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乂阿戦記~勇者✖︎魔法少女✖︎スパロボの熱血伝奇バトル~  変身ヒーローの勇者様と歌って戦う魔法少女は○○○○○○○○○○○○   作者: Goldj


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乂阿戦記5 EXステージ 六道魔人テスカトリポカ-16 蛮王の粛正

作者のGoldjごーるどじぇいです!

この物語は、勇者✖魔法少女✖スーパーロボット✖邪神✖学園✖ヒーロー✖ギャグ✖バトル…

とにかく全部乗せの異世界ファンタジー!

「あれ?これ熱くない?」「このキャラ好きかも?」「展開読めない!」

となってくれたら最高です。


良ければブックマークして、追っかけてくださいね

(o_ _)o



冷たい風が、神殿跡の瓦礫をかすかに鳴らす。



瓦礫と血の上に、黒い外套をまとった男が静かに立っていた。


鋼のように重厚な仮面。その背には血塗られた聖剣。


その姿を見て、リハリアは目を細めた。



「……貴様が、“暗行御史”暗黒天馬か……。龍麗の影を裁く者。


 我が裏切りの報を聞きつけて、わざわざ斬りに来たか」



仮面の男――“ジャムガ”は何も答えない。



「ふん、我を誰と心得る。


 このリハリア・イーグスは、龍麗建国の第一の柱。


 王の座を築かせた張本人ぞ。


 その我が首を狙うとは、命知らずも極まれり」



男は一歩、リハリアへ近づいた。


剣の柄に手を添えたまま、静かに、仮面を取る。



ギィ、と金属の音が神殿の虚空に響いた。



仮面の下から現れた顔――


それを見た瞬間、リハリアの瞳が大きく揺れた。



「……ッ!? ……まさか……義兄上……!?


 ユドゥグ王……!!」



その名が発せられた瞬間、周囲の風景が変わったようにさえ思えた。


天が沈黙し、大地が息を潜める。



リハリアは愕然とし、数歩後退した。



「貴方が……“暗黒天馬”だったのか……!?」


そう、愛娘である今宵鵺さえ知らない真実



表向き蛮王ユドゥグの妾の子として立ち回っている龍麗国暗行御史ジャムガ



今ナイトホテップとディオニトロの前で王として振る舞っているのはユドゥグの


影武者にして弟であるアン・ウィドゥグである。



本物はいま、リハリアの前に立ち、国宝剣"五行の護剣"を携ている。



スラルのジャガ族族長アン・ジャムガこそが龍麗国事実上の支配者、蛮王ユドゥグその人だった。



挿絵(By みてみん)


「王自らが、暗行御史として……裏の粛清を!?


 ……何故だ……なぜ、貴方がそのような役を……!」



ユドゥグ――否、かつての義兄は、ただ静かに答えた。



「我が正室ゲンジョウ・イーグスが弟リハリア・イーグスよ。王冠を戴いた者が、最も汚れた仕事を担わずして、何を以て国を保てようか?」


その声は無頼の輩の声ではなく、威厳ある国家主席の声であった。



「黙れぇッ!!」



リハリアの叫ぶ声に、血が滲んでいた。



「貴方を、王に据えたのは誰だ!?


 ――我らイーグス家であろうが!!


 姉ゲンジョウを王妃に立て、血と命を賭して貴方を押し上げた!


 それが、貴方の返答か!? 我らを切り捨て、排斥し、忠臣を謀反人と呼ぶか!」



「……その通りだ」



淡々と、ユドゥグは応じた。



「王座とは、血縁で分かち合うものではない。


 国家とは、情ではなく理によって治めねばならぬ」



「貴様……!」



リハリアの声は震えていた。怒りか、悲しみか。



「あの夜を……忘れたのか。


 打倒女神国革命戦争の前夜、我と姉と、貴方と三人で酒を酌み交わした……


 “我ら三柱が龍麗を支えん”と誓い合ったあの時を!」



「……忘れたことは、一度もない」



ユドゥグは目を閉じた。



「だが、その誓いが“国”を危うくしたのだ。


 お前たちの権威は、民の上に積み重ねられたものではなく、


 “血”の上に成り立つ私情だった。


事実、俺のもたらした外戚勢力の一掃は、王権の強化と中央集権化に成功をもたらした」




「ならば何故、我らを最初から王室に近づけた!?


 使い捨ての駒であったか!?


 姉上は王妃として冷宮に押し込められ、


 我は閣議より追放、部下は粛清され……!


 知っているぞ!


クィンの側近女官だった紫蛇に、我を封ずる黒水晶を譲り渡したのは貴方なのだろう!?


