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乂阿戦記~勇者✖︎魔法少女✖︎スパロボの熱血伝奇バトル~  変身ヒーローの勇者様と歌って戦う魔法少女は○○○○○○○○○○○○   作者: Goldj


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乂阿戦記1 第六章- 灰燼の覇者阿烈とケルビムべロスの虎-6 Wデート❤︎


(^^) ブックマークをお願いいたします!

読みやすくなりますよ❤︎


朝 獅鳳が目を覚ますと漢児に武術の朝練に誘われた。

なんと雷音、オーム、エドナも一緒だと言う。

なんでも雷音達は現在山で遭難したところをドアダ軍に保護されたという建前らしく、ある程度自由が保障されたそうだ。

ユキル、鵺、白水晶、雷華も同じく修練場にやってきた。

武術には興味ないが絵里洲、ミリルも見学に来ている。

武術指導はドアダ最強のスパルタクスが直々に指導してくれるそうだ。

どうも彼は子供の面倒を見るのが大好きらしく訓練場に集まった一同を見て嬉しそうに指導をはじめた。

皆はそれぞれ得意な武器を持って模擬戦を行うことになった。

最初は漢児対スパルタクスだった。

二人は互いに練習用の剣を持ち構える。

「それでは始メ!」

審判役のイブの合図とともに二人が打ち合いを始める。

激しい打撃音が鳴り響く中、漢児の剣撃を受け流し隙を見せた漢児に向かって剣を突き付けるスパルタクスだったが、その瞬間彼の剣が宙を舞った。

見るといつの間にか背後に回った漢児がスパルタクスの首筋に剣を突きつけようとしていた。

が、今度はスパルタクスの姿が漢児の前から消え、下から背負いで彼を投げ飛ばしトンッ!と軽く手刀で胸を叩いた。

その熟練の動きに漢児は素直に感動した。

「いや~おっさん強いな!!」

「いやいや、こちらこそおみそれしました!まさかこの短期間で瞬歩をあそこまでマスターするとは!」

その後しばらく様々な組み合わせで戦いが続いた後、獅鳳と雷華の試合が始まった。

二人共練習剣を構え向い合う。

だがどうも雷華の様子がおかしかった。

心なしか顔が赤く何か落ち着きないように見える。

気のせいか女性陣がこちらを見てニヤニヤしてる気がする。

(あれ?何か俺雷華ちゃんを怒らせるようなことをしたっけ?)


そんな疑念が浮かんだ刹那――雷華が動いた。

練習剣を構えたまま、彼女は獅鳳へと一直線に突進。

「えっ、ちょ――うわああっ!?」

獅鳳は防御の構えを取る間もなく、背中から地面に叩きつけられた。

仰向けになった視界に映るのは、頬を紅潮させ、荒い息を吐きながら馬乗りになる雷華の姿。

それはまるで――戦場に咲いた恋の突撃娘だった。

(……わ、わたし……なんで、こんなことに……)

地面に倒れた獅鳳の胸に手を置き、雷華は一瞬だけ、自分の心音に戸惑っていた。

(……こんなこと、初めて……)


挿絵(By みてみん)


