表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
乂阿戦記~勇者✖︎魔法少女✖︎スパロボの熱血伝奇バトル~  変身ヒーローの勇者様と歌って戦う魔法少女は○○○○○○○○○○○○   作者: Goldj


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

503/515

乂阿戦記5 終章 ああ、クィン、どうして君はクィンなんだ?-6 混戦

作者のGoldjごーるどじぇいです!

この物語は、勇者✖魔法少女✖スーパーロボット✖邪神✖学園✖ヒーロー✖ギャグ✖バトル…

とにかく全部乗せの異世界ファンタジー!

「あれ?これ熱くない?」「このキャラ好きかも?」「展開読めない!」

となってくれたら最高です。


良ければブックマークして、追っかけてくださいね

(o_ _)o


「き、貴様!この外道おおおおお!!」


ヴァルシア・エンジェルがナイ神父のあまりに外道な所業に怒り、聖槍を掲げ襲いかかる。槍が、神父に突き刺さり血しぶきが飛ぶ。


しかし神父は平然とした様子で、その傷を治す。


「な、なんだ!?これは!?」


そして、その傷が癒えたあとには……


なんとヴァルシア・エンジェルの装備が弾け飛び、裸身を晒す羽目になってしまった。


「ほう、私のダメージ返しの呪詛を無効化するか。流石は七罪の魔女の中でもラスヴェードに次ぐ強さを誇った魔王の魔女。お前もルシル・エンジェルと同じく魔法による攻撃を無効化できるのだな。流石に装備品へのダメージは無効に出来なかったようだが……ならば徒手空拳で挑むとしよう。さて我が拳に対し、君がどこまで耐えられるか見せてもらおうか」


拳法の構えをとるナイ神父


晒された肌を手で隠しながら、思わず後ろに下がるヴァルシア


挿絵(By みてみん)


そんなヴァルシアを守るように、彼女の恋人、魔王アシュタロスが前に出る。


彼は羽織っていたマントをヴァルシアの肩にかけ、肌の露出を隠してやる。


そして自らは刀を抜き放ち真なる無貌の神の前に出た。


「お前は何者なのだ?その力はヒトの範疇を超える力、黒の神父よ、貴様はどこから来たのだ? 何故伝承に伝わる六道魔人の力を持つ?」


クロウの問いかける声に、ナイ神父は淡々と答えた。


挿絵(By みてみん)


「我が能力は鏡映しの空間を生み出す力。その力を使って、この宇宙の遥か彼方に存在する別の宇宙を旅することも出来る。そこには無数の宇宙が存在している。そしてそれらの宇宙には沢山の平行世界があり、その世界の中には私たちの世界にほんの少しだけ違いそっくりの世界がある。そこから私は正反対の可能性、もしくは正反対の結末を連れてきたのだよ。まあ、1日に1度しか使えない奥の手だがね。」


ナイ神父はそこまで言うと、静かに冷笑した。


その冷笑はまるで地獄の底から響いてくるかのようだった。


「ナイ・アドラメレク……その名はラグナロク時代、破壊神ウィーデル・ソウルの宿敵、大魔王アザトースの側近中の側近の名前! 六道魔人が一角の災禍……11人委員会第11席ナイ神父よ……貴様、まさか……」


クロウは剣を握りしめると、険しい表情で目の前の黒衣の神父を睨んだ。


漆黒のローブを身にまとい、邪悪な笑みを浮かべた男。


それは、かつて破壊神ウィーデル・ソウルと戦い、倒されたはずの大魔王アザトースの右腕的存在。


「ふふふふ、そうだよ。我はこの世界を玩弄するためにやってきた……。盲目なる痴愚の神アザトースが女神ユキルに唆され書き換えなさった世界を創り直すために……、私は再び現世に舞い戻った」


ナイ神父はそう言うと、手にした宝玉を掲げた。


すると、あたり一面が激しく揺れ動き始めた。


そして、次の瞬間、地面に巨大な穴が開いたかと思うと、そこから異形の姿が現れた。


頭部には牛のツノ、胴体は獅子、背中に翼を生やした怪物―それは紛れもなく、神話合成獣ベヒーモスだった。


その姿を見たクロウは戦慄した。


「ベヒーモスだと!?」


確かに伝説上の生物だが、目の前に実在するとは思わなかったからだ。


だが、その疑問を口にする余裕はない。なぜなら……。


「きゃああああ!」


ヴァルシアが吹き飛ばされたのだ。


とっさに受け止めたけれど、勢いまでは殺せなかった。


幸い、致命的な怪我はしていないようだ。


安心した瞬間、再び動き出す巨体。


まるで虫けらを踏み潰すかのように、足を上げて迫ってきた。


このままでは潰されてしまう!


