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乂阿戦記~勇者✖︎魔法少女✖︎スパロボの熱血伝奇バトル~  変身ヒーローの勇者様と歌って戦う魔法少女は○○○○○○○○○○○○   作者: Goldj


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乂阿戦記5 第六章  剛弓覇龍の娘 葵遍と葵寧々子-17 闘りてぇ・・・

作者のGoldjごーるどじぇいです!

この物語は、勇者✖魔法少女✖スーパーロボット✖邪神✖学園✖ヒーロー✖ギャグ✖バトル…

とにかく全部乗せの異世界ファンタジー!

「あれ?これ熱くない?」「このキャラ好きかも?」「展開読めない!」

となってくれたら最高です。


良ければブックマークして、追っかけてくださいね

(o_ _)o

挿絵(By みてみん)



神羅達を追いかける狗鬼漢児


しかしすぐに足を止めた。


何故ならそこに『扉』があったからだ。


「何だこれ?これが神羅が言っていた扉を開けるための仕掛けか?」


試しに扉に触れてみるといきなり扉が開いた。


中を見るとそこには階段が続いていた。


どうやら地下へ続いているらしい。


漢児は躊躇することなくその中に入っていった。


しばらくすると明かりが見えた。


漢児は慎重に歩みを進めていった。


そこは倉庫のような部屋だった。


様々な武器や防具などが保管されている。


漢児は思わず呟くように言った。


「……すげぇな、こんなの見た事もないぞ」


辺りを見渡すと隅の方に宝箱のようなものを見つけた。


早速開けてみることにする。


中には小さな宝石のようなものが入っていた。


触ってみるとひんやりしていてツルツルとしている。


まるで氷みたいだと思った。


よく見るとキラキラ光っているように見える。


その時ふと思い出したことがあった。


以前神羅から聞いた話しだ。


何でもこの世界には他に12つの宇宙が存在していてそれぞれ別の文明を築いているらしい。


そしてその世界で暮らす者たちは皆、何らかの形で魔法と呼ばれる力を使えるそうだ。


中には魔法の石を持つことで、魔法を使えない者でも、魔法が使えるようになることがあるらしい。


だとしたら自分も魔法が使えるかもしれないと思い試してみることにした。


その石は手のひらの上でキラキラと輝く光球となった。


すると頭の中にイメージが流れ込んできた。


どうやら成功したらしい。


どうもこれは誰かの記憶らしい。


自分はその誰かの記憶を魔法石から頭の中に流れ込まれている状態なのだと。 そしてこの記憶が何なのか理解した。


これは15年前に起きた、この城の真の城主、クィンクィーンに起きた出来事なのだということを。


最初は驚いたが今は不思議と冷静になっていた。


むしろ納得している自分がいることに気づいた。


「……そうか……そういうことだったのか……」


「君が見ているそれは、この城の姫様のプライベートな情報でもある。覗き見するのは、そこまでにしておくのがマナーと思うがねぇ?狗鬼漢児君」


突然後ろから声をかけられた。


驚いて振り返るとそこには見たこともない男が立っていた。


その男の顔を見た瞬間、背筋が凍りついた気がした。


見た目年齢は40歳前後だろうか。


長身痩躯で痩せぎすだが貧相ではない。


いや、細く見えるだけで、筋肉がしっかりとしている。


身長が3メーター近くある。


髪は黒髪で短く角刈りだ。


服装は緑色のコートを着用しており黒いサングラスをかけている


顔の彫りが深く整った顔立ちをしており、サングラスから覗く眼光は鋭く尖っていた。


鼻筋は通っていて唇は小さく薄い。


肌の色は黄色系で瞳の色は深い黒色だ。男は笑みを浮かべて言った。


「初めまして。俺の名前はスサノオミカド。キミが例のケイオステュポーン事変で巨竜王と果敢に戦っていた蒼の勇者だね?エトナ火山の戦場で見かけたとき気になっていたんだよ」


その声を聞いてハッと我に返った。


慌てて返事をする。


「アンタ……一体誰だ?」


怖い物知らずの漢児がプレッシャーを感じていた。


この圧の濃度は只事ではない。


そう、乂阿烈や黒天ジャムガに匹敵する主神級のプレッシャーだ。


つまりこの男は自分より遥か格上の存在だということだ。


それを本能的に察したのか漢児の身体はサブイボが立っていた。


それでもなお目の前の相手に怯んでいると思われないよう必死に虚勢を張る。


そして相手の様子を伺うような視線を向けた。


「ふむ……なるほど確かに……なかなか良い面構えをしているじゃないか……気に入ったよ。」


と言ってスサノオがニヤリと笑った。


その表情を見た漢児はさらに警戒を強めた。


(こいつの目的は一体なんなんだ?!)


