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乂阿戦記~勇者✖︎魔法少女✖︎スパロボの熱血伝奇バトル~  変身ヒーローの勇者様と歌って戦う魔法少女は○○○○○○○○○○○○   作者: Goldj


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乂阿戦記5 終章 ああ、クィン、どうして君はクィンなんだ?-15 闇王と蛇王の知略戦

作者のGoldjごーるどじぇいです!

この物語は、勇者✖魔法少女✖スーパーロボット✖邪神✖学園✖ヒーロー✖ギャグ✖バトル…

とにかく全部乗せの異世界ファンタジー!

「あれ?これ熱くない?」「このキャラ好きかも?」「展開読めない!」

となってくれたら最高です。


良ければブックマークして、追っかけてくださいね

(o_ _)o



暗黒のチェイテ城内に、緊張が満ちていた。


闇と火薬の臭いが充満する地下回廊。そこに響いたのは、勝利の雄叫びではなく、知略の笑みだった。


「ふむ、この城の構造は既に把握している。各フロアの要所要所に指示どおり伏兵を配置しておけ」



蛇王ナイトホテップは冷静に地図を見下ろしながら語った。


彼の周りには複数のドアダ幹部怪人が配置され、常に警戒態勢を取っている。



「城内の照明を落とせ。闇こそが我が吸血鬼部隊の独壇場よ」


ディオニトロは紅いマントを翻しながら命じた。


吸血鬼たちが一斉に行動し、城内の明かりを消していく。


月明かりだけが頼りとなった薄暗い空間で、両軍の緊張感が高まっていった。



---





「ナイトホテップ閣下、敵軍は城内の光を落としてきました。視界不良になりますが……」



七将軍キャプテン・ダイナマイトボマーが報告した。



「ふん。自分達吸血鬼軍団に有利になるように施した策なのだろうが、闇夜こそが我が陣営の長所となろう。我がドアダ軍が夜襲戦でどれだけの戦果を上げてきたか知らないとみえる。兵たちには赤外線視覚や特殊能力を持つ者がいる。むしろ好都合よ」



蛇王は自信に満ちた表情で返した。


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


一方のディオニトロは窓辺から城下を見下ろしていた。



「蛇王よ。貴様は知っているだろうか?この城には隠し通路があることを……」



---



「各隊に告ぐ!正面からの突入は困難だ!地下道を使え!」


ボマーの指示が全軍に伝わる。


しかし、


「まて、ボマー将軍! その地下道は何か匂う。おそらく罠だな。ワザと角通路が見つけやすいよう細工した形跡がある。おそらくこれは敵のトラップ、伏兵が待ち構えているはずだ。」


