乂阿戦記5 第四章 鏨夕は誘拐された友達を助けたい-8 ファルフィン団参上!
作者のGoldjごーるどじぇいです!
この物語は、勇者✖魔法少女✖スーパーロボット✖邪神✖学園✖ヒーロー✖ギャグ✖バトル…
とにかく全部乗せの異世界ファンタジー!
「あれ?これ熱くない?」「このキャラ好きかも?」「展開読めない!」
となってくれたら最高です。
良ければブックマークして、追っかけてくださいね (o_ _)o
これでひとまず一件落着といったところかと思われたその時、突然大きな地響きと共に大地が激しく揺れ始めたのだ! どうやらこの地震はかなり大規模なもののようだ。
慌てて周囲を見回す一同だったが、次の瞬間、彼らの目に信じられない光景が飛び込んでくることになる……。
「なんだこりゃ……?地面が盛り上がってきやがるぞ!?」
大地が唸り、地盤が盛り上がる。
ひと息で直径数百メートルのクレーターが穿たれ——
青い巨影が穴底から浮上した。金属質の鱗に水晶の稜、咆哮は海鳴り。
それは“竜”というより、竜型の戦艦だった。
そんな怪物の登場に誰もが言葉を失って立ち尽くしていると、不意に後方から声がかけられた。
仮面をかけた赤い服の男と仮面をかけた水色の服の女がいた。
水色の女の方が一声あげサンジェルマンに向かって声をかけた。
「ファルフィン団参上!!悪漢サンジェルマン、お前が誘拐した罪なき少女達は全て我らファルフィン団が救出したぞ!!銀河連邦捜査官の皆さん、私達が助けた少女達を貴方達に託すので彼女達を家に帰してあげてくれよな♪」
それを聞いた瞬間、鏨夕たちは思わず歓喜の声を上げたのだった。
するとそこに今度は別の人物が現れる。
彼はゆっくりと前に進み出るとその姿を現したのである。
黒い仮面をつけた剣士だった。
年齢は50以上くらいだろうか?
となりに黒い仮面をつけた黒髪の少女が控えてる。
そして彼に続いて他の仲間たちも次々に姿を表した。
彼らはいずれも強力そうな力を持った者たちばかりであった。
彼らを見て雷音は既視感にかられていた。
(うおっ、すげえ迫力だな……つーかあの黒い仮面の男女ペアってジャムガのおっちゃんと鵺ちゃんじゃね?……)
彼らが何者なのかを察した雷音は思わず身構えてしまった。
だがそれを察知したのか、黒仮面の女(おそらく今宵鵺)の方が声をかけてきた。
「待って下さい、私達は貴方に危害を加えるつもりはありません。どうか落ち着いてください」
それを聞いて雷音は少し警戒を緩めると問いかけた。
(ま、まあ、鵺ちゃんたちが俺たちをどうこうするわけないもんな…)
「あんたら一体何者だ?」
主水の質問に対して黒衣の男の方が答えた。
「我々は宇宙海賊ファルフィン団。そして俺の名は暗黒天馬、趣味で正義の味方ごっこしてる酔狂者だ。とりあえず調子こいてるムカつく悪者をボコボコにして、二度とこのあたりで悪さできないようシバキあげ回ってる」
そう言って二人は自己紹介をした。
「えーと、ようは自分達は世直しの義賊だと……?」
雷音が訝しげに尋ねると、すかさず隣に立っていた女性が補足説明を入れた。
「ま、まあ、そんなところかしら…」
そう言うと彼女は懐から名刺を取り出し手渡してきたので受け取ったのだが……そこには信じられないことが書かれていたのだ。
なんと彼らの身分証明証にはこう記されていた。
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暗黒天馬
黒の女神ルキユ
15年前の大戦で暗躍した伝説のアメンオサの名前と、ラグナロク神話の伝説に出てくる黒い女神の名前だった。
……正直、めっちゃ怪しかった。
