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乂阿戦記~勇者✖︎魔法少女✖︎スパロボの熱血伝奇バトル~  変身ヒーローの勇者様と歌って戦う魔法少女は○○○○○○○○○○○○   作者: Goldj


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乂阿戦記5 第六章  剛弓覇龍の娘 葵遍と葵寧々子-18 アーレスタロス狗鬼漢児vs冥獄力士スサノオミカド

作者のGoldjごーるどじぇいです!

この物語は、勇者✖魔法少女✖スーパーロボット✖邪神✖学園✖ヒーロー✖ギャグ✖バトル…

とにかく全部乗せの異世界ファンタジー!

「あれ?これ熱くない?」「このキャラ好きかも?」「展開読めない!」

となってくれたら最高です。


良ければブックマークして、追っかけてくださいね

(o_ _)o

吸血城の死闘譜


赤錆色の砂塵が、夕陽に染まり、背徳の城を茜色に染め上げる。


二つの影が、静かに、しかし確実に、その距離を詰めていた。


片や鋼鉄の肉体。


スサノオ・ミカド。


その肉体は、無駄な脂肪を一切削ぎ落とし、機械のように研ぎ澄まされていた。その瞳は、感情というものを一切排除した、冷酷な殺戮兵器のそれであった。


片や炎の肉体。


狗鬼漢児。


その肉体は、鍛え抜かれた鋼のように強靭でありながら、どこか獣のような野性を感じさせた。


その瞳は、獲物を捉えた獣のようにギラギラと輝き、内に滾る闘志を隠そうともしなかった。


「まずは50%の力だ…」


挿絵(By みてみん)


