表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
乂阿戦記~勇者✖︎魔法少女✖︎スパロボの熱血伝奇バトル~  変身ヒーローの勇者様と歌って戦う魔法少女は○○○○○○○○○○○○   作者: Goldj


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

486/515

乂阿戦記5 幕間の章 ああ、亜突、貴方はどうして亜突なの?-8 世界最強魔女ラスヴェードvs十大将軍最強魔王ルドラ

作者のGoldjごーるどじぇいです!

この物語は、勇者✖魔法少女✖スーパーロボット✖邪神✖学園✖ヒーロー✖ギャグ✖バトル…

とにかく全部乗せの異世界ファンタジー!

「あれ?これ熱くない?」「このキャラ好きかも?」「展開読めない!」

となってくれたら最高です。


良ければブックマークして、追っかけてくださいね

(o_ _)o

戦場はまだ炎と血に塗れていた。

だが──二人が前に進み出た瞬間、轟いていた喧噪が嘘のように止んだ。


「……!」

兵も魔影も、互いに刃を交えていたはずの両軍の戦士たちですら動きを忘れた。

ただ一点、瓦礫の中央に立つ二人の影へと、視線が吸い寄せられていた。


炎を纏い、瞳に赤黒い光を宿した獄炎魔王・ルドラ。

そして、真紅の狙撃銃を肩に担ぎ、氷のような眼差しで睨み返す最強の魔女・ラスヴェード。


「……面白い。お前の弾丸が、この肉体を砕けるか試してみるか」

ルドラが唸るように言い放ち、全身を熱で赤々と輝かせる。大気が震え、兵の頬を焼く。


「フッ……魔王だか何だか知らないが、私の引き金一つで沈めてやる」

ラスヴェードが涼しい声で返す。銃口は決して揺れず、むしろその存在感で炎熱を押し返していた。


互いにまだ一歩も動いていない。それなのに、戦場全体が軋みを上げる。

緊張の糸が、張り詰めに張り詰め──今にも弾け飛びそうだった。


「来い、魔女!」

「望むところよ、魔王!」


二人の咆哮が重なった瞬間、大地が揺れ、戦場は再び爆発した。

──両軍最強の一騎打ちが開幕した!


挿絵(By みてみん)



