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乂阿戦記~勇者✖︎魔法少女✖︎スパロボの熱血伝奇バトル~  変身ヒーローの勇者様と歌って戦う魔法少女は○○○○○○○○○○○○   作者: Goldj


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乂阿戦記5 幕間の章 ああ、亜突、貴方はどうして亜突なの?-5 亜突と七罪の魔女

作者のGoldjごーるどじぇいです!

この物語は、勇者✖魔法少女✖スーパーロボット✖邪神✖学園✖ヒーロー✖ギャグ✖バトル…

とにかく全部乗せの異世界ファンタジー!

「あれ?これ熱くない?」「このキャラ好きかも?」「展開読めない!」

となってくれたら最高です。


良ければブックマークして、追っかけてくださいね

(o_ _)o

挿絵(By みてみん)


腕利きであるはずの亜突をたやすくひねり倒してしまった銀髪の魔女


思いのほかやりすぎた銀髪の女をセイが注意する。


「ちょっとちょっとラスヴェードちゃん、やりすぎだって! その子大事な今代の鍵なんだから丁寧に扱ってあげてよ?」


「やれやれ、私が手加減せずに動いたからこそお前の首は繋がったままなんだぞセイ?……だがまあ、ルキユの前で今の攻撃はまずかったな。悪かったなルキユ」


銀髪の女は面倒くさそうに舌打ちすると、しぶしぶと言った感じで謝罪の言葉を述べる。


亜突はその隙を狙って逃げようとするものの、別の魔女から攻撃を喰らい押さえつけられてしまう。


その魔女は緑色のメイド服を着た金髪の女だった。


挿絵(By みてみん)


彼女は穂先をサスマタ状に変形させた槍で亜突の動きを封じていた。


「相変わらずお前の槍は便利だな。ヴァールシファー」


「世界最強の魔女に褒めてもらって光栄だわ。ラスヴェード」


「だがこいつは元気がすぎるし、やっぱりもうしばらく眠らしておこうか?」


「やめなさい!」


亜突の様子を楽しげに眺めていた銀髪の女が再び攻撃を加えようとしたところで黒き魔女が止める。


どうやら二人の関係は主従関係に近いようだ。


亜突にとって二人の関係はよく分からないがとりあえず助かったようだ。


とはいえ亜突にとっては現状が全く理解できていなかった。


ただ一つ分かることは、目の前にいる少女たちが、世界最大の脅威である七罪の魔女だということである。


七罪の魔女――。

人類史に刻まれた最悪の名が、今まさに目の前に並んでいる。その現実に、亜突の背筋は氷のように冷えた。


その時黒き魔女ルキユがこちらを向いてこう言った。


「ごめんなさい、驚かせてしまって。ですがこれも仕方のないことです。これから私たちが行う計画のためにも、あなたに協力していただく必要があるのです。ですから少しの間我慢してくださいね」と言い謝ってくるのだった。


その言葉を聞いたことで亜突は少し冷静になったようだ。


だがそれと同時に疑問を抱くようになる。


何故自分なのか?


何故自分が選ばれたのか?


ということについてである。


そのことについて尋ねると黄緑色の巻き毛の魔女が答えた。


白衣の裾を翻し、眼鏡を掛けた魔女が一歩前へ進んだ。

その姿は戦士というより冷徹な研究者――知の刃を携えた学者だった。


「私はシュブニア・グレートヒェン。世間では“邪神の魔女”と呼ばれているけれど、本当のところはただの科学者よ。

巨人族と邪神の戦いを研究してきた……そのせいで、教会や龍麗国から禁忌の烙印を押され、魔女の烙印を背負わされただけ」


挿絵(By みてみん)



淡々と告げるその声に、情は一切なかった。


「さて――話を戻しましょう。あなたに説明しなければならないのは《クィンクィーン》について」


「クィンクィーン……?」

亜突の眉がぴくりと動く。


「そう。すべての魔法少女を統括し、力を管理する存在。使命はひとつ――『全人類の幸福』」


そこで一拍置き、シュブニアは静かに告げる。


「だが、その瞬間、彼女は人間ではなくなる。人格も記憶も消え、ただの“管理装置”として目覚めるのよ」


「……っ!」

亜突の頭に、宮殿で微笑むクィン妃の姿がよぎる。

慈愛に満ちた眼差しも、子どもを抱く柔らかな腕も――すべて失われるのか。

胸が、締め付けられるように痛んだ。


「驚くのも無理はないわ。本来なら徹底的に秘匿されるはずの禁忌だから」

シュブニアは冷徹に続ける。


「そしてもうひとつ。統括者クィンクィーンには《時空大鍵》を選び、その権能を託す役割がある」


「……時空大鍵?」

亜突が問い返す。


「その名の通り、時空を司る唯一の鍵。

それを持つ者だけが“アカシックレコード”――世界の真実を記す書庫へ辿り着ける」


シュブニアは指先をひらひらと動かす。


「そこは“三聖の塔”と呼ばれる要塞に眠っている。もし記録を手中に収めれば、歴史を塗り替え、世界の法則を操ることすらできる。……だが、使い方を誤れば世界を滅ぼす毒にもなる」


淡々と放たれるその言葉に、空気が一層重く沈んでいく。


「だからこそ、統括者は存在する。時空大鍵にふさわしい者を選ぶために」


亜突はごくりと唾を飲み込んだ。

「……それで? その大鍵とやらが、一体俺と何の関係がある……?」


シュブニアはわざと間を取り、唇の端を冷たく吊り上げた。


「関係どころか――答えは単純明快」


その声が空気を切り裂く。


「今代のクィンクィーン、アン=クィンが選んだのは夫イドゥグではない。

初恋の相手であるあなた――今宵亜突。あなたこそが《時空大鍵》」


「……っ!!」


頭が真っ白になった。剣が手から滑り落ちそうになる。

クィン様が……自分を選んだ?