きゃーー♡となぜか女性陣から黄色い歓声が上がる。

「いてて……」

「あ、あの……わ、わ、わ、わざとじゃないから〜!!……」

そう言うと彼女は飛び退き慌てて走り去ってしまった。

獅鳳はその後ろ姿を見ながら首を傾げるのだった。

妹の様子を見ていた雷音は実に複雑な表情をしていた。


「おーい雷音〜?雷華ちゃんに春が来たみたいやで〜?」

「……いや、妹に春が来るのは別にいい。だが、なぜ“俺にそっくりな男”に……それだけが受け入れ難い……」

「雷華も男を知ったか〜…」

「やめてくれ神羅姉、そのワードはリアルに地雷なんだって……マジ止めて!」


「いや〜ん雷華ちゃんを落とすなんて獅鳳も隅に置けないわ〜、獅鳳の姉貴分として私が一肌脱ぎましょう!」

「やめて絵里洲、余計なことしないで…」

雷音は抗議を言うがもちろん絵里洲は聞いてない。

「雷華の親友としてこの恋を成就させるべく作戦を練るのだ!みんな協力してほしいのだ!」

ミリルの号令に女性陣が円陣を組む。

「……ねえ、勝手にみんなで盛り上がらないでくれる?……」

一人取り残されていた雷音が呟く。

漢児とオームが二人して彼の肩を叩いた。

「ああ、コレは授業になりませんね。今日の授業はここまでにしましょう……」

スパルタクスは少し残念そうにため息をついた。


翌日、朝一番から獅鳳の元にミリルがやってきた。

ミリルは昨日とは打って変わって真剣な面持ちである。

そして彼女から思いもしない言葉が発せられた。

「獅鳳!雷華とデートしてやるのだ!!」

突然の告白だった。

「?え?いきなりどうしたの?え?」

「さあ獅鳳!まずはお互いを知るためにデートしましょう」

今度は横から絵里洲がしゃしゃり出て来て強引に獅鳳の腕を取り歩き出す。

「ちょ、ちょっと待ったー!?」

思わず叫ぶ獅鳳だったが周りの黒服戦闘員達も何事だと集まってくる。

そこにさらに騒ぎを聞きつけた雷音と神羅が現れた。

「おい、一体どうしたんだよこれ」

「あら、これは何の騒ぎかしら?」

二人は状況がよく分からず困惑していたがとりあえずその場を収めた方がよさそうだと判断したようだ。

「ユッキー、雷音実はかくかくしかじかなの!雷華ちゃんのデート協力してあげて!!」

「よしわかった!!!」

「っ!!!?」

神羅は即答し、雷音は硬直する。

かくして、雷音と獅鳳によるダブルデートが行われることになったのである。


(この俺雷音は今非常に混乱している。何故かって?それは目の前の光景が原因だ。俺の隣には俺の婚約者がいて、その向こうには妹がいる。なんかめっちゃオシャレしている!しかもその後ろには義理の姉までいる始末である。ってアア〜ッ!オームの野郎ちゃっかり神羅とペア組んでやがる!あ〜手を握りやがった!ああ!?あいつこっち見てニヤッと笑ったぞ!!あんの野郎あとで絶対白黒つけちゃる!!)

「ほら、早く行くのだ!」

そう言ってミリルが雷音の腕を引っ張ってくる。

「こらっ、そんなに引っ張ったら転んじゃうだろ」

ミリルに引っ張られながら俺はミリルに説教する。

挿絵(By みてみん)

そんな俺達を見て姉の神羅が微笑んでいた。

現在俺達は遊園地にいる。

信じがたいことに神羅から相談を受けたイブが基地内に遊園地を一晩で作ったそうだ。

え?遊園地を一晩で?それも基地内に?いやまあ、おかげでこうしてみんなで遊べてるんだけどさ……

ちなみに客のほとんどは黒服の戦闘員達だ。

「ぬはははは!楽しいのである!」

「オヤビン!次あれ乗りましょう!」

あ、なんかボマーとカメッスが遊んでる……あいつ7将軍じゃなかったっけ?

ありえねー、どうなってんだこの悪の組織?

そんな中俺とミリルと雷華と獅鳳はお化け屋敷に入ることになった。

……あ〜俺ら冒険でゾンビとかモンスターだとか普通に退治してきてるんだが?

「私こういうの苦手なのだ……」

ミリルが不安そうな顔をする。

嘘つけ!お前ゴーストとかスケルトンとか普通に召喚するだろ!

