためく中、一人冷静な者がいた。
蛇王ナイトホテップである。
「落ち着け貴様ら、敵は上だ」
「え……?」
そう言われ、皆が上を見上げると、そこにはセトアザスを小脇に抱えたパピリオが巨大な蝶のように宙を舞っていた。
「うふふ、セトアザスちゃんは連れて帰らせてもらうわよ。この子心底のクズだけど、それでもアタシの舎弟なのよん♪」
そう言うとパピリオは飛びまわりながら基地の天井を大きく真四角に切り抜く。
必然天井は真下に落下しドアダ兵を下敷きにする。
阿鼻叫喚の悲鳴が上がり兵達は逃げ惑う。
一方その様子を離れたエリアでモニター越しに見守っている者達がいた。
ドアダ7将軍キャプテン・ダイナマイトボマーと元7将軍ヨクラートル、そしてパピリオと戦ったことのあるイポス上等兵である。
「ば、ばかな!『胡蝶蜂剣』生きていたのか!?」
「や、奴を知ってるんですか、ヨクラートル将軍!?」
与徳が答える。
「ああ、やつは45年前、狂王エンザに仕えた女神国一の剣士!"剣の鬼神"と恐れられた神域の武仙だ……」
「ドアダ創設当時、我が軍はヤツが率いるエンザ軍に何度も辛酸をなめたのである!」
ボマーが悔しそうに歯を食いしばる。
「あんなふざけた身なりだが剣の腕は本物だ。なにせ剣の腕一本で狂王エンザの最側近まで登りつめた奴だからな…」
「よし、我らも入り口に向かうのである!ナイトホテップ閣下の助太刀に向かうのである!」
ボマー達は腰を上げ、激闘が続く基地入り口付近を目指した。
「イポス!お前はここで待機だ!ガキのお前が前線に出張るとか許さんからな!」
「う、ウッス!」
イポスは自分がパピリオとまた戦わずに済んだ事を与徳に感謝した。
そしてドアダ秘密基地入り口では、
「さあて、お次はこれよ~ん♪『炎魔蝶飛翔斬』!!」
そう言ってパピリオは、小脇に抱えたセトアザスを床に放り投げ、炎の羽を持つ怪蝶のオーラを纏った大太刀の一撃を振りかぶる。
炎が刃となってドアダ兵たちを切り裂き燃やし尽くすべく放たれる。
「奥義!紫電螺旋掌!!」
ナイトホテップの放った紫電の一撃が炎の刃を霧散した。
「パピリオ〜〜ッ!!」
ナイトホテップの隣でネロ・バーストエラーが吠え武装を展開する。
ネロのドレスが光に包まれ変化する。
「武装展開、殲滅兵器起動…対邪神専用戦闘兵器飛行外骨格バーストエラー起動…自動追尾型ホーミングミサイル発射準備完了……」
ネロの背中が大きく開きそこから現れた魔法陣のようなモノから無数の機械の羽が現れた。
その羽にはそれぞれ銃火器が装備されている。
その数ざっと百は超えているだろう。
飛行外骨格を纏うネロの姿も頭部以外が銀色のクリスタルの様な半透明のボディに変身している。
「目標補足・照準固定・オールロックオン・カウントダウン開始……10秒前・9・8・7・6・5・4・3・2・1・ファイア!」
一斉に放たれた弾丸が一斉に敵をめざし撃ち放たれていく。
ネロの放った百発超のミサイル弾頭――だが、パピリオはその全てを、まるで舞うように小太刀一振りで打ち払い続けていた。
その姿はもはや“凄腕の剣士”どころではなく、“伝説の剣神”そのものだった。
「こ、この化け物め!!」
話には聞いていたが神域の武仙の力がここ迄のものとは!?
