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乂阿戦記~勇者✖︎魔法少女✖︎スパロボの熱血伝奇バトル~  変身ヒーローの勇者様と歌って戦う魔法少女は○○○○○○○○○○○○   作者: Goldj


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乂阿戦記2 第三章 イブ・バーストエラーは復讐の女神の胡蝶の夢-1 イブ誕生秘話


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読みやすくなりますよ❤︎

第三章 イブ・バーストエラーは復讐の女神の胡蝶の夢


イブ・バーストエラーとは、果たして何者だったのだろうか?


それは復讐の女神・イサカが見た、ひとときの夢だったのか。

あるいは、彼女の心に巣くう邪悪の化身が、生み出した別人格にすぎなかったのか。


答えは、誰にもわからない。


ただ――

たとえそれが虚構の記憶であったとしても、彼女が与えた「優しさ」だけは、まぎれもなく本物だった。


それだけは確かだった。


挿絵(By みてみん)


***


ある日のこと。


ごく普通の学生、狗鬼漢児いぬき・かんじは、奇妙な出会いを果たす。


いつも通りの放課後。教室を出て、何気なく帰路につこうとしたその瞬間――

彼の足元に、光の輪が突如現れた。


「え……っ!?」


光の渦から、謎の少女が現れる。そして躊躇なく、彼の腕を掴んだ。


「な、なんだ!?」


次の瞬間、漢児の体は彼女とともに、光の渦の中へと吸い込まれていった――。


……


「……ん?」


目を開けた漢児の視界に広がっていたのは、見たこともない草原だった。

遠くには、石造りの街並みが見える。


(ここは……どこだ?)


確かに自分は、いつも通り家に帰るはずだった。だが、目覚めた場所はまるで中世ヨーロッパのような景色。

見慣れない土地に困惑しつつも、彼はとりあえず街へと足を向ける。


10分ほど歩いた先で、ようやく街に辿り着いた漢児だったが――


「……なんだよ、これ……」


目に映ったのは、現実とは思えない光景だった。


街の人々は、皆どこか人間離れしていた。魚のような鱗、蛙のような眼、頭にはエラのような器官。


(まるで……半魚人!?)


思わず言葉を失い、背筋が凍る。

コスプレとは到底思えない。その「異形」は、確かに生きて動いている。異界の真実として、そこに在る。


(まさか……またスラルに連れてこられたのか? でも、違う……。ここは……どこだ!?)


混乱する漢児の背後から、ふいに少女の声が届いた。


「……あの」


「うわあっ!?」


驚いて振り返ると、そこには6~7歳ほどの小柄な金髪の少女が立っていた。


「あ、ごめんなさい。驚かせちゃいました?」


「あ、ああ……いや、大丈夫……」


どこか気品ある微笑みを浮かべるその少女は、静かに名乗った。


「狗鬼漢児様。突然のお連れ立て、誠に申し訳ありません。私はオリンポスの戦女神――峰馬アテナと申します」


「……は?」


「海王神ノーデンス様の名において、HEROアーレスタロスのご助力をお願いに参りました。どうか、私たちをお救いください」


漢児の冒険は、こうして再び始まったのだった。


少女アテナに導かれるまま、漢児は海底都市ポセイドンの一角にそびえる巨大な館へと案内された。


その名も――《大いなる深淵》。


重厚な扉を抜けると、そこには石造りとは思えないほど荘厳な回廊が続いていた。水晶灯が淡く揺れ、壁には深海魚のような装飾彫刻。どこか神殿にも似た厳かな雰囲気が漂う。


しばらく歩いた先、アテナが立ち止まる。


「ここが、ノーデンス様の間です」


そう言って、両開きの大扉を押し開いた。


中は一面、蒼色の光で満たされていた。水の気配が満ちる異空間の中心に、ひとりの老人が佇んでいる。


白銀の長髪、威厳に満ちた双眸、まるで大海そのものを体現したような風貌。

その姿は、どこかで見た祖父の面影にも似ていた。


老人はゆっくりと漢児に視線を向けると、重く、静かに言葉を発した。


挿絵(By みてみん)


「来たか、ユノの息子よ――」


響いた声は、まるで大海の深層から響く重低音だった。

言葉の一つひとつが、心臓を圧迫するように重く、漢児の息を止めさせる。


「我が名はノーデンス。海王神ノーデンス・ポセイドン……お前の母、ユノの叔父にして、オリンポス主神・デウスカエサルの兄である」


「……え、えぇぇえええ!? なんで俺、親戚に神ばっかりいんの!?」


頭を抱える漢児の視界に、白銀の老人の微笑が映った。

それは、まるで悲しみをたたえた海そのもののような――

その声音は、海の底から響くような重みがあった。


(ちょっと待て……セオスアポロ叔父貴、サタン大叔父貴、ガープじいちゃんに、今度はノーデンス大叔父貴!? 俺の親戚、どうなってんだ……)