とはいえ、こんな連中がわざわざこんなところに来たということは何か理由があるのだろうと思い、話を聞くことにしたのだった
「……なるほど、あなた方がオレ達の敵でない事はわかりました。ですがなぜこんなところに来られたのですか?」
雷音が問いかけると、暗黒天馬と名乗った男(多分絶対ジャムガのおっちゃん)はおもむろに一枚の写真を出してきた。
それは眠っている金髪の美しい女性の写真だった。
「実は数年前に俺たちのアジトの一つが襲われたんだ。目的はこの子を連れ去ることだったみたいでな。クィンクィーンという特別な力を持つ巫女なんだ……」
そこまで言うと暗黒天馬は一度言葉を切り、言いづらそうに言葉を続けた。
「彼女の誘拐にかかわった犯人の一人が妙なことを言っていた」
「妙なことですか?」そう聞き返すと暗黒天馬は頷き、こう続けた。
「ああ、なんでも『銀の鍵だけではダメだ。大戦時代に選別された12人の輪廻転生者達。その者たちも揃ってこそ三聖塔の門を開く。まずは時空大鍵を復活を急がねば』とかなんとか言ってたそうだ」
それを聞いた雷音は思わず絶句してしまった。
(おいおいマジかよ……?これって魔王クロウ・アシュタロスが言ってた預言と一致するじゃないか!!)
そんなことを考えていると不意に後ろから声をかけられたので振り返ってみるとそこにいたのは、紫色のローブを着た黒髪ワカメヘアーの少女だった。
年齢は10代前半くらいだろうか?少女はこちらをじっと見つめながら話しかけてきた。
「あなたの名前は何ですか?」
いきなり名前を聞かれたものだから戸惑ってしまったが、とりあえず素直に答えておくことにした。
「え?俺の名前は乂雷音、今代の赤の勇者乂雷音だ」
すると今度は逆に少女が名乗りを上げ質問をしてきたのである。
「私の名は紫屍、勇者を使命に導く巫女、今代の赤の勇者雷音。あなたは何のために戦うんですか?何の為に戦っているのでしょうか?答えて下さい」
そう言われたので正直に答えることにする事にした。
だって嘘をつく理由なんて無いしな。
だから俺はこう言ったんだ。
「俺の3ヶ月年上の姉貴を救う為だ。ちょっと前に黒い魔王からお前の姉は死ぬと預言された。それが気になってしょうがない。いま俺も周りで起きてる事件は少なからず預言と関わりがある事件みたいな気がするんだ。なんて言うか俺は頭は悪いが勘は鋭いんだ。この事件や戦いは関わらないと後々後悔する…そんな予感があるんだ!」
俺がそう言った瞬間、周りにいた奴らが一斉に笑い始めたんだぜ?
信じられるか?こっちは真剣に答えたっていうのにさ!ぷんすか!……まあいいけどさ、
なんかジャムガさんや鵺ちゃん達、そして俺の仲間達はすごい真剣な表情で俺の話を聞いてくれてたし。
そして紫屍ちゃんも感極まる表情で俺を見上げ関心してくれていた。
「素晴らしい答えです!やはり今代の勇者達は何かが違う!巡り回る因果律の流れに新たな風が吹こうとしている!」
そう言って感動している。
(……えーと、この子なにかの厨二病かな?ま、まあ俺も人の事言えないけど……)
それよりも今は気になることがあるんだよなー。
なんでジャムガさん達あんな怪盗みたいな格好をしてるのかってことなんだよなー。
もしかしてあれか?
そういう趣味なのか?
だとしたらちょっと引くわー。
つーか関わり合いになりたくないわー
マジで勘弁してほしいわあー。
そんな事を考えていると主水先生に突然話しかけられてしまったので慌てて返事を返した。
「おい、ガキンチョども…、とりあえずどうせすぐ保釈されるだろうが、サンジェルマンとアンドラス達は豚箱に放り込む。とりあえずオレ達は帰って戦いの傷を癒すとしようや……」
「ウッス、了解っス」
そんな会話をしながら俺達はその場を後にしたのであった。