炎熱を纏う巨躯。全身から黄緑の魔炎を噴き上げ、皮膚は岩のように硬化している。

──獄炎魔王ルドラ。

その眼光は、煮えたぎるマグマそのもの。視線を向けられた者は、心臓を灼かれるような錯覚に陥る。


対するは、灰色のコートを翻す一人の女。

──最強魔女ラスヴェード。

氷のような瞳は一切の揺らぎを見せず、肩に担いだ真紅の狙撃銃を軽く傾ける仕草は、酒場でグラスを弄ぶかのように冷ややかだった。


「りゃあああああああああ!!」

「クルァアアアアアアアア!!」


二人の咆哮が重なった瞬間、戦場の空気が爆ぜ、地面が軋んだ。

瓦礫が浮き上がり、石畳が砕ける。

両軍の兵は思わず目を覆う。


そして──炎と弾丸が、世界を引き裂いた。




炎と弾丸がぶつかり爆煙があがる。

やがて煙は晴れる。



次に動いたのは──ルドラだった。


「燃え尽きろぉッ!」

獄炎魔王の咆哮と同時に、緑黒の魔炎が拳に凝縮される。

振り抜かれたその閃光は、城壁を丸ごと抉り飛ばす破壊力を秘めていた。


だがラスヴェードは一歩も退かない。

狙撃銃を腰だめに構えると、指先が冷ややかに引き金を引いた。

──銃声。

紅い閃光弾が一直線に走り、ルドラの魔炎を迎え撃つ。


轟音。

今度は炎拳と弾丸が正面から衝突し、爆風が荒廃した城を更に粉砕する。

兵たちが吹き飛ばされ、空気は灼熱と硝煙で満ちた。


「小癪な……!」

ルドラは唸り、第3撃を放つ。

両腕に魔炎を纏わせ、十字に組んだ爪を叩きつける。


その一撃を、ラスヴェードは後方に跳んでかわした。

だが逃げるのではない。

すでに3発目の銃弾を放っていた。

「まだまだ……楽しませてもらうぞ!」


銃弾はルドラの肩口を掠め、炎の装甲を弾き飛ばす。

肉体は傷つかない。だが魔力の膜を削ぎ落とすには十分だった。


「フン、やるではないか!」

ルドラが地を踏み鳴らす。床石が砕け、巨体が弾丸のように突進する。


刹那、狙撃銃では間に合わない距離。

ラスヴェードは迷わず銃を背に回し、鋭い足技で応じた。

軍人仕込みの蹴りが、ルドラの顎を狙う。


「ほうっ!」

しかし魔王は顎を逸らし、逆に爪で反撃。

空気を裂く鋭爪が、彼女の頬を紙一重で掠めた。


「……やっぱり化け物ね」

ラスヴェードは冷笑を浮かべる。

爪の風圧で頬に血が滲んでも、表情ひとつ崩さない。


ルドラは楽しげに笑い、炎を更に纏う。

「そうだ……もっと本気を出せ! この俺を全力で倒しに来い!」


二人の攻防は、もはや弾丸と炎撃に留まらず、拳と蹴りが直に火花を散らす肉弾戦へと突入していった。

──神域の実力者同士。

その一撃一撃は、大地を抉り、世界を削る。



故に他の七罪の魔女達や十大将軍達は、総力を上げて二人の破壊の力を中和しなければならなくなった!


ルドラとラスヴェードの激突は、戦場そのものを呑み込んでいた。


炎と銃弾の衝突は爆発を呼び、拳と蹴りの交錯は地形を抉る。

廃墟と化した古城の床は割れ、柱は次々に崩れ落ち、瓦礫が兵士たちを押し潰す。

数百の軍勢がなお睨み合っているにもかかわらず──誰もこの二人の戦域には踏み込めなかった。


「す、すげぇ……」

七罪の兵士たちが思わず息を呑む。

「あれが……“最強同士”の戦い……」


一方、敵陣の十大将軍たちも表情を険しくしていた。

「ぬう……ルドラが女相手にここまで手こずるとはな」

金剛悪鬼ドルガが低く唸る。

「最強魔女……伊達ではないか」


「キィ〜ヒヒッ! こりゃ愉快ですなぁ!」

ザビエルが甲高い笑いをあげるも、その目は決して笑っていない。

彼の冷徹な計算すらも、この戦いは予測不能だと告げていた。


「おお……我が軍最強のルドラでも押し切れぬか!」

鉄棍聖君ウィウィヴァが静かに呟く。

彼の声音は驚愕ではなく、戦況を見極める冷徹な将軍のものだった。



ラスヴェードの体術は洗練の極みに達しており、 ルドラの爪攻撃を縫うように滑り、カウンター攻撃をしかける。


彼女の拳や蹴りには、彼女自身の強大な 魔力と、長年の修羅場で培われたシステマの戦闘術が凝縮されていた。


攻撃を受けるルドラの右手の長い爪が、彼女の一撃を受けるごとに傷つきに歪んでいく。


「面白い!」


ルドラは、左の拳から新たな長爪を伸ばし、その鋭利な爪でラスヴェードを切り裂こうとする。


しかし、ラスヴェードはそれを紙一重で回避し、カウンターの拳を叩き込む。


彼女の動きは、まるで柔術の達人のように洗練され無駄がない。


大理石の床は、二人の神域破壊力の衝突によって 見る間見る間にボロロになっていく。


地は抉られ、空には遠距離破壊魔法の残滓が尾を引く。


ラスヴェードは、時折、冷静に周囲の状況を把握する。


魔王ルドラの格闘能力 、魔力の質と量、技のパターン… etc.etc.......