必死に抵抗するけど、巨体の攻撃を避けきれずにいた。


このままじゃ本当に潰されてしまうかもしれない。


こうなったら怠惰の魔王の力を使うしかない。


そう思って力を使おうとすると、誰かが割り込んできた。


その人物は剣を構えると、そのまま攻撃を弾き返したのだ。


そのおかげで、助かったのだが……誰が助けてくれたのかわからなかった。


でも、それよりも気になることがあった。


神獣と言って差し支えないベヒーモスの一撃をやすやすと弾き返した恐るべき剣技!


その男は武仙だった。


それも最上位中の最上位と称えられた剣の龍神だった。


ナイ神父と魔王アシュタロスの間に割って入って来たその男は、ドアダ帝国事実上の支配者、ナイトホテップこと永遠田左丹であった。


(な、ナイトホテップ!バカな!?左丹叔父上がなんでここにいる!)


クロウ=イドゥグは声が漏れだしそうになるのを必死に堪える。


自分が死んだはずのイドゥグだという事は永遠田の一族に知られたくないからだ。


驚くアシュタロスの隣で、ナイ神父は涼しい顔をしていた。


「おや、ナイトホテップ、随分と早い登場だな」


ナイ神父は嬉しそうに笑うと、優雅な仕草で右手を挙げた。



「ふん、余計な事をしてくれたようだな、ナイ神父。とりあえず11本の鍵で時空大鍵がどこまで蘇るか様子を見るつもりだったものを……」


吐き捨てるように言うナイトホテップ。


その表情は厳しい。


いつも冷静沈着で泰然自若としているこの男にしては珍しい態度だ。


「いいや、余計ではない。あのまま放っておけば歪な形の時空大鍵が出来上がり、ケイオステュポーンと同じ制御不能な暴走魔人が誕生していただろう。そうしたら新たな惨劇の幕が上がるだけだった。だが……」


そう言って微笑むナイ神父。


「そこのクィン廃妃と魔王アンドラスが最悪の形で再会した事で、クィンは心を閉ざし、不完全な時空大鍵生成は阻止された。12の鍵を全て揃えなければアンドラス…否、今宵亜突こよいあどるは時空大鍵として完成出来ないのだよ。つまり、これは運命の必然なのだ」


「なるほど、時空大鍵を完成させる為だけにわざわざ我らをおびき寄せた訳か。まあ俺も時空大鍵は一刻も早く完成させたかったし、その点に関しては利害は一致してるかな」


クロウは叔父の登場に心の中で脂汗を掻きながらも、じっと何も口に出さず様子見をする。


ナイ神父はまるで全てを見透かしているのか、クロウに視線を一瞥おくり恍惚の表情を見せる。


一瞬の出来事だった。


突如ナイ神父は姿を消した。


いや違う。


高速で移動したのだ。


ナイ神父の拳が空気を裂き、爆ぜるような衝撃波がクロウの頬をかすめた。

火花が散り、床石が砕け飛ぶ――あと一瞬遅れていれば、顔面は粉砕されていただろう。



「クッ!貴様!」


驚き叫ぶクロウに対し、ナイ神父は笑みを浮かべる。


先ほどまで詩人のように言葉を弄んでいた神父の瞳が、戦場に飢えた獣のものへと変わる。

その笑みにはもう愉悦も嗜虐もない。ただ――殺意だけがあった。


ぞわり、と全身が粟立つのを感じた。


「フフフ、魔王アシュタロスか、君相手なら久しぶりに散打を堪能することが出来そうだ。怠惰の魔王よ、私が気に食わぬか?ならば武を持って我を調伏してみせよ!」


まるで別人のような戦闘者の口調で喋る今のナイ神父は、まさしく玩弄を好む無貌の神とは別人の戦狂いの闘神だった。


先程のナイ神父からは想像もできないほどの威圧感を放ち、全身から発する邪気が空気を歪めているような錯覚を覚えるほどだ。


一体なにがどうなっているというのか。


混乱しながらも、ナイ神父から距離を取るクロウ。


同時に、この状況の打開策を練ろうと頭を働かせ始める。


一方、ナイ神父の方は、獲物を狙う猛禽類のように鋭い視線を向けてくるばかりだ。


しかし、ナイ神父の真意が全く分からない以上、迂闊に近づくこともできない。


思考を巡らせるクロウだったが、不意に背後に気配を感じる。



突然轟音と共に地震のような揺れが起こった。


大地が裂け、城壁が悲鳴を上げる。

その裂け目の奥底から――何か、とてつもなく“禍々しいもの”が目を覚まそうとしていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