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乂阿戦記~勇者✖︎魔法少女✖︎スパロボの熱血伝奇バトル~  変身ヒーローの勇者様と歌って戦う魔法少女は○○○○○○○○○○○○   作者: Goldj


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乂阿戦記1 終章 これは始まりの物語の終わりの闘い-13 大武神流秘奥義・灼陽紅蓮剣


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ナイトホテップは大笑いしながら残りのメンバーを見渡す。

「さて、そろそろ終わりにするぞ!」


宣言と同時に、ナイトホテップは真っ直ぐ雷音を狙って駆け出した。

魔剣クトゥグァを持つ最も危険な相手――潰すなら最優先。そう読んでの突撃だった。

だが次の瞬間、彼の表情が一瞬だけ歪む。

そこに立ちはだかっていたのは、雷音ではなかった。

“炎の剣”を携えた、紅蓮の瞳の少女――雷華だった。


そして勇魔共鳴の後衛を務める相方はミリルだった。

彼女達二人はすでに魔法を唱え終えていた。

つまりいつでも攻撃可能状態にあったのである。

まず先制したのはミリルの魔法であった。


「雷撃槍――サンダーランス!」

一閃。稲妻の奔流を纏った魔力の槍が、雷鳴と共に空を裂き放たれた。

その威力は、魔法少女であるミリルが全力を込めた一撃――だった。だが。


パシィン!


衝撃とともに、槍はナイトホテップの掌で止まった。

電撃が閃光となって四散し、彼の手からは黒煙すら上がらない。


「悪くない投擲だ……だが軽すぎるな」


次の瞬間、その“受け止めたままの槍”がミリルのもとへと跳ね返された。


もちろんそんな攻撃をまともに受けるわけもなく、難なく避けることに成功したが、それでも何一つ通じないのは恐るべきものであった。

ミリルは戦慄を覚えつつも再び呪文を唱え始める。

今度は防御用の呪文である。

『聖なる盾よ我を守りたまえ』

ミリルが唱え終わると、目の前に光り輝く半透明の壁が現れた。

魔法の壁を作ったのではなく、契約している聖盾の精霊を召喚したのである。

これでしばらくは安全だろう。

「ふむ、なるほどな。バランスのいい勇者×魔法少女の勇魔共鳴ではなく魔力特化の魔法少女×魔法少女の共鳴に切り替えたわけか…確かにそれならばまだ勝機はあるやも知れぬな……」

どうやらこの男はこちらの意図を見抜いたようだ。

しかし、その口調からは焦りの色は全く感じられない。

むしろ余裕があるようにさえ感じられた。

「ミーちゃん!打ち合わせ通りあの召喚魔法を使って!力を貸して!」

「……わかったのだ。」

やはりというか当然というべきか、雷華の方も既に準備していたらしく、すぐに詠唱に入った。


「ふんぐるい むぐるうなふ……

くとぅぐあ ふぉまるはうと……

んがあ・ぐあ なふるたぐん……

いあ! くとぅぐあ――!!!」


ミリルの言葉と共に空より炎の羽を持つ無数の小さな人影が舞い降りてきた。

いや、それはよく見ると人型をした小型の球体のようでもあり、あるいは天使や妖精のようにも見えた。


それはまるで、神話の始まりを告げる夜空の祭儀――

空を満たす小さき炎精たちは、光と熱と意志を纏い舞い踊り、少女という祭壇に祈りを捧げているかのようだった。


そしてその数はあっという間に百体を超えていた。

「ほう、クトゥグァの眷属"炎の精"を召喚したか…」

ナイトホテップは感嘆する。

これが彼女の言っていた“力を借りる”ということなのだろう。

「……まさかここまでの数を揃えてくるとは……だが、果たして使役はできるのかな?」

ナイトホテップが再び不敵な笑みを浮かべる。

これだけの数の炎の精を同時に使役するというのはかなりの高等技術である。


ミリルの全身から魔力が抜け落ちる。膝をついたミリルの目から、かすかに光が消えていく。

炎の精たちは未だ空に漂っていたが、彼女の指はすでに動かなかった。


「ミーちゃん!」


駆け寄った神羅が、ミリルの手を取る。

彼女は薄く笑った。


「あとは……お願いなのだ……」

無理な召喚で魔力が切れ、意識を失い勇魔共鳴が解除されてしまった。

先程戦線離脱した神羅が慌ててミリルの棄権を申告し、ミリルを担ぎ闘技場の外に出る。


(残り時間は1分20秒)