スサノオは、筋肉を膨らませながら漢児に話しかけた。


「面白れえ!アンタの力、試させてもらう。最初から100%を出さなかったこと。後悔するんじゃねーぞ?」


漢児は、ニヤリと笑い、スサノオに突進した。


瞬時に変身しアーレスタロスとなる。


その動きは、空手ベースの鋭い踏み込みから繰り出される、稲妻のような突きであった。


アーレスタロスの拳が、スサノオの肉体を捉える。


だが、それはまるで鋼鉄の壁に拳を叩きつけたかのようであった。


スサノオは、微動だにせず、アーレスタロスパンチを受け止める。


「無駄だ。超筋肉で固めた俺の腹筋は鋼の壁だ」


スサノオは、冷たい声で言い放ち、アーレスタロスパンチを受け止める。


そして、その巨躯と筋肉を活かした相撲系の動きで、アーレスタロスを掴み上げ、地面に叩きつけた。


衝撃で砂塵が舞い上がり、アーレスタロスは砂まみれになりながらも、すぐに立ち上がった。


投げられる前に、自分から投げられる方向に飛ぶことでダメージを半減させ、さらに受け身をきちんと取っていた。


それでもすごいダメージには違いないはずなのだが、その瞳は、ますますギラギラと輝きを増していた。


「面白いじゃねえか…!」


アーレスタロスは、再びスサノオに突進した。


「喰らえ!アーレスコンボラッシュ!」


今度は、先ほどよりもさらに激しく、そして研ぎ澄まれた連続攻撃を放つ。


空手ベースの打撃に加え、変幻自在の蹴り技、そして予測不能なフェイント。


アーレスタロスパンチが、スサノオの肉体を捉える。


今度は、先ほどとは違い、確かにスサノオの肉体を削り取っていた。


だが、スサノオは、表情一つ変えずにアーレスタロスの攻撃を受け止める。


スサノオは、アーレスタロスの攻撃パターンを分析し、的確なカウンターを放ち始める。


その巨躯と筋肉を活かした圧倒的なパワーで、アーレスタロスをねじ伏せようとする。


彼の格闘スタイルは基本的には巨体を生かしたレスリング系…、否、打撃ありの古代相撲


スサノオの戦術はシンプル


無駄に打撃の殴り合いには付き合わず、組みついて、投げ飛ばし馬乗りになってマウントポジションからの連打を浴びせるスタイルだ。


単純だが、それが怖い。


その状態になったらアーレスタロスの負けである。


アーレスタロスは、スサノオの攻撃をギリギリで回避しながら、隙を見ては打撃技を試みる。


その動きは、まるで猛牛を相手取るマタドールのようであった。


しかし、スサノオの防御は堅く、アーレスタロスの攻撃はなかなか決定的なダメージを与えることができない。


筋肉量、ウェイト、そしてフィジカル性能だけに頼らない的確なブロック技術


あまりに硬いので殴っているこっちがダメージを受けているかのようだ。


まるで鋼の壁を相手にしてるようでゲンナリする。


逆に、スサノオの執拗な相撲の組みつき攻撃は、アーレスタロスの防御を徐々に崩し始めていた。


組みつきにだけ気を取られていたら剛腕張り手が飛んでくるのだ。


気を少しも緩める事が出来ない。


スサノオミカドの圧倒的なプレッシャーにアーレスタロスが徐々に追い詰められていく。


しかし、その瞳には、まだ諦めの色は見えなかった。


「まだ…終わっちゃいねえ…!」


アーレスタロスは叫び、スサノオに必殺技を仕掛けた。


その闘争心は、もはや狂気とも言えるものであった。


「必殺男の鉄拳ドリルパーーンチ!!」


アーレスタロスの渾身の一撃が、スサノオの肉体を捉える。


「60%!!」


しかし、スサノオは一声吠え、自身の筋肉をさらに増強させ、その必殺パンチを真正面から受け止め、逆に鉄拳ドリルパンチを遥かに超える単純な筋肉パワーで吹き飛ばした。


「ぐおおおお!!」


爆発の余波を喰らい、アーレスタロスは、地面に叩きつけられ、意識を失いかけた。


その時、アーレスタロスの奥底から、信じられないほどの闘気が爆発した。


それは、スサノオでさえも僅かに後退するほどの、凄まじいエネルギーであった。


この男は、追い詰めれば、追い詰めるほど、凄まじい底力を発揮するタイプなのだ!


アーレスタロスは、血反吐を吐きながらも、再び立ち上がった。


その瞳は、もはや狂戦士バーサーカーとも言える輝きを放っていた。


スサノオは、アーレスタロスの底力に興味を抱き、さらなる筋力を引き出す。


「……70%」


スサノオの肉体がさらに膨れ上がる。


もはや異形言って差し支えない筋肉の怪物だ


アーレスタロスがごくりと唾を飲み込んだ次の瞬間だった。


八卦宵はっけよい!」


突然目の前に現れた巨体の男がいつの間にか目の前まで迫っていた。


(パワーだけじゃなく、スピードまでパワーアップかよ!!)


漢児は慌てて後方に飛び退いて距離を取ろうとしたが間に合わず、そのまま右足を捕まれてしまった。


(これはまずい!マウントポジションを取られる!)