そんなミリルに雷華が言った。

「大丈夫、私がついてる」

「違うのだ雷華!そこは私みたいに怖がるフリをして獅鳳の腕に抱きつくところなのだ!!」

「うええ!?」

そして俺達は恐怖の館に足を踏み入れたのだった…………………………あれれーおっかしいなー?? なんでこんな楽しいんだろう??? 俺達はなぜか楽しんでいた。

だってめっちゃ楽しいんだもん!! もうこれ普通のアトラクションじゃん!! でもそんな時こそ事件は起こるものだ…………

「キャーーーッ!!!」

突如響く悲鳴。

そこには血塗れの斧を持った大男が佇んでいた。

男は虚ろな目でこちらを見つめている。

『ヌハハ……』

その男がゆっくりとこちらに近づいてくる。

やばいぞこいつ本物だ!!本物の殺人鬼だ!!! そのあまりの恐ろしさに足がすくむ。

しかし、次の瞬間その大男に向かって何かが突っ込んでいった。

なんとその人影は雷華だった。

雷華はそのまま大男に組み付くとそのまま彼を押し倒した。

「おのれキャプテンダイナマイトボマー!!この前は、よくも私を裸にひん剥いて白いネバネバしたものをかけてくれたな!?もう前みたいな失態を犯さないぞ!!」

「ひいい!誤解である〜!この前のお詫びにデートを盛り上げようと協力しているのである〜!!」

雷華はその勢いのままボマーを床に押さえつけると馬乗りになり何度も殴り付ける。

雷華の顔はまさに般若のようだった。

彼女は何度も何度も殴りつける。

やがてようやく我に返ったのか、雷華の動きが止まった。

「ご、ごめん獅鳳、私つい……」

雷華はそう言って慌てて立ち上がった。

どうやら雷華は正気に戻ったようだ。

それにしてもなんて力なんだ……

ボマー安らかに眠れ、お前は面白いやつだった……

(合掌)

「さあ、さっさと出るわよみんな」

ちゃっかり俺たちに合流した神羅がそう言って出口に向かう。

俺たちはそんな彼女に続いて外に出た。

すると突然、背後から誰かに抱きつかれた。

振り返るとそれはミリルだった。

ミリルは俺の頬に手を触れるといきなりキスをしてきた。

俺は突然の事に驚きながらもそれを受け入れた。

しばらくした後ミリルは唇を離し俺に微笑みかけてきた。

「どうかな私のキスの味は?」

「……あ、相変わらずませてるなお前は」

俺がそう答えるとミリルは再び微笑み俺の耳元で囁いた。

「今度はもっとすごいことしてあげるのだ!覚悟してなさい♡」

そう言うとミリルは行ってしまった。

俺もその後を追い掛けようとしたその時、何者かに手を捕まれた。

その手の主は雷華だった。

雷華は俺の手を掴むと真剣な眼差しで言った。


「おい、馬鹿兄貴」

不意に手を掴まれた。見上げた雷華の表情は、どこか大人びて見えた。

「今ので、ミーちゃん……多分、いっぱいだった」

雷華は一瞬、遠くを見るように目を伏せた。

「だから……少しだけ間、空けてやれ。あいつ、ああ見えて、繊細なんだぞ」


「お、おう」

正直、俺も何か気持ちがいっぱいいっぱいだった。

だから今日はちょっと休んで頭を整理しようと思った。

こうして俺達の夜は更けていった……


翌朝、目が覚めると隣には何故かミリルがいた。

えっ何これどういうこと? なんでこいつがここにいるの? いや待て落ち着け俺、これはきっと夢に違いない、もう一度寝よう。

そう思い再び目を閉じると頬をつねられた。

「痛い痛い痛い!」

俺が目を開けるとそこにはやはりミリルの顔があった。

「おはようなのだ雷音♡朝ごはん出来てるよ♡」

そして俺は悟った。

ああ、やっぱり現実なのか……

仕方なく起き上がるとミリルに手を引かれリビングに向かった。

食卓に着くと既に全員集まっていた。

「遅かったわね、まあどうせ昨日のことで色々考えてたんでしょうけど」

神羅にそう言われ図星だったので何も言い返せなかった。

って言うか神羅もあのキスの現場見てたの!?

ふと周りを見渡すと、何やら妙な視線を感じたのでそちらを見ると、みんながニヤニヤしながらこちらを見ていた。

なんか無性に腹が立ったので全員にデコピンしてやった。

「痛った~この野郎~」とか言いながら額を擦る阿保どもを無視して朝食を食べ始めることにした。

ちなみに今日のメニューはパンと目玉焼きとベーコンと言う普通の洋食だったが、これが意外と美味しかった。

食事が終わった後、後片付けをしながらイブさんが俺たちに声をかけてきた。

って言うか彼女もドアダ7将軍だよな?