「ミーちゃんごめん、でもありがとう!」

雷華は魔剣クトゥグァを構え百体以上の炎の精に号令をかける。

「炎の精よ!汝らの主クトゥグァとその契約者に力を捧げよ!私にナイトホテップと闘う力を与えて!我が名は雷華!偉大なる乂舜烈の娘にして炎の女神ホエルの後継者なり!ナイトホテップ尋常に勝負なり!!」

ナイトホテップはそんな雷華を見て不敵に笑う。

どうやら、まだ何か奥の手があるらしい。

だが、それも想定済みである。

だからナイトホテップは動じない。

そして、次の瞬間、ナイトホテップは驚愕することになる。

なぜなら、魔剣クトゥグァが炎の精を全て吸収しその力を雷華に与えだしたからだ。


雷華の背から、燃え咲く神火の羽が咲き誇る――

それは翼ではなく、神威の“光輪”。その一枚ごとに万象が歪む、超常の印章だった。


光の奔流が紅き稲妻となって彼女の髪を揺らし、瞳を染める。

その双眸は、紅蓮に煌めく審判の炎。

見下ろすのではなく、見透かす。見据えるのではなく、焼き尽くす。

神の代行者が、今まさに目の前に降臨したかのようだった。


観客たちは、声を呑んだ……いや、呑むことすら忘れていた。

理性が震え、恐怖とも崇拝ともつかぬ“本能の畏怖”が、彼らを席に縫いつけていた。


美しさという名の暴力――人智の及ばぬ領域に足を踏み入れた少女に、誰もが目を奪われ、ただ震えていた。


ナイトホテップもまた、その姿に言葉を失っていた。

だが次の瞬間、その沈黙が“理解”へと変わる。


(この娘……まさかここまで──!)


彼の口元が、微かに吊り上がる。


(この年齢で、魔剣クトゥグァをここまで引き出すとはな……阿烈や羅漢にもない天稟がある。戦闘の才だけならば──凌ぐかもしれん!)