このままではまずいと思ったその時だった。


「その死合い待った!」


聞き覚えのある声が響き渡ると同時に後ろから何者かにスサノオとの距離を引き剥がされた。


まるで格闘技の試合を止めるレフリーのように


振り向くとそこには見覚えのある金髪の男が立っていた。


「レッド!お前も来ていたのか!?」


その漢こそは漢児の因縁深き好敵手、紅烈人レッドであった。


紅烈人は、ロキの依頼でここチェイテ城に、フレアやクレオラと共に銀の鍵の奪還に来てたのだ。


「ふん、狗鬼漢児…いやアーレスタロス! まさかお前もここに来ていたとはな……お前も銀の鍵が目的か?」


紅烈人と狗鬼漢児、いや、アーレスタロスとロート・ジークフリードの二人は、かつて幾度となくぶつかり合い、激闘を繰り広げてきたライバル同士でもある。


時には殺し合い寸前にまで発展すれば、共通の敵を相手に共に戦うことも珍しくなかった。


彼らの戦いは毎回熾烈を極め、彼らの因縁は今でも続いている。


もちろん今回はあくまで偶然出会っただけでお互いに争うつもりは無いのだが、お互いに会うたびに少々喧嘩腰になってしまう癖があるようだ。


それが二人の個性なのかもしれないが、あまり良いとは言えない癖である。


それでも今回だけはお互いやり合おうとはしないようだ。


いやむしろできないのかもしれない それほどまでに二人とも目の前の強敵に集中していたからだ。


「ふふふ、蒼の勇者に紅の勇者、ふたりがかりで俺に挑むかね?構わないよ。これは実戦だ。卑怯とか言ったりしないよ。」


スサノオ・ミカドはアーレスタロスとレッドの2人に対し、余裕の表情だ。


「ちぇ、ここがリングの上か試合会場だったら、とことん一対一の戦いにこだわってタイマンを敢行するんだけどな。絵里洲達が心配だ。正直早く片付けて、あいつらの加勢に行きたい。レッド、お前の都合は?」


「ふん、まあいいだろう。俺もフレアたちが気にかかる。それに11人委員会側の兵士は、俺たちの敵側だからな」


漢児は拳を鳴らし、迎撃態勢を取る。


一方、スサノオも全身の筋肉を震わせながら構えを取った。


スサノオにとって、この二人との戦いは非常に興味深いものだった。


なぜなら彼は戦いが好きなのだから。


しかしそれ以上にこの男たちの強さが興味深い。


だからこそ楽しみなのだ。


この二人を同時に相手にするのは容易なことでは無い。


だがそれでいい。


その方が燃えるというものだ。


さあ、来い。


お前たちの強さを見せてみろ。


レッドがロート・ジークフリードに変身し、アーレスタロスと共に構えをとる。


「80%」


スサノオがまたも筋肉量を底上げする。


その姿を見て、さすがの2人も驚愕する。


この男、まだ本気を出していないというのか!? そう思わせるだけの迫力があった。


対するこちらはすでに全開状態なのに、それでもなお追いつかないレベルの差を見せつけられた気分だ。


「ならば行くぞ!」


2人とも一気に間合いを詰め、左右に分かれて挟撃を狙う。


まずはロート・ジークフリードが飛びかかり、蹴りを放つ。


「おらぁ!」


しかしその攻撃をあっさりと受け止められてしまい、お返しとばかりに右ストレートを叩き込まれる。


まともに喰らってしまったロート・ジークフリードはそのまま吹き飛ばされてしまう。


すかさず今度はアーレスタロスが攻撃を仕掛ける。


しかしそれも軽々と受けきられてしまい、逆に強烈なカウンターパンチを叩き込まれてしまう。


「ぐっ!」


その一撃で完全にバランスを崩してしまい、その場に膝をついてしまう。


そこへさらに追撃をかけるように、握り拳による、鉄槌打ち落としを叩き込まれた。


ゴシャアッ!!


「ガハッ……」


口から大量の血を吐き出しながら倒れ込む。


若手屈指のHERO二人が子供扱いされていた。



一方、少し離れたところで、その様子を見ていた2人の少女が焦り始める。


(おいおいマジかよ!?あの二人があんなに一方的にやられるだなんて……!)


フレアは驚いた表情でスサノオと闘う二人を見る。


(フレア、飛び出しちゃだめよ。今私たちが助太刀に行ってもあの二人の邪魔になるだけだから)


アクアがフレアを制止している。


フレアもアクアも今魔力の全身への張り巡りが足りない。


魔力、体全体に張り巡らせ、自分の肉体をコントロールできる状態になれば、漢児達と勇魔共鳴を果たす事ができる。


勇魔共鳴、それは同属性同士の勇者と魔法少女による共鳴変身


その変身を果たせば短時間ではあるわ。飛躍的なパワーアップを果たすことができる。


ただし、力を使いすぎると動けなくなると言うデメリットもあるため、使いどころが難しい。



「ふっ……素晴らしいぞお前達。面白い……本当に楽しませてくれる!」


そう言ってスサノオは笑みを浮かべている。


その顔はとても満足そうだった。


「さて、どうする?まだ挑むか? それとも撤退するか?どちらにせよ止めはしないがな。まあどうせお前らみたいなタイプのことだ。挑発されて、やすやすと引き下がるようなタマじゃないだろうがね」


