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乂阿戦記~勇者✖︎魔法少女✖︎スパロボの熱血伝奇バトル~  変身ヒーローの勇者様と歌って戦う魔法少女は○○○○○○○○○○○○   作者: Goldj


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乂阿戦記1 終章 これは始まりの物語の終わりの闘い-4 緑の狙撃手と6本足戦車

\超展開✖️熱血変身バトル✖️ギャグ✖️神殺し/

今話は、狂戦士“乂阿烈”vs邪神ナイアルラトホテップの超次元バトル! 雷音の覚醒、羅漢の変身、兄弟喧嘩の行方は――!?

→ ブックマーク&評価、大歓迎です!

雷音達が激闘を交わす間にナイアとピンクサキュバスは次なる呪文の準備を終えていた。

彼女達が次に用意していた呪文は召喚の呪文

そして呼び出されたのは6本足の戦車だった。

挿絵(By みてみん)

黄緑の観測手が戦車に乗り込み操縦桿を握る。

その真後ろの席に緑のスナイパーが乗り込み、巨大な銃を構え大将の鵺に照準を絞った。

緑の狙撃手はスコープ越しに鵺を見た。

鵺は獅鳳達に回復の魔法をかけ続けてて動かない。

緑の狙撃手が引き金を引く。

放たれた弾丸は鵺の頭を貫いたように見えたが、当たる直前に魔法障壁により弾かれた。

「おっと!そう簡単に鵺ちゃんへの攻撃を許したりしないわよ?」

神羅が鵺を守るべくすぐそばで待機してたのだ。

緑の狙撃手の放った銃弾は神羅の魔法障壁を貫くことは出来なかった。

神羅はすかさず鵺を抱き寄せ、庇うように覆い被さった。

「あ…ユキル?…何を……」

突然抱き締められた鵺は慌てて離れようとするが神羅はそれを許さなかった。

「いいから黙って私に守られてなさい」

神羅はそのまま片手を前にかざし魔力を集中し始めた。

するとその手の前に桜色の光が集まっていく。

やがて光が収束し一つの球体となった時、神羅はその球を頭上に掲げ叫んだ。

「喰らいなさい。阿烈お兄ちゃん直伝!絶・百歩神拳!必殺桜花砲ーーーっ!!!」

桜の花の形をした極太レーザービームが放たれると狙い違わず緑の狙撃手がのる戦車へと襲いかかる。


神羅はこの技の威力を知っていた。

ぶっちゃけ見掛け倒しのハッタリ技だ。

だがそれがいい。弾幕で視界を覆えば、敵は錯覚する。こちらが本命だと。

だからこそ、全力で撃ち込み敵の標的を引き寄せた。


ビームは戦車に当たりこそしたが、戦車には大したダメージは無いようだった。

だがその判断は正しかったと言えるだろう。

何故なら敵はまんまとこのブラフに引っ掛かり、攻撃対象を大将鵺から神羅へと切り替えた。

黄緑の観測手が神羅に向かって戦車を走らせる。

緑のスナイパーは神羅に向け銃を乱射する。

だがしかし神羅は涼しい顔でそれをかわし続ける。

「どうしたの?当たらないわねー?」

神羅の挑発的な態度に緑のスナイパーは無感情に銃を撃ち続ける。

だがそれも無理は無い。

彼は死人

邪神ナイアに操られてるだけの心無い戦闘マシーン

挿絵(By みてみん)

その彼の代わりに苛立ちを募らせる者がいる。

死体達を操る張本人ナイアだ。

(ちぃ!前世ユキルの時と全くおなじだ!卓越した洞察力と常人離れした視覚で相手の射線と射撃タイミングを見抜き、至近距離から放たれた銃弾すら回避する!生まれ変わってもお前はやはりユキルなのだな!!)

この事実は彼女を苛立たせるのに充分であった。

6本足の戦車は銃の命中は諦めその巨体で神羅を押し潰すべく宙にジャンプする。


宙を跳ぶ巨体が影を落とす。六本の脚で構成された異形の戦車――**邪神機装ヘキサレッグ・マウント**が、神羅めがけて空からの殺到を仕掛けてきた。


「ユキル、危ない!!」


その瞬間、閃光のごとき突風が飛来する。飛行外骨格をまとった白水晶が、神羅の体を強引に抱え上げ、空中から引き離した。


「……間一髪、です」


「白水晶!これを使うのだッ!」


雷音の背後に浮かぶ霊体・ミリルが詠唱する。


魔法陣が地に描かれ、次の瞬間、そこから現れたのは――

てんとう虫型の小型オープントップカー《マジカル・ビートル》。


丸い車体に花の模様、しかしその魔力反応は本物だ。


「装備変更、飛行外骨格から――魔法車へ換装」


白水晶は神羅と鵺を左右に抱え、そのまま後部座席に放り込むと、運転席に乗り込んだ。ハンドルを握り、アクセルを一気に踏み込む。


轟音と共に車体が地を蹴り、タイヤが魔力の火花を撒く。

ドリフト旋回。空中戦闘車が六脚戦車へ真っ向から突撃していく。


 


