乂阿戦記2 第ニ章 翠の勇者龍獅鳳と九闘竜の魔人達-3 続・関西弁のドクズ
(^^) ブックマークをお願いいたします!
読みやすくなりますよ❤︎
神羅たちは全員、後ろ手に縄で縛られ、ズルズルと深き者どもに引きずられていった。
連れて行かれた先は、以前落とし穴で崩れたはずの黒一色の部屋――なぜか何事もなかったかのように床は復元されている。
その中央に、ひときわ不快な笑い声が響いた。
「うっしゃ〜しゃっしゃっしゃ! さっきはようもやってくれたのう、クソガキ共ォ!!」
「あ、テメェ……セトアザス!!」
憎き九闘竜No.9・セトアザスが仁王立ちで待ち構えていた。目を血走らせ、憤怒と滑稽さが奇妙に混ざり合っている。
「セトアザス様やっ! 口の利き方には気ィつけぇよ、こんボケェ!! ええか!? こっからは、ワイのターンや!! さっきはようもイキってくれたな!! いまから二度とワイにタメ口叩けんようにしたるッ!!」
セトアザスが顔を真っ赤にしながら、意味不明なポーズを決めた。
「いっくでェ~~! これぞド外道超奥義ッ」
くるりん。クネクネ。ドスン。
左に回って、右にうねって、膝から崩れて――最後は決め顔で、人差し指を天に突き上げる。
「呪☆文☆ダンシンッグゥゥ~~!!!(ビシィィィ!!)」
そのあまりのダサさに、誰もが一瞬呆然とした――直後、バチンッ!と指が鳴り、電流が走る。
――その瞬間だった。
ビリッと電流のような感覚が全身を走り抜けたかと思うと、雷音たちの体がグングン縮み始めた。
「な、なにィ!?」
「え……あれ、視界が……下がってる……!?」
骨がミシミシと音を立て、手足が短くなっていく。
あっという間に、彼らの体はキュッと縮み、六歳児程度のちんまりボディへと変貌を遂げていた。
だが、制服だけは元のまま――。
当然、バランスはめちゃくちゃ。ぶかぶかのブレザーは肩からずり落ち、ネクタイは首に絡み、ズボンは腰を通過してストンと床へ。
結果、“制服”はただの“着る毛布”と化した。
「うぎゃああああ!!! なにこれぇぇぇえ!? ズボンが落ちたぁああ!!」雷音が絶叫。
「パンツがァ!! 俺のパンツがああああ!!!」キースが顔を真っ赤にする。
「なんで上着しか残ってないのよぉおお!! 見ないでぇえええ!!」神羅が涙目で叫び――
結果、“制服”はただの“着る毛布”。一部は半裸で走れず、幼児たちの羞恥パニックが爆発した。
アキンドはというと、幼児化した自分の手を見つめ、虚ろな目で呟いていた。
「……え? なにこれ……オレ、ちっちゃ……え? え??」
(こ、これはまずいぞ……! この状態じゃ、マトモに戦えるわけがない!!)
がくがく震えるアキンドに、さらに追い討ちがかかる。
「うお〜ら、ボクちゅわ〜ん? こ〜んなにちっちゃくなっちゃって〜、なぁんにもできへんやろぉ〜? お〜? うりうり〜♪」
アキンドの襟首をむんずと掴み、宙に持ち上げてプラプラ揺らすセトアザス。
屈辱の極みだったが、力では全く抗えない。
「くっそぉぉおお!! 離せよぉーッ!!」
「お楽しみターイムやぁああ!! 正座して土下座やでぇええ!!」
セトアザスが叫んだ、その直後だった。
(あれ……縄、ゆるい?)
雷音がふと感じた違和感――その瞬間、
「「「「あやまるかボケェ!!」」」」
バシィッ!
縄が緩んだ。ぬるり、と。
幼児化で身体が縮んだことで、縄のサイズが合わず――その瞬間、雷音、神羅、獅鳳、キースの四人が一斉に抜け出した。
「うおッ!? なんで抜けとるねん!?」
「くらえぇぇえええ!!」
セトアザス、阿鼻叫喚のフルボッコタイムに突入。
ドゴォン! バキィ! ベチン! ボヨヨ~ン!(※なぜか効果音がコミカル)
幼児パンチ、幼児キック、そして容赦のないおもちゃ噛みつき攻撃まで飛び交い、彼はあっという間にボロ雑巾と化した。
数分後――
柱の前に正座させられ、両手をおとなし~く挙げるセトアザスの姿があった。
「……な、なんなん? 君ら……六歳やのに……圧倒的すぎへん……?」
虚ろな目で震える彼を、誰一人として同情しない。
「妙な動きしたら、今度はマジで肛門にスーパーボール詰め込むからな」
アキンドが低音で警告し、ついでに頭をゲジゲジ蹴り。
「や、やめてや〜!! 弱い者イジメなんて最低のクズがやるこっちゃで!!」
→『お前が言うなやァァァ!!!』全員の脳内ツッコミが一斉に響いた。
こうして“セトアザス完全拘束フェーズ”は幕を閉じた。
だが雷音たちは真剣だ。
再び現れるかもしれないあの“胡蝶蜂剣”のことを考えると、安心などできなかった。
「もう一度聞く! 俺たちを攫った目的は何だ!? なぜこんな所に閉じ込めた!?」
獅鳳の鋭い問いに――
「うわあああああん!! 怖いよぉおお!! 助けてぇえええ!! ママ~~~っ!!」
セトアザスは大泣きで返答した。
「その手は喰わないわよ!」
アクアが無慈悲に――
ドゴォオオンッ!!!
容赦なくセトアザスの股間を蹴り上げた!
「ほげえぇぇえぇ!!!!」
白目を剥き、泡を吹いて、彼は気絶。
その後、イポスが器用な手つきで彼の手足を縛り、猿轡を噛ませて柱に括りつけた。
完全拘束完了。
彼の衣服をまさぐるとこの部屋のカギらしき物が見つかった。
バサッと音を立てて出てきたのは――鉄製の鍵束だった。
「……こいつ、やっぱり囚人管理係だったんかい」
「マジでザコいくせに重要アイテム持ってんの草なんだけど!」
アキンドが笑う中、イポスは静かに鍵を掲げた。
https://www.facebook.com/reel/1111923383973135/?s=fb_shorts_tab&stack_idx=0
↑イメージリール動画