そう言うとスサノオはさらに力を込め始めた。


「90%」


すると先ほどよりも明らかに威圧感が増していた。


まるで山のような巨大な岩を前にしているかのようだった。


「ぬおおおおおおっ!!」


雄叫びを上げながらスサノオは再び突撃してくる。


もはや人の形をした大怪獣と思えるほどの迫力だった。


八卦宵はっけよい!」


このままではまずいと思った二人はすぐに飛び退くが、その瞬間先程まで立っていた場所から先には大きな穴が開いていた。


ぶちかましタックルの衝撃波だけで、巨大トンネルが出来上がってしまったのだ。


もしあのまま避けなかったらと思うとゾッとする。


「くそ、やはり一筋縄ではいかない相手だな」


「まさかここまで差があるなんて思わなかった」


物陰で様子を伺っていたアクアとフレアだったが、待機するのは、もう限界だった。


「兄貴達は二人ともジリ貧だ。やっぱり短期決戦しかない。勇魔共鳴を!」


「わかってるわよそんなこと!言われなくても!!」


「よし、行くぞ!!」


そう言って走り出す二人。


フレアとアクアが飛び出そうとした瞬間だった。


アーレスタロスとロート・ジークフリードの通信機に緊急連絡が入ってきた。


アーレスタロスの方は、どうやらアキンドと絵里洲が敵の増援に襲われたらしく苦戦を強いられているそうだ。


『ぎゃー!アホ兄助けて〜!吸血鬼が!吸血鬼の兵隊たちが〜!血を吸われるのは嫌〜!』


『嫌じゃー!エロいサキャバスのHなパーティーに紛れ込めると聞いて助太刀に来ただけなんじゃ〜!殺されるのは嫌じゃ〜!』


この情けない悲鳴は、間違いなくアキンドと絵里洲である。


レッドの方にも複数の仲間からの通信が入った。


こっちはロキ、クレオラからだ。


『レッドさん、クィンクィーンが動きを見せました!至急合流してください!』


『レッド、12の銀の鍵の様子がどうもおかしい。これは、ちょっと只事じゃない事態が起きてるかもしれない。込み入ってるところ悪いが、こっちに来てくれ!』


そして、あろうことか通信は、スサノオの方にも入って来ていた。


ナルチーゾからだ。


『スサノオさん!大至急加勢に来て下さい!ドアダの軍隊が銀の鍵を狙い攻めてきた!このままじゃ奴らに奪われちまう!』


その通信内容を聞いて全員が驚くと同時に戦闘行為を一旦取りやめることに納得するしかなかった。


「あぁ…せっかく戦いが盛り上がってきたのに…残念だね。今日はここでお開きだよ…」


スサノオの動きがピタリと止まった。


「おい、なんだあれは……?」


アーレスタロスの視線の先を追うように目線を向けるとそこには何やら不思議な物体がいた。


見た目はまるでUFOのような、イヤ亀の様な形をしているが色は全体的に青く海賊船のような雰囲気を漂わせていた。


大きさもかなり大きく少なくとも50mはありそうだ。


しかもよく見ると船なのに手足のようなパーツが生えているではないか。


一体何なのかと思っているうちに船の中から一人の巨体の男が現れ、チェイテ城の中へと入って行った。


その人影は見覚えのある男だった。



「おいおい、今の阿烈のとっつぁんじゃないか!?」


「なに?あの灰燼の覇王乂阿烈だと!?」


レッドも驚く。


そしてスサノオミカド


「馬鹿な……あの男は楚項烈……! 忘れもしないこの気配、この圧力、"鉄仮面"楚項烈よ!破壊神ウィーデル・ソウルの盟友たる貴様もこの時代にいるのか!100年前ラグナロクの苛烈な戦場を駆け巡ったお前がこの時代の戦場に現れるとは!ふ、ふは!ふはははは!はーっはっはっは!!!」



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