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乂阿戦記~勇者✖︎魔法少女✖︎スパロボの熱血伝奇バトル~  変身ヒーローの勇者様と歌って戦う魔法少女は○○○○○○○○○○○○   作者: Goldj


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乂阿戦記5 第二章 翠の勇者獅鳳は雷華と巨大ロボを召喚したい-5 勇魔共鳴のパワーアップ

作者のGoldjごーるどじぇいです!

この物語は、勇者✖魔法少女✖スーパーロボット✖邪神✖学園✖ヒーロー✖ギャグ✖バトル…

とにかく全部乗せの異世界ファンタジー!

「あれ?これ熱くない?」「このキャラ好きかも?」「展開読めない!」

となってくれたら最高です。


良ければブックマークして、追っかけてくださいね (o_ _)o


獅鳳は、父との対話を終えたばかりだった。


その背中に、少女の声がかかる。


「失礼します。少し、お時間をいただいてもよろしいですか?」


部屋の扉を開けて入ってきたのは、クラスメイトのルシルだった。

彼女の表情には、どこか決意の色が宿っている。


「まず、どうして今日突然訪ねてきたのか……それをお話しします」


彼女の語る内容は、獅鳳の予想を遥かに超えるものだった。



「獅鳳君が、ヴァルシア先生に引き出してもらった黒い力……あれは《神殺しの力》です」


「神殺し……?」


「ええ。かつてこの世界を滅ぼしかけた破壊神ウィーデル・ソウル。その力の残滓です。百年前のラグナロクを引き起こした、禁断の力──」


獅鳳は言葉を失った。


(あの黒い霧が……そんなものだったなんて……)


「しかも、この力の因子を宿しているのは……君と、雷音さんの二人だけ。偶然ではなく、選ばれたのだと思います」


ルシルの声は静かだったが、その奥には確かな熱があった。


「……でも、どうして僕にこんな話を?」


そう尋ねた獅鳳に、彼女は真っ直ぐに答えた。


「実は……貴方のお母様、リュエル様。そして雷音さんのお母様、ホエル様も、かつてこの力の制御法を学んでいたのです」


「なんだって……?」


「ただ、それは“制御できれば”の話です。もし暴走すれば、命をもって償うしかありません。だから、私は決めたんです」


ルシルは背筋を伸ばし、凛とした表情で宣言した。


「貴方たち二人を、私が鍛えます!」



「……僕たちを?」


「はい。私は翠のジュエルウィッチ──その記憶の中に、先代であるリュエル様の戦闘技術や精神制御の奥義が刻まれています」


「でも、それは本当に僕らのために?」


「もちろんです」


少し微笑んでから、彼女は言った。


「せっかく仲良くなったお友達ですもの。共に武の頂を目指して切磋琢磨しなければ、寂しいじゃないですか!」


「駆け上がりましょう! 果てしなく険しい……《武の最強坂》を!!」


挿絵(By みてみん)


その瞬間、獅鳳と雷音の中で何かが弾けた。


「「ぶ、武の最強坂!? うおおおおおッ!!!」」


そのド直球な中二ワードに、漢たちは感動のあまり涙を堪えきれなかった。


「「ありがとうルシル!!これからよろしく頼むッ!!」」


二人はルシルに手を差し出し、ルシルもまた、武人らしい気迫でそれを強く握り返した。



……そのやり取りを、物陰からギリギリと歯噛みしながら見つめる二人の少女がいた。


雷音の妹・雷華。そして、雷音の婚約者ミリルだった。


(な、なんで雷音はいつも女の子に囲まれてるのだ!? ずるいのだッ!!)

(し、獅鳳とは今日、私が一緒に修行するはずだったのに……!)


嫉妬に燃える二人のもとへ、ひとりの女性が優雅に歩み寄ってくる。


「あらあら、うふふ。お困りですか? お嬢さんたち。よろしければ、私がお教えしましょうか」


──雷音の母、ホエルである。



「え、ええと……強くなれるなら、別に……」


「本当!? あのルシルに置いていかれたくないし!」


雷華が即答し、ミリルもやや不安げにうなずく。


そのやり取りに気づいたルシルが、優しく声をかけた。


「雷華さん、ミリルさんもご一緒にいかがですか? リュエル様の奥義……ぜひ伝授したいです」


「うぅ、私は肉弾戦とか苦手なのだ……」

ミリルは怖気づいた様子でつぶやいた。


しかしホエルは優しく微笑み、そっと手を差し伸べる。


「大丈夫。さあ、一歩踏み出してごらんなさい」


「……よし、お願いしますなのだ……!」


ミリルは勇気を出してホエルの手を取った。


そして――修行は、始まった。



一時間後。


「うっぷ……ぐっ……もうムリ……」


雷音、獅鳳、雷華の三人は、全身傷だらけで地面に倒れ伏していた。


彼らの前には、汗ひとつかかないルシルと、ホエルの後ろに隠れて震えるミリルの姿があった。


「さ、次はミリルさんの番ですよ❤︎」


ルシルは満面の笑顔で、悪意ゼロの地獄を提示する。


それを見た雷音は背筋に寒気を覚えつつも──


(怯えるミリル……なんか、守ってあげたくなるな……)

心のどこかで、奇妙な感情が芽生えていた。


彼はそっと、ミリルに手を差し出す。


「……いこう、ミリル」


驚きながらも、ミリルは雷音の手を握り返した。


その瞬間、彼の体に熱が駆け巡る。


「うおおおおおおおおおおおッ!!」


全身が真紅のオーラに包まれ、雷音は覚醒し始めた。


ルシルが満足そうに言う。


「それが“超勇魔共鳴”……! リュエル様が、左丹様と共に発動した奇跡の力……!」


ミリルもまた、意識を集中し始める。


緑色の光が彼女の体を包み、成長が始まった。


手足が長くなり、胸がふくらみ、髪が伸びる。

姉・ミレニアそっくりの、気品ある美女の姿へと変貌していく。


「こ、これは……すごいのだ……!」



「ミリルさん、雷音さん! 今こそ放ってください、超勇魔共鳴の力をッ!」


ルシルの掛け声と同時に、二人の全身が光に包まれる。


その輝きが集まり、巨大な人型を形成していく──


──が、その直後。


「……あれ、足が……地面がない……?」


ふと足元を見ると、地面がなかった。


二人はそのまま浮き上がり──


「「うわああああああああああああッ!!!」」


空高く吹き飛ばされたあと、真っ逆さまに落下していった。


そのまま気を失った二人の意識は、闇へと飲み込まれていく……



──そして、気づいたときにはベッドの上だった。


残念ながら、超勇魔共鳴の発動は未遂に終わった。


だが、その一歩は確かに進んでいた。


これから先、彼らがどんな“最強坂”を登っていくのか──


誰にもまだ、わからない。


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