真紅の炎神と化した雷華は大太刀形態のクトゥグァを構えナイトホテップに正面からぶつかっていく。

試合時間うんぬん以前に雷華にはあまり時間はない。

最強の封獣クトゥグァは雷華に神域の戦闘力を与えていた。


だが魔剣による無茶極まりないパワーアップは雷華の体に命にかかわりうる負担を強いていた。

すでに口元から血が滲み、剣を握る両手も震えている――だが、その歩みは一歩も退かない。


「……七死刀抜刀!」

ついにナイトホテップが七死刀を抜刀し構えをとった。

一方、封獣によって強化された神速の剣技を持つ雷華は、七死刀を構える暇など与えるつもりはないようだ。


神速を超えた神速――

肉体の限界を超えた“瞬き”の中で、雷華の剣は舞い、神威と化す。


一瞬の間に七死刀を握るナイトホテップの腕ごと切り落とすつもりだ。

しかし、流石は歴戦の戦士と言うべきか、それとも七死刀の性能なのか、雷華の神速の動きにも反応している。

しかも、その動きを完全に見切っているようだった。

「七死刀・斬光一閃」

なんと、七死刀から放たれる無数の斬撃が、四方八方から雷華を襲ったのだ! その数はおよそ1000以上。まさに必殺剣であった。

しかし、雷華にはそれを喰らうつもりは無かった。

何故なら、その程度の攻撃では今の雷華を止める事はできないからだ。

「紅流鳳凰飛翔剣舞!」

瞬間的に加速された動きで全ての攻撃を紙一重で回避しながら一瞬で間合いを詰めていく。

そして、すれ違いざまに繰り出されるカウンターの一撃こそが、全てを切り裂く秘剣だった。

鈍い金属音がなり雷華の秘剣が防がれる。

神域に至った雷華の秘剣さえもナイトホテップは剣で捌き直撃を避けたのだ。

この魔人にはまだまだ余裕があるように見える。

実際、いかに雷華がパワーアップしたとはいえ、今程度の速度であれば避けることは容易いのだろう。

無理なパワーアップによる身体の負荷が大きい。

雷華は次の一撃で勝負を決める必要があった。

次の一撃こそが、今の自分に残された唯一の勝機なのだから……

(……まだ届かないか。だが――ならば最後だ!極限までに自分を追い込んだ末に出すこの一撃を!)


挿絵(By みてみん)


雷華の身体は、すでに限界を超えていた。


骨が軋み、血が沸騰するような痛みが全身を走る。

それでも――だからこそ、放てる技がある。


「大武神流、秘奥義――」


彼女の叫びとともに、クトゥグァの魔剣が赤熱し、世界が音を失った。

空気は止まり、風は凍りつく。


誰もが息を呑む。観客席のざわめきすら消えていた。

それは、神話が再び語られようとしている“前兆”だった。


「――灼陽紅蓮剣ッ!!!」


瞬間、天地が灼けた。


紅蓮の魔剣から放たれた超高温の火球が、一直線に空間を灼き裂く。

空間が悲鳴を上げる。地面が波打つ。

この一撃に焼かれれば、たとえ邪神ナイアルラトホテップですら灰燼に帰す――

かつて、炎の女神ホエルが放った伝説の終焉技が、今、雷華の手で再現された。


全てを呑み込む爆光。


光と爆風に包まれ、世界は灼け尽くされた。


 


──静寂。


爆風が収まり、視界が晴れる。

そこに倒れていたのは、炎神の姿を宿していた雷華だった。


彼女の変身は解除され、魔力は燃え尽き、意識もすでに途切れている。

その傍らには──


ナイトホテップが、無傷のまま静かに立っていた。

彼の足元には、巨大な氷の障壁――否、“盾”が、畳を返すように斜めにせり上がっていた。

炎神の剣を逸らすためだけに、寸分の狂いなく角度を定められた神域の防御


「まさか、こんな使い方をする日が来るとはな……」


その氷床は、ただの床ではない。

ドアダ最強の男・スパルタクスが氷の封獣を用いて鍛造した、神域クラスの打撃にも耐える“理外”の障壁。

ナイトホテップはそれを盾に、灼陽紅蓮剣を凌いでみせた。


(フ……俺が小細工で技を防ぐなどとはな)


彼は一瞬、かつて剣を交えた伝説の戦士の面影を重ねる。


(──だが、こいつは……リュエルとはまた違う。これは“伸びる”ぞ)


燃え尽きた雷華に視線を落としながら、心の中で続ける。


(この年齢、この未熟な肉体で、ここまで……。あと一年。いや──半年。もしもう少しだけ体を仕上げてから来ていたら……俺は確実に負けていた)


ナイトホテップは、小さく笑い、誰にも見られぬように一礼する。

それは、敵としてではなく――

“未来を託すに足る者”への、唯一無二の戦士の敬礼だった。


あの技を正面から受け止めた者にだけ許された、戦士としての最高礼儀をもって。

そこには敗者への侮蔑も、勝者の傲慢もなかった。ただ、誇りある闘いを見届けた者の、静かな称賛があった。


(お前は──“本物”だ)


(残り時間は三十秒)

https://www.facebook.com/reel/892142769793795/?s=fb_shorts_tab&stack_idx=0


↑イメージリール動画

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