 それが“理”か!? それが“正義”か!?」



「大義のためだ」



その一言に、リハリアは目を見開いた。



「……それでも、貴方は王か」



「そうだ。


 私は王として、お前を斬る。


 血のつながりも、誓いも、私情も、全て斬ってみせよう。


 ――それが、王の務めだ。


義弟よ、お前は龍麗国を裏切り妖魔帝国に組した…。


捨て置くことは出来ぬ……


リハリア、俺はな……王になったとき人間である事をやめたんだよ……人の心を捨て去ったんだよ」



しばしの沈黙が場を支配する。



風が止み、雲が流れ、遠雷が鳴った。



「そうか……よい」



リハリアは剣を抜いた。


その刃には、積年の恨みと哀しみが宿っていた。



「ならば我が刃で、


 その“王としての正義”とやらを試してやろう」



ユドゥグもまた、黙して剣を構える。



ふたりの間に、かつて交わした“家族の言葉”は、もう存在しなかった。



あるのはただ、忠と裏切りの咎。


そして、それを裁く剣のみ。


――運命は、ここに断たれる。




静寂を破り、リハリアが踏み込んだ。


黒曜石の刃が弧を描く――それは復讐と怨念の軌跡だった。



「義兄上よ!我が刃は姉上の涙だ!」



ユドゥグは微動だにせず、剣を斜めに構える。


刀身が鈍く光った。まるで夜空に浮かぶ孤月のようだった。



「王が血族を裁く――それもまた運命――そこら中に転がっているありふれた悲劇だ」



二つの刃が衝突し、火花が散る。それは血の飛沫のように鮮やかだった。



リハリアの剣筋は執拗だった。


ユドゥグの首元を狙い、脚を払い、胴を薙ぎ、一点の隙も許さない。


それは紫蛇の黒水晶に封じられた15年の恨みが編み上げた戦術だった。



「貴様の“正義”など偽善よ!


権力を握れば粛清し、逆らえば一族を根絶やしにする!


それが“理”か!? それが“王”か!?」



ユドゥグは淡々と応じた。



「国を守るには甘さは要らぬ。


お前も同じ事をしてきたではないか」




「黙れぇっ!!」



リハリアの刃が一閃する。


ユドゥグの袖が裂けた。


だがそれは計算された誘導だった。


ユドゥグはそのまま前に踏み込み、逆袈裟に斬り上げる。



「――!?」



リハリアの胸元に赤い線が走った。


鮮血が吹き上がり、青黒い装束が赤く染まった。



「ぐっ……!」



リハリアが後退する。


ユドゥグはゆっくりと追った。


足音ひとつ立てない、静かな殺意。



「お前は才に溺れた。


権力に魅せられ、己の本分を見失った。


義兄弟としてそれを惜しむが……それもまた、我が裁くべき罪」




「貴様は……!」



リハリアの声が震えた。


怒りと絶望が混ざり合い、喉元で凝縮した。



「……何故だ。我らが手を取り合って築いた国を……


そこまで貴様一人で独占したいというのか!?」



ユドゥグは答えない。


ただ、剣を構え直した。



その無言が全てだった。


リハリアの胸に突き刺さる。



「ああああああっ!!」



リハリアが吠えた。


剣を振り回し、狂気に囚われたように攻める。


だがユドゥグは冷静だった。


全ての攻撃を読み切り、最小限の動きで受け流す。



「姉上を……!」



リハリアの眼から涙が溢れた。



「姉上を幸せにしてやれなかったのは……貴様のせいだ……!!」



ユドゥグの眉が僅かに動いた。


――その一瞬を見逃さなかった。


リハリアが飛び込み、逆手で突きを放つ。


鋭く正確な一撃だった。



だが、



「……無駄だ」



ユドゥグの剣が斜めに翻った。


刃がリハリアの剣を受け止め、同時に弾く。


次の瞬間、ユドゥグの切っ先がリハリアの鎖骨に深く沈んだ。



「がっ……!」



血が噴き出す。


リハリアは膝をつき、剣を握る手が震えた。



「終わったな」



ユドゥグは静かに言った。



「最後に聞こう。お前は龍麗国を裏切り妖魔帝国に組した事を、後悔したか?」



リハリアは答えなかった。


ただ、血の泡と共に呟いた。



「……義兄上よ……教えてくれ……貴方の次の王座に座るのは……我が姉上の血を引く子なのか……?」



ユドゥグはわずかに目を伏せた。


だがすぐに顔を上げ、



「王座とは、天が決めるものだ。矮小な人間が如何に足掻こうと、最後の最後は天の意向が王を決める……我ら政治に関わる者は天下太平のため出来る事を尽くす……それが本分なのだ……天の理を見ず、我欲で次の王を決めるなど、それこそ烏滸がましい」



と言った。



そして最後の一撃――


剣が振り下ろされる。


リハリアの首が宙を舞い、血の雨が神殿を濡らした。



夜空の下で、王の影は孤独だった。



「これが“理”だ……」



ユドゥグは呟き、仮面をつけた。


――再び“暗行御史”として。



神殿に残ったのは


静寂と、一滴の血痕だけだった。



天は崩れ、地は裂けていた。


すべての生が止まり、すべての死が息を呑んだ。




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