ネロの表情に焦りが浮かぶ。
「止めとけネロ、弾丸が勿体ねぇ…」
ネロを片手で制し、ナイトホテップが一歩前に出る。
「流石になかなかやるな……だがこいつならどうだ!!喰らえ『インフェルノフレイム』!!」
パピリオに向かって紫炎の火柱が襲い掛かってくる。
だがそれを大太刀の一撃が防ぐ。
「邪魔よ退きなさい、私はこれから忙しいのよ」
「おいおい、この俺を差し置いて何をしようっていうんだ?」
ナイトホテップとパピリオが対峙する。
そこにネロが割り込んでくる。
「パピリオ〜っ!姉機を返せ〜っ!!」
ネロは両手の手刀をビームサーベルに変換させパピリオに切りかかる。
パピリオは手刀を受け流しそのまま流れるような動きで斬り返す。
「ふん、姉機を返して欲しいなら力ずくで取り返してみなさい!」
「ぐっ!おのれぇ……!」
激しい攻防を繰り広げる両者だったが、やがてネロの方が押され始める。
そしてついに決定的な瞬間が訪れる。
「これで最後よっ!くらいなっ!奥義!『無限連撃斬舞』!!」
目にも止まらぬ速さで繰り出される斬撃により、ネロの体が大きく吹き飛ばされる。
そして壁に激突し、力なく倒れるのだった。
「ふう、終わったわね」
ネロとの戦いを終えたパピリオはナイトホテップの方に向き直る。
「さあ、覚悟はいいかしら?」
パピリオの手に炎が集まり、巨大な火の怪蝶を形成する。
「はっ、面白いじゃねえか、受けて立つぜっ!」
ナイトホテップは七死刀を振るうことで生じた衝撃波を放つ。
それはパピリオの攻撃をかき消しつつダメージを与えていく。
そして距離を詰めると剣を振るいパピリオに反撃を加える。
パピリオはそれをかわし、カウンターを叩き込む。
両者は互角の戦いを繰り広げていた。
一方、モニター室でパピリオの存在を確認したボマーとヨクラートルは、増援を率いてナイトホテップの下に馳せ参じた。
「よし、まずは吾輩が先陣を切るぞ!」
まずそう言って飛び出したのはボマーだった。
彼の能力は単純な強化系サイボーグボディーであるが、そのパワーは凄まじく、さらにスピードも兼ね備えているため、先陣にはうってつけだった。
彼が右手搭載のバルカン砲を掃射すると、そこから発生した衝撃波と弾丸の嵐がパピリオを襲う。
パピリオは高速移動でバルカンを全て避ける。
「いや〜ん!?アタシの苦手な筋肉ムキムキ禿げダルマ!!あんたまだ生きていたの!?」
「ハ、ハゲじゃない!!吾輩の頭は剃ってるだけだ!おのれ胡蝶蜂剣!またしても吾輩を愚弄するか!!許さんぞ!!」
「あらぁ〜?もしかして怒ってるぅ?ごめんねー?」
そう言いながらパピリオは手にした大太刀を振るうと斬撃波が放たれる。
それを間一髪でかわすボマーだったが、そこへ追い打ちをかけるかのように気功で作られた炎の蝶が飛んできた。
「うおぉぉぉっ!?」
ボマーはそれをまともに喰らってしまい、吹っ飛ばされてしまった。
「ま、まだまだあ!!!」
激昂したボマーは拳を握りしめて突進する。
しかしパピリオは涼しい顔をしてひらりと身を躱すと、すれ違いざまに斬りつけた。
「ぐあぁぁぁぁっ!?」
「ざぁんねぇんでぇした〜!残念でした〜でも相変わらずあんたタフね〜、並の相手なら今ので真っ二つよ?プロレスラーはホントタフで嫌い。苦手ったりゃありゃしない……」
「くそぉ……舐めおって……」
悔しそうな顔をするボマー。
しかしその時、背後から声がした。
「……どうやら苦戦しているようだな」
そこにいたのは角刈の白髪に虎の様な黒い模様が入り混じった巨漢の男であった。
「おお!貴殿は!」
その男を見て驚くボマー。
「お、お前は!!!」
これまで余裕綽綽だったパピリオが、その男を見て一気に青ざめた。
「グルァーッア"ッア"ッア"ッア"!情報交換にこちらに出向いてみればなんとついておる!!胡蝶蜂剣〜〜、貴様生きておったのか〜〜!!」
突如現れた援軍に驚きはしたが、さすがは歴戦の剣士
パピリオは思考を切り替えすぐに顔を鋭く引き締めた。
「……武の頂……乂阿烈……なぜここに?」
その名は阿烈。
人類最強と呼ばれる男。
生身でナイン族の宇宙艦隊を壊滅させた究極の人間兵器
生ける伝説
「ふん、貴様らの情報網もたかが知れているということだ。ここ最近我ら乂族とドアダは同盟関係を結んだ仲だ。同盟相手に何やら荒事が起こってる様なので馳せ参じたしだいよ」
阿烈はそう言ってニヤリと笑う。
「くぅぅ……!」
悔しそうに歯噛みするパピリオ。
「胡蝶蜂剣、一撃で死んでくれるなよ?」
そう言うと阿烈は腰を落とし構えをとった。
それを見て慌てて飛び退くパピリオ。
次の瞬間阿烈が凄まじい速度で駆け出し、一瞬で間合いを詰めると強烈な一撃を叩き込んだ。
「ぐはっ!!!」
吹っ飛ばされるパピリオ。
(馬鹿なっ……!このアタシが反応できないだと……!!)