「なんと!全軍一時待機だー!デコイ部隊を用意しろ!」


ボマーの判断に蛇王は微笑む。

――罠を仕掛けたのは誰だ? 読み合う二人の軍師、勝つのは蛇か、闇か。


「フフフ、まずはあえて敵の罠に乗ってやろうじゃないか…」



城の地下通路には既に吸血鬼の精鋭部隊が待ち構えている。


そしてドアダ軍の部隊が罠とも知らずノコノコと進軍してくる。


地下道に入り込んだドアダ部隊を待っていたのは、赤く光る目をした吸血鬼の群れだった。



「トラップを発動しろ!」



吸血鬼軍団の隊長たるスラッグラーの命令と共に吸血鬼たちが機銃掃射のトラップを発動させる。


ガトリンク掃射を浴び蜂の巣にぬるドアダ兵達ーー


しかし、



「やれやれ、やはり罠だったか」


ナイトホテップは冷笑する。


「デコイロボを爆破させろ!」


部隊はあえて地下道に誘い込ませる作戦だった。


先行したのは戦闘服を着せただけの安価なロボット兵


それも自爆機能付きの歩く特攻爆弾タイプ


つまり囮の使い捨て部隊だった。



爆発で吸血鬼たちが吹き飛ばされた後、地下道の奥からは予備のドアダ部隊が登場し、逆に吸血鬼軍団たちを強襲した。



「吸血鬼たちは太陽の光に弱い。だが今夜は新月……それでも我らには『太陽光発生装置』がある!」



蛇王より指揮権を受けたボマー将軍が特殊部隊に号令を出す。


部隊が太陽光装置を起動。


突如、地下道に太陽光が差し込み、吸血鬼たちは苦悶の叫びを上げた。



---




「ナイトホテップ閣下、敵軍は北棟に撤退を始めた模様です」


イポス上等兵がナイトホテップに報告を上げる。



「追うな。罠だ」



蛇王は冷静に判断する。


北棟への撤退は偽装工作だと見抜いていた。


あそこには火薬庫があり、爆破トラップが仕掛けられている確率が高い。


「真の目的地は東棟の中央塔。そこには連中が力を入れていた研究施設がある。おそらくそこから目をそらすための揺動だ。」



一方ディオニトロは自分がいる東棟ではなく西棟へナイ神父を派遣していた。



「蛇王め……北に来ないか……奴は私を読んでいる。だが私はそれを更に読み切っている。ふふ、どちらが知恵くらべに勝つか勝負してやるぞ!西はナイ神父に任せておくとしよう。」



西棟の地下室には委員会第六席レコキスタがアン・クィンをこの城に連れ出して来たときに、一緒に持ち込んだ棺がある。


その棺にナイ神父が目を付けていた。


とある計画を成すために、絶対に必要な棺である。


ナイ神父は、その棺に何やら魔法陣らしきものを描き始めたようだ。


しかし、それがアン・クィンの棺と知った今では、棺の中に眠っている者が誰なのか容易に想像できた。


(あの生贄神を復活させるため、あの2人を利用するのだな……)


ナイ神父の目的を知る闇王は密かにほくそ笑んだ。


---


夜が明けようとする頃、東棟で両軍の決戦の時が訪れた。



「いよいよだな、ディオニトロよ。貴様を倒してこの戦いを終わらせる」



ナイトホテップは最後の命令を下す。



「行くぞ、決戦だ!」



「フン、返り討ちにしてやるぞ!世の覇王はこのディオニトロ一人で充分なのだ!貴様を排除してやるぞ蛇王ナイトホテップ!!」



東棟



吸血鬼たちが一斉に攻撃を開始し、ドアダの部隊も迎撃態勢に入った。


戦いの火蓋は切って落とされた。






戦闘が白熱する中、チェイテ城の西棟地下室に忍び込む一人の男がいた。



彼の名はカイトーランマ。マシラのように軽やかな身のこなしと、盗みの技術に長けた天下の大泥棒だ。



「ハハハ、まさかこんな大事なものを放置しておくなんて、みんな決戦に夢中なのかねぇ」



カイトーランマは笑いながら棺に近づいた。ナイ神父が描きかけていた魔法陣の周りには不自然に兵士たちが配置されておらず、まるで誰かが盗みに来るのを誘っているかのようだった。



「これが……アン・クィンの棺か。ナイ神父が何を企んでいるのか興味深い」



カイトーランマは慎重に棺の蓋を外す。中には……



「おや?」



棺の中は空っぽだった。



「まさか……これは囮か?」



その瞬間、地下室の入り口から影が現れる。ナイン族統括者ロキ・ローゲと彼の部下たちだ。



「カイトーランマ、やはり現れたか。その棺はフェイクだ。やつらの本命は……」




「あぁ、わかってるさ。だがロキよ。今回俺たちの目的は同じようで違うようだな」



カイトーランマは懐から小さな鏡を取り出し、鏡面を地下室の壁に向ける。


すると壁に隠された隠し扉が浮かび上がった。



「本当の目的はここだ。棺の中身はこの奥に運び込まれたようだ」




---



一方、城内ではナイトホテップとディオニトロが遠く離れ合いながらお互い顔を見ることなく対峙していた。



「蛇王よ。貴様は知っているだろうか?この城には科学者技術では発見できない隠し通路があることを……」



城の北棟の作戦司令室でディオニトロが言い終える前に、城の南棟の作戦司令室でナイトホテップは嗤った。



「ふん。ディオニトロめ、この城の図面はすでに我が物。大魔女たる我が姉カンキルの協力で、地下道の魔法の全ても把握しているぞ!」



ドアダ軍の動きの報告を受けるディオニトロ


「なるほど……ドアダ兵の動きからして、ナイトホテップは、こちらの想定以上に、城の図面を熟知しているようだ、だが……」



ディオニトロは口元を歪ませた。


「だが貴様は知らないだろう。アン・クィンの棺……その中に眠る者の真の力について」




その瞬間、城全体が揺れ始めた。


「「ん?なんだ……?」」


蛇王と闇王は同時に振動に気づいた。


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