混乱する頭をなんとか落ち着けて、漢児はおそるおそる問いかける。


「えーと……じゃあ、ノーデンスさん……じゃなくて、大叔父貴。俺をここに連れてきた理由って、一体なんです?」


ノーデンスはわずかに目を細め、厳かな声で答えた。


「……お前もよく知る“イブ・バーストエラー”という名の少女について、だ」


その名を聞いた瞬間、漢児の表情が引き締まる。


「イブさんが……何かあったんですか?」


「……彼女は、封印されている。いや、正確には、“元の人格”が蘇りつつあるのだ。忌まわしき、復讐の女神イサカがな」


ノーデンスはそこから、静かに、しかし深く語り始めた。


イサカとは何者だったのか。

どのような過去を背負い、なぜ人の姿を捨てたのか。

そして、どれほどの哀しみと怨念を抱えていたのか――


その物語は、地上の常識では計れぬ深淵の記憶であり、


「イサカ――イブ・バーストエラーの“前の人格”だ。彼女がジュエルウィッチとして転生する前、人間だった頃の少女。その本来の人格に今、イブの魂は封じられている」


空気が一変した。


「イサカは、私の一番弟子だった。そして、あまりにも哀れな……犠牲者だった」


語りは、静かな怒りと悔恨に満ちていた。



「百年前、私は邪神エクリプスを倒すために、聖王イルスと協力し、決戦兵器として“人造魔法少女ジュエルウィッチ”を創り出そうとしていた。

そのとき出会ったのが、彼女――イサカだった」


「その子は、生まれつき肌が雪のように白かった。それだけで“呪われた子”と忌避され、親族すら『殺せ』と口にしたという。幸い彼女の祖母が『過去にもアルビノの子がいたから殺してはダメだ』と言ってくれ、両親は思いとどまったそうだ。彼女を守ってくれたそうだ」


「学校でも、同級生に避けられ、教師に叩かれ、学ぶ機会すら奪われた。視力が弱いため前の席に座ろうとすれば、“邪魔だ”と怒鳴られ……藪に隠れて暮らす毎日だったそうだ」


「自分を“モノ”だと錯覚するまで、あの子は孤独だった。だが――それでも、心だけは壊れずに残っていた」



「見ていられなかった。私は同情で彼女に魔法を教えた。……だが、想像を遥かに超えていた。彼女は12人の魔法女神の一人にまで昇り詰め、邪神を討った」


「けれど――ようやく自信を持ったその矢先、“あの事件”が起きた」


空気が凍る。


「アルビノ狩りだ。アフリカでは、迷信からアルビノの人々の肉体が呪術に使われてる。切断された身体は、闇マーケットで高額売買されるんだ」


ノーデンスは拳を握った。


「薄汚い犯罪者共の手で彼女は殺された。遺体は切り裂かれ、四肢を奪われ、髪を刈られ、脳を――抜き取られていた。しかもマフィアに彼女を襲わせたのは彼女の身内だった。」


「私は泣いた。血のような涙を流して叫んだ。 何もかもが、間違っている。 世界の摂理も、神々の正義も――彼女を救えなかった時点で、すべてが偽りだと知ったのだ」


「あの子の人生を、誰か一人でも守れたなら……そう、幾度も幾度も、神である自分を呪った」


「だから私は、あの子を“生き返らせた”。機械の頭脳と義肢を与え、邪神討伐兵器――《ジュエルウィッチ》として。……それが、イブ・バーストエラーの始まりだ」


「……だがどういうわけか、イサカの記憶は消えていなかった。脳は変わったはずなのに、彼女は自分が殺されたこと、自分が“人間として扱われなかった過去”を、すべて覚えていたのだ」


「邪神エクリプス討伐後、彼女は地球に戻り、復讐を始めた」


ノーデンスは目を伏せた。


「かつて自分を殺した者、狩りに関わった者、その血族まで――異世界に連れてきては、四肢を奪い、“家畜”として飼う地獄を築いた。……《人間牧場》だ」


「そんな……!」


「私は彼女を止めようとした。だが、当時私は《オリンポス次席》の立場にあり、彼女は女神国の“聖女”になっていた。手出しできなかった。だから私は、彼女の恋人だった聖王イルスに、彼女の量子電脳のデータを託し――彼に、イサカを封印してもらったのだ。記憶は消され、新たな人格、《イブ・バーストエラー》として生まれ変わった……。それが、今の彼女なのだ」


ノーデンスの目が、漢児をまっすぐに見つめた。


「ありがとう、話してくれて……大叔父貴。イブさんは俺にとっても大事な仲間だ。絶対に、彼女の暴走を止めてみせる!」


「……ありがとう、アーレスタロス。実は、私は彼女の記憶が甦った原因について長年調べていた。ある時、彼女の“奪われた脳”の行方についての情報を掴んだ。なんと、それは“キジーツ”という呪術具に加工されていたのだ」


「キジーツ……?」


「アフリカ系呪術師が使う呪の道具だ。彼女を殺害した者たちはクトゥルー教の邪教徒で、彼女の脳を加工して呪具にした。その“キジーツ”が彼女に遠隔で干渉し、イサカの記憶を呼び戻した可能性がある。極めて狡猾で、注意深く、なおかつ強大な力を持つ相手……私ですら、尻尾を掴めていない」


「……つまり、イブさんを再び地獄に引きずり込んだその“呪いの主”を、俺がぶっ潰せばいいってわけだな?」


「頼めるか?」


「もちろんだぜ、大叔父貴……任せてくれ!」


「……ありがとう。本来なら私の責務だ。だが今のオリンポスは、条約により地球圏への干渉が制限されている。だからこそ、君に託すしかないのだ」


「任された!」


「これを持っていけ。私が収集した教団の情報をすべて記録したメモリースティックだ」


ノーデンスが渡したそのデバイスを、漢児はしっかりと受け取る。


こうして漢児は――かつて人間だった少女の記憶に導かれ、イサカの影を追うことになった。


だが、彼はまだ知らなかった。


――彼女の記憶の奥に、神々さえ恐れる“影”が眠っていることを。


https://www.facebook.com/reel/914526817497203/?s=fb_shorts_tab&stack_idx=0


↑イメージリール動画

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