壁に叩きつけられながらも驚愕するパピリオ。
だがさらに驚くべきことに、阿烈の攻撃はまだ終わっていなかったのだ。
ザシュッ!!!
「うぎゃああああっ!!!!」
絶叫するパピリオ。
見るといつの間にか背後に回り込んでいた阿烈の手刀によって、背中を切り裂かれていたのだった。
「……くっそぉぉぉぉぉぉっっっっ!」
「グルァーッア"ッア"ッア"ッア"!やるでは無いか胡蝶蜂剣!」
阿烈が哄笑を上げ、いつの間にか切り裂かれていた前腕を見せる。
腕から血が出ている。
「殺すつもりで放った我が一撃をギリギリで避け、あまつさえ反撃し我が無敵の肉体に傷をつけるとは!!やはり貴様はこの阿烈の獲物にふさわしい!!」
そう、パピリオは阿烈の斬撃をギリギリのレベルで避け、返す刀で腕を切り付けていた。
「な、何という筋肉!そして硬気功!今のは腕を切り落とすつもりで放った渾身の斬撃だったのよ!それを弾くか武の頂!?この怪物め!!セトアザス、転送ボックスを起動させて!!揺動作戦はここまでよ!!撤退よ!逃げるわよ!!」
「りょ、了解です!」
そう言ってセトアザスは大急ぎでコンソールを操作し始める。
「逃がすと思うてか!」
阿烈が追撃しようと踏み出したその時、
「がうううっ!ぎゃいいんっ!!」
黒い犬の様なものが突如壁と天井の直角の角度から現れ、阿烈の腕に噛みついた。
「?」
いや噛みつこうとしたが、阿烈の屈強な肉体の前に牙が折れてしまった様だ。
それでも諦めずに今度は足に食らいつこうとする。
「こざかしい……」
阿烈は鬱陶しそうにそれを蹴り飛ばした。
吹っ飛ぶ黒犬。
しかしすぐに起き上がり再び攻撃を開始する。
どうやらダメージを負ったことで凶暴化したらしく、先ほどより激しく吠えながら何度も阿烈に飛びかかっていく。
「犬?少し違うような?ああ、そうか思い出した、ティンダロスの猟犬か…まさかこんなモノまで飼っていたとはな……まあ良い、邪魔するなら排除するまでだ」
阿烈は虫でも潰すように簡単に黒い猟犬の頭を踏み潰す。
だがその時には、パピリオ達は逃げる準備を終えていた。
セトアザスが手に持っている箱状の機械を操作する。
すると突然地面から巨大な扉がせり出しブラックホールのように周囲の物体を吸い込み始める。
扉から伸びた無数の手がパピリオとセトアザスを捕らえる。
「サタンちゃん、もう少し貴方達と旧交を温めたかったけど"武の頂"の相手は流石に無理!アタシでもマジで死ぬ!だから今日のところはおさらばするわ!!」
二人は扉の向こうへと吸い込まれてしまった。
その直後に床の扉が消え去り元の空間に戻る。
「……逃げられたか」
残念そうに呟く阿烈。
阿烈のそばで与徳が神妙な面持ちで考えこんでいる。
「揺動…アイツら揺動作戦って言ってたな……ドアダの大まか戦力をこっちに集中させようとしていた?……じゃあクトゥルー教団の狙いって… まさか、こっちは“囮”か……? 本命は――他にある……?」
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