しかし、敵も動いていた。


六脚戦車の後部座席、無感情の緑のスナイパーが、魔銃の引き金を引く。

銃口から放たれたのは、氷――否、極大な氷槍グレイシャル・ボルト


鋭利な氷の矢が次々と射出され、ビートル号に向けて雨のように降り注いだ。


「甘い……!」


そのとき。マジカル・ビートルの背中から、桜色の魔法翼が展開する。


まるで天使の羽のような形状をした二対の翼が光を放ち、軽やかに車体を宙へと浮かび上がらせた。

氷槍がその下をすり抜け、六脚戦車の車体に無駄に突き刺さる。


「飛ぶのかよ……!?」


ナイアが驚きの声を上げた。


だが、白水晶の行動は止まらない。翼を揺らし、空中ドリフトしながら距離を詰めていく。


六脚戦車も応じて加速――脚部の各関節に現れた魔法陣が、空中に階段のような魔力足場を構築する。

巨大な機構が空を駆け、二つの魔装が交差する瞬間。


「来る……!」

白水晶がかまえる。

黄緑の観測手が操縦桿を倒し、二本の前脚で殴りかかってくる。

その攻撃を迎え撃つように、ビートルの魔法翼が丸みを帯びて拳状に変形。**桜光拳サクラ・スマッシュ**で対抗する。


空中での拳脚の激突。

金属と魔力のぶつかる衝撃が雷鳴のように炸裂した。

二者の力が拮抗し、戦場の時間が一瞬だけ静止する。


――しかし。


銃声。

右肩に熱と衝撃が走った。


「っ……!」


白水晶の肩を撃ち抜いたのは、背後から放たれた一発の銃弾。

狙撃手の精密な弾道が、彼女の動きを僅かに鈍らせる。


追撃が来る。


だがその前に、機銃の連射音が戦場を割った。


振り返れば、後部座席から身を乗り出した鵺が、車載機銃を構えていた。


「白、車の後ろにあったこれ、勝手に使っちゃったけど……援護、入るわよ!」


「感謝……ナイスサポート」


傷を抑えながら白水晶が呟いたその瞬間、戦場は再び動き出す。


六脚戦車が後退を試みたが、砲声が鳴る。


神羅が、車の隅から対戦車バズーカを構え、砲弾を撃ち放ったのだ。

爆炎が後部に直撃し、六脚戦車がよろめく。


とどめは、鵺。


機銃を捨て、手榴弾のピンを抜いて――

機関部の背面に投擲。


「……ごめんなさい」


炸裂。爆風に一瞬だけ空間が引き裂かれ、耳鳴りのような静寂が訪れる。

六脚戦車は空中でバランスを崩す。



巨大な機構が空中で回転しながら墜落し、地に叩きつけられた。


――乗員の二人は、動かない。


戦車が黒煙を上げる中、白水晶は息を吐き、静かに目を閉じた。


その目に宿ったのは、達成感ではなく――責任の重みだった。


これでナイアが操る死人兵は残り2人となった。

「白ちゃん大丈夫!?」

神羅が肩を抑える白水晶を心配して声をかける。

「思ったより傷は深そうね…白、あなたは一旦ここでリタイヤしましょう?」

鵺も負傷した友を心配し声をかけた。

「否……まだやれる。それにあいつらを倒せばこの戦いも終わる」

「それはそうだけど……」

「残存戦力……敵はあと半分。なら、いける!」

「で、でも、その傷じゃまともに動けないでしょ!?ここはいったん引いて態勢を立て直すべきよ!!」

「どうしたの白?あなたらしくもない……よく聞いて、敵はあのいやらしいナイアルラトホテップ!私達の苦しむ顔を見るために奴はまず真っ先に弱った者から攻撃してくるわ。回復魔法をかけようにも傷が治り切る前にやつは執拗に攻撃してくるわ!今漢児さんと羅刹が気を引きつけてるけど奴は、さっきから動けなくなった獅鳳、雷華、絵里洲を執拗に狙おうとしてた!だからまずはあなたが先にリタイヤして敵の注意を逸らしてちょうだい?」

「……分かった」

渋々といった様子で引き下がり後ろに下がる白水晶を見てほっと一息つく二人。

白水晶は救護師としてやってきたイブに抱えられバトルフィールドから降りる。

イブの腕の中で、白水晶は視線をそらしながら、ぽつりと漏らした。


「……判断……妥当。鵺の言葉は、正しい。理論的にも、戦術的にも」


一拍。


「けれど……」


声が震える。感情の起伏が音声処理にノイズを混ぜる。

彼女の瞳は伏せられ、唇がかすかに震えた。


「わたしは……悔しい」


まるで、それが初めて知った感情であるかのように。


「もっと、戦いたい……誰かの道具ではなく、自分の意志で……この手で誰かを守れる存在になりたかった」

……演算には出ない、この震え。データにはない、この痛み。

けれど、それが今の“わたし”を動かしていた。


イブは何も言わず、その肩を静かに抱き寄せた。

白水晶はそのぬくもりに身を委ねながら、

声なき涙を、初めてこぼした。


それは“初めての涙”だった。

鉄のような身体の奥底に宿った、小さな、小さな――けれど確かな、ひとしずくの心だった。

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