なんで将軍がメイドの仕事をやってるの?

そのことを彼女に尋ねてみたら

「私は戦闘アンドロイドでは無くメイドロボに生まれたかったのデス。ガープ様にスカウトされた時、私はメイドの仕事をさせてもらうのを条件に7将軍になりまシタ。皆さんの世話をするのは楽しいデス♪」と言っていた。

彼女は本当に幸せそうだった。

それを見ているとなんだか心が暖かくなった気がした。

獅鳳がスパルタクス師匠の訓練を終え、一息ついたその頃――


「……獅鳳様、少々お時間をいただけますカ?」


部屋のチャイムが鳴り、訪ねてきたのは、戦闘アンドロイドにしてドアダ七将軍の一人――イブだった。


彼女は無表情ながら、どこか思いつめた面持ちで、静かに告げる。


「お渡ししたいものがありまシテ……どうか、こちらへ」


誘われるままに基地の奥、静まり返った廊下を進むと――そこに待っていたのは、無機質な鉄の扉と、淡い光に照らされたイブの私室だった。


扉が開き、空調音だけが響く中で、イブは静かに頭を下げ、机の上に小さな木箱をそっと置いた。


「これは……?」


訝しげに問いかける獅鳳に、イブは迷いなく蓋を開ける。


中にあったのは――一本の指輪。


時の流れを感じさせる銀の輪に、翠の宝石が埋め込まれたそれは、ただの装飾品ではなかった。


獅鳳の目が見開かれる。


「これは……母さんの……!」


幼い頃の記憶の奥底に、確かにあった。ぬくもりと、微笑みと共に、指先で触れたその感触――


「はい。これは、リュエル様――獅鳳様の母上が、最期に遺された形見でゴザイマス」


イブはそう言って、木箱ごと、指輪を獅鳳の前へ差し出す。


「当機は、かつてリュエル様の副官を務めておりマシタ。……あの方が亡くなる直前、『この子が“何か”を得たとき、この指輪を渡してほしい』と託されたのでス」


指輪の宝石が、微かに光を放つ。


それは、今の彼にこそ手渡されるべき“証”――


「今や獅鳳様は《翠の勇者》としての力を得られました。ならば、リュエル様の願いは、ここで果たされるべきデス」


震える指で、獅鳳はその指輪を受け取る。


掌に触れた瞬間、かすかな温もりが伝わるようだった。


「……母さん……」


イブが、ホログラムを起動する。浮かび上がった映像の中――若き日のリュエルが、赤子の獅鳳を腕に抱き、微笑んでいる。


その傍らには、若かりし日のイブの姿もあった。


「……これが……俺……?」


息を呑み、映像を見つめる獅鳳。その瞳には、懐かしくも新しい“母の面影”が確かに映っていた。


「リュエル様は、家事がとても苦手で……当機がよくお世話をしておりマシタ」


穏やかに語るイブの声は、どこか母の思い出を抱える姉のようでさえあった。


「……本当は、もっと早くお渡しすべきだったのかもしれまセン。でも……今だからこそ、意味があるとも思いマス」


その言葉に、獅鳳は静かに頷いた。


指輪を握るその手に、母のぬくもりが確かに宿っている気がした。


――だが。


その温もりの中に、もう一つの記憶がひそかにざわめいた。


あの日、遠くに見えた――母の傍らに立つ、漆黒の影。


忘れられない名前。


「……サタン・ドアーダ……」


呟いた瞬間、胸の奥に、波紋のようなざわめきが広がった。


そして――その翌朝。


獅鳳の部屋に、再びチャイムが鳴り響いた。


「……ナイトホテップ・サタン・ドアーダ様が、お見えになられマシタ」


無機質に告げるイブの言葉。


「……応接室にて、皆様にお会いになられるそうデス」

「ナイトホテップ・サタン・ドアーダ様――獅鳳“おぼっちゃま”の父君デス」

……ドクン。

心臓が、一度だけ跳ねた。

そして全てが、静止する。

時間さえも硬直したかのように――

https://www.facebook.com/reel/385143798015363/?s=fb_shorts_tab&stack_idx=0


↑イメージリール

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