国の母として毅然と立つ彼女が、胸の奥で託していたのは――自分だったというのか。


喜びでも誇りでもない。込み上げてきたのは、罪悪感とどうしようもない動揺だった。


「貞節な国母であろうと努力しても、心だけは縛れない。恋する乙女の想いは止められないのよ」

研究者の冷笑が突き刺さる。



心のどこかで、ほんの僅かでも“選ばれた”ことを誇らしいと感じてしまった自分がいる。

その事実に亜突は戦慄した。


忠義を誓った王妃に、男として選ばれた。

その瞬間、彼は戦士ではなくただの一人の男に堕ちたのではないか、と。


「なんでそんな事を俺に話すんだ?」


「じゃあ教えてあげましょうか〜?」


紫髪のサキュバス衣装の女が、豊満な胸を亜突に押し付け寄りかかってきた。 まるで誘惑するように体を擦りつけてきたのだ。


挿絵(By みてみん)


妖艶な雰囲気を漂わせつつ耳元に息がかかるほど密着してきた。


亜突は思わずドキッとする。


胸の鼓動が激しくなり顔に熱が集まるのを感じた。


思わず心が揺れかけた自分に、亜突はぞっとした。

――俺はクィン様一筋のはずだ。なのに、なぜ……。


「ちょ、何するんだやめろ!」


「そ、そうです!エメサキュバさん悪ふざけはやめてください!」


亜突とルキユが慌てて紫髪の女、エメサキュバを振り払うと、彼女は少し残念そうな表情を浮かべる。


「えーいいじゃないー❤︎ 減るもんじゃないしー❤︎」


「お、俺はクィン様に剣を捧げた戦士なんだ!他の女に目をくれたりはしない!」


「ふん!だったらさっさとクィン様を宮殿から引っ張り出して、駆け落ちでもすればよかったじゃないですか!そしたらイドゥグ様もフリーになって偽りの夫婦生活から解き放たれることができたのに!」


いつの間にかサスマタを手放した緑服のメイドさんは腰に手を割って、プリプリと怒っていた。


亜突はそのメイドに見覚えがあった。


「あ、あれ?あんたもしかしてイドゥグ様のおつきの女官ヴァルシア・エンジェルさんか?俺あなたのこと知ってんだけど……」


「今更気付いたんですか?」


あきれ顔の少女の顔にはかつての面影があった。


亜突はまだ幼い頃、王宮で見たことがあったのだ。


美しく愛らしい少女の姿。


あの頃は今と違って前髪は綺麗に切り揃えられておりロングヘアーをしていた。


服装はエプロンドレスではなく動きやすいパンツルックであったが、その顔は確かにあの時の少女のものだった。


しかし今は髪をアップに纏め上げており眼鏡を掛けていないこともありだいぶ印象が違う。


きっと昔は髪を結い上げていて見えていなかったであろううなじが見えていて、とてもセクシーに見えた。


肌も白くきめ細やかな白い肌をしていてスタイルもいいのでスレンダーに見えるのだが胸は大きく形が良く柔らかそうであった。


亜突は彼女の姿を見てドキッとしていた。


「あらぁ、宮殿とは違うヴァルシアちゃんの衣装にドキドキしたあ?いけないんだ。クィンちゃんに告げ口しちゃおうかしら?」


エメサキュバがコロコロ笑う。


からかうような口調だが悪意はないようだった。


ヴァルシアは少し顔を赤くして慌てて否定する。


「ち、違います!こ、この格好はここの仕事で仕方なく着ているだけです!」

ヴァルシアが顔を赤くして怒鳴る。


その様子を見て、周囲はクスクスと笑った。


「……あまり兄さんをからかわないでください」

小さく呟いたのはルキユだった。


はっとしたように口元を押さえ、すぐに冷静さを取り繕う。

だが亜突には、その一瞬だけ垣間見えた妹の面影が焼き付いていた。


「亜突兄…亜突さん?何か今笑いましたか?」


と言ってルキユは恥ずかしそう怒鳴った。


「ご、ごめん」


亜突は慌てて謝る。


「わ、わかればいいんです!」


そう言いつつも彼女ルキユはまだ顔が赤いままだった。


その様子を見て周りの女性たちたちはクスクスと笑った。


「さあ、これで役者は揃った。あとは幕が上がるのを待つばかりだよ。まずは亜突君の麗しの恋人の様子を見るとしましょう」


そう言ってシュブニアはパチンっと指を鳴らす。


その瞬間、光が音を立てて砕け散った。

世界そのものが帳を下ろすように黒へと沈み、亜突の視界から色も音も奪われていく。


ただ一つ、胸の奥で高鳴る鼓動だけが確かに残っていた。


そして闇の向こうから――聞き慣れた声が呼ぶのを、亜突は確かに耳にした。

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