漢児の問いに男はこう答えた。


「実は自分は今、11人委員会に雇われてる身でねぇ、彼らからこの城に集結しつつある12本の銀の鍵を揃え、時空大剣を復活させるように依頼を受けている」


それを聞いて一瞬戸惑ったが、すぐに冷静になった。


この男は危険だと判断して警戒を続けている。


だが同時にこの男の話に興味を抱いたのも事実だった。


「その話……詳しく聞かせてくれないか?」


「もちろんだとも。ただその前に一つだけ言っておくことがある」


そう言うと、男は少し間を置いてこう言った。


「……君が望む望まないに関係なくここから先へ進むのであれば必然的に12本の鍵を集めることになるだろう。あの鍵は因果律の通り道だ。12の封獣使いと12の改獣使いは望むと望むまいと、鍵を巡る闘いに必ず巻き込まれる事になる。あれはそういう災禍なんだ」


それを聞いた瞬間漢児は覚悟を決めた。


「上等だ!望むところだぜ!!」


漢児の言葉を聞いて男は満足げに微笑んだ。


スサノオの返答を聞いて漢児は少し安心した表情を浮かべた。


そして続けてこう尋ねた。


「ところで……その……なんでアンタは俺の名前を知っているんだ?」


「ああ、簡単なことだよ」


そう言ってスサノオは一枚のカードを取り出した。


そのカードの表面には漢児の顔写真と情報が記載されている。


「漢児君、君は自分が思ってる以上に世間から注目されている人間だと自覚したほうがいいよ。クトゥルフ戦争やケイオステュポーン事変、青髭魔王の乱でも大活躍した超新星のヒーロー、加えてオリンポスやドアダの王族の血を引く王子ときている。……いや、単純に君のその強さに各勢力の戦闘狂の猛者たちが注目しているんだ。かく言うオレも君が気になって仕方がないんだよねぇ」


そう言って巨漢の男はどう猛な肉食獣の如き笑みを浮かべた。


それを見た漢児は思わず身構えたがすぐに気を取り直した。


なぜならこの城に入ってから何度か出会った異形たちと比べて目の前の男はどこか親しみやすい雰囲気があったからだ。


その証拠にこの男からは悪意といったものが感じられない。


それどころか逆に友好的な態度を示しているように思える。


しかし油断はできない。


何故なら目の前にいる男の実力は未知数だからだ。


ここは慎重に行動しなければならないと考えていた。


漢児は深呼吸をしてから改めて口を開いた。


「……それで……アンタの目的っていうのはなんなんだ?」


「まあ簡単に言うとだね……」


そう言いながらスサノオはゆっくりと近づいてきた。


一歩ずつ近づいてくる毎に威圧感が増していくようだった。


正直言って逃げ出したくなるくらい恐ろしかった。


だが、なぜだろう。


この高鳴る鼓動は好敵手レッドと初めて拳を交えた時と同じだった。


漢児は無謀にも、この圧倒的な巨漢に対して牙を剥きたがっていた。


あぁ俺って実は変態なのかな?


乂阿烈と会ったときも、黒天ジャムガと会ったときも、大叔父貴ナイトホテップと会ったときも、速射爆拳鮫島鉄心と会ったときも、剣の風神織音主水とあったときも、六芒星の殺し屋プレラーティやアルカームにあったときも、自分の中の獣がまるで獲物を前にした空腹の猛獣のように涎を垂らして顎をあけてしまうのだ。


そんな感覚に襲われていたのだ。


目の前にいる巨漢はそんな漢児の心を見透かしたように嗤っていた。


漢児は思った。


コイツは強い。


それも今まで会った中でもトップクラスの強者だ。


下手をすれば乂阿烈やケイオステュポーン以上かもしれない。


そんなヤバい男が歯を剥き出しにして嗤う。


「さっきの君の闘いぶりを見てそそられちまったのさあ。あの妖魔将軍リハリアを相手にあの立ち回り…つまみ喰いしたくなっちまったあ…」


そのセリフを聞いて、いろいろ振り切れてしまう。


ああダメだ。


我慢できない。


体の震えが止まらない。


漢児は思わずゴクリと生唾を飲み込んだ。


スサノオが一歩近づくたび、床石が沈むように鳴った。

そのたびに、漢児の肺は圧迫され、呼吸が浅くなる。

心臓の鼓動が耳の奥で爆音のように響き、血流が喉を叩いた。


サングラスの奥から放たれる眼光は、獲物を値踏みする猛禽のそれ。

漢児の全身を一瞥しただけで、体重、筋肉量、これまでの戦歴すら見透かされた気がした。


――逃げろ。

理性がそう叫ぶ。


だが同時に、体内の獣が牙を剥いて吠える。

もっと近づけ、と。

喰らい合え、と。

あの男の筋肉と骨を、拳で確かめろと。


背筋が泡立ち、皮膚がざわめく。

顎が勝手に開き、涎がにじむ。

鎖に繋がれていた獣が、今まさに引きちぎられようとしていた。


――ダメだ。

――抑えろ。

――いや、無理だ。


理性と衝動が胸の奥でせめぎ合う。

次の瞬間、漢児は唇を濡らし、喉を鳴らしながら呟いた。


「……闘りてぇ」







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