極限の戦闘状況下でも彼女の頭はクールに冴え渡っていた。


そして、その分析に基づいて、わずかな隙を逃さずカウンターを繰り出す。


ルドラもまた、暗黒魔法を駆使し、受けたダメージを魔法バリアで抑えながら、 無尽蔵の魔力攻撃と爪による格闘術を織り交ぜてラスヴェードを追い詰める。


彼の実戦に基づいた叩き上げの格闘術 と苛烈な獄炎の魔力は、まさに脅威の一言だった。


激しい激闘が 、互いの力を最大限に引き出し、一歩も譲らない攻防を繰り広げる。

戦闘は激しさを増す。


ルドラの炎撃が奔流となり、空を赤黒く染める。


ラスヴェードは銃火を連射しながら、間合いに入れば鋭い肘打ちと回し蹴りで応戦する。


互角。

一進一退。

見る者の脳裏に浮かぶのはただ一つ──「この一騎打ち世界が裂ける」という予感だった。


「……ルキユ」

セイ・ズーイが小声で副官に囁く。

「やっぱり出し惜しみは無理だな。想像以上にルドラは強い。ウチの最強ラスヴェードでも互角……このままじゃ押し切れねぇ」


ルキユは一瞬逡巡するも、目を細めて頷いた。

「……あれを使うのね」

「そうだ。エクリプスの力を……」


ルキユは一瞬難色の表情を浮かべたが、静かに目をつぶり、わかったと答える。


「「我ら悪魔の契約の元に集い、呪われし力発動せん!我らは我が憎悪の半身となりていざもろともに蹂躙せん!悪魔共……」」


セイとルキユが最悪の魔女の力を発動しようとしたその時である。


二人が秘術を発動せんとした刹那──


──空気が変わった。


「……?」

全員が同時に天を仰ぐ。

厚い雲を裂き、巨大な影が夜空を覆っていた。


「な、なんだありゃ……!」

兵士たちの声が震える。


光が差した。

強烈な光柱が空から地上へと突き刺さり、戦場を真昼のように照らし出す。

目を眩ませた隙に、重厚な金属の影が降下してくる。


──空中要塞バエルスター。

覇星の使徒が誇る切り札が、ついに姿を現したのだ。


戦場が凍りついた。

七罪の兵も、魔影も、十大将軍すらも。

その威容の前では、誰一人として軽口すら叩けなかった。


光柱が収束したとき、戦場の空気は一変していた。

空中要塞バエルスターの艦底ハッチがゆっくりと開き、重々しい足音がこだました。


そこから現れたのは、一人の男──否、その存在自体が帝国の象徴であった。


「……!?」

七罪の魔女も、十大将軍も、そして兵すらも息を呑む。


白銀の法衣に身を包み、黒髪の長い髪を背に垂らす。初老の面差しに刻まれた皺は深いが、その瞳だけは老いを知らぬ鋭さを放つ。

冷酷な理知と圧倒的な支配者の自信──ただ立つだけで空間を支配する覇者の風格。


「……ゴーム・ソウル様!」

ドルガが膝を折り、額を地に伏せる。

「大王様……!」

ルドラもまた、父にならい深く頭を垂れた。


将軍たちが一斉に跪く。兵たちも次々に剣を下げ、誰一人として頭を上げられない。視線を交わしただけで膝が折れる──その威圧こそが王の証だった。


「双方……そこまでだ」


怒鳴るわけではない。ただ低く、落ち着いた声音。

だがそれだけで、戦場の喧騒は掻き消えた。

誰も逆らえない。声を発することすら許されぬ覇気が、空気を押し潰す。


セイ・ズーイが唇を噛み、僅かに汗を滲ませる。

「あんたまで……女神国最後の王、ゴーム王……!」


ゴーム・ソウルはゆるやかに手を掲げた。

瞬間、空中に巨大な魔法陣が展開し、光が走る。

映し出されたのは豪奢な玉座の間──龍麗城であった。


「七罪の魔女たちよ」

ゴーム・ソウルの声が再び響く。

怒りも憎悪もない。ただ決して抗えぬ強者の冷徹な意志。


そして映像が揺らぐ直前、王は静かに告げた。


「これは歴史の転換点だ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