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乂阿戦記~勇者✖︎魔法少女✖︎スパロボの熱血伝奇バトル~  変身ヒーローの勇者様と歌って戦う魔法少女は○○○○○○○○○○○○   作者: Goldj


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乂阿戦記5 第一章 赤の勇者雷音はミリルと婚約解消したくない-5 雷音の女難

はじめまして!作者のGoldjごーるどじぇいです!

この物語は、

勇者✖魔法少女✖スーパーロボット✖邪神✖学園✖ヒーロー✖ギャグ✖バトル…

とにかく全部乗せの異世界ファンタジー!

「あれ?これ熱くない?」「このキャラ好きかも?」「展開読めない!」

となってくれたら最高です。


良ければブックマークして、追っかけてくださいね (o_ _)o

暫くしてから開かれた三校学園理事会にて、レスナス・ゼロゼギルトの進言により急遽行われた話し合いの結果は以下の通りとなった。

1.三校特別親善試合に参加する全ての学校代表チームの代表者および関係者は、試合当日までドアーダ魔法学園の合宿所に寝泊まりすること。

2.試合当日の会場移動はすべてチーム単位で行い、個人行動は厳禁とする。

3.万が一違反があった場合、当該チームを失格処分とする。


「……あーあ、安全のためとはいえ行動に制限がかかるのはつまらないね」


合宿場の一角で神羅がぼやいた。


「確かにそうだけどさ……仕方ないだろ? ここで問題起こされたら元も子もないんだからな……」


雷音はため息交じりに答える。内心、彼自身も全く同感だった。正直……面倒臭い。


いまこの合宿所には、俺たち以外にも各校の生徒たちが集まっている。有名どころの選手もいて、なかなか面白いメンツだ。


もちろん、我らが生徒会長・露木サウロンの姿も見かけた。


「ん?」


……ふと、誰かに見られているような気がして周囲を見回す。だが特に変わった様子はない。気のせいか……?


いや、やっぱり見られてる……!?


一体誰だ……? もう一度周囲に視線を巡らせるが、やはりそれらしき人物はいない。


そんな俺の様子を見て、隣に立っていた弟の阿乱が小声で訊いてきた。


「兄さん、どうかしたんですか……?」


「いや……なんか、さっきから誰かに見られてる気がしてな」


「……なるほど、そういう事ですか」


すると今度は、別の方向から声がした。


「それはきっと、ウチの鏨夕ちゃんよ」


声のした方へ振り向くと、いつの間にか一人の少女が立っていた。


年齢は俺と同じくらい。長い黒髪に知的な顔立ちの彼女は、名乗った。


挿絵(By みてみん)



「初めまして、あたしは束緑たばね・みどりといいます」


「ああ、どうもご丁寧に。俺は雷音です。それで……彼女はどうして俺のことを見ていたんですか?」


そう尋ねると、束緑さんはぱっと顔を赤らめて答えた。


「実は、あたしも鏨夕さんも、あなたのファンなんです! だから、つい目で追っちゃって……ごめんなさい!!」


「いえ、別に謝らなくてもいいですよ」


ぺこりと頭を下げる彼女に、慌てて返す。


「そうですか、ありがとうございます! ところで一つお聞きしたいことがあるんですが、いいですか?」


「はい、なんでしょう?」


「……あの、もしよければサインをいただけませんか!?」


「えっ? ……あ、はい。わかりました」


突然の申し出に一瞬戸惑ったが、快く了承し、自分の名前をさらさらと書いて手渡す。


「わぁ……! 本当にありがとうございます!! 大切にしますね!!」


彼女は心から嬉しそうに笑った。


(なんだか、可愛い娘だな……それに、胸も大きいみたいだし……)


などと考えていたその時だった。背後から、ジトーっとした視線を感じた。


どうやら相変わらず睨んで来ているのは、鏨夕さんのようだった。


「ちょっとアンタ、顔貸しなさい……」


鏨さんが指で「こっち来い」とクイックイッと呼ぶ。


……うん、あれはファンじゃねぇ。完全に他校の女ゴリラだ。


ウチの羅刹姉と神羅にそっくりだし、エドナ・リリス・セレスティア・フレア・アクア・ネロ・絵里洲も似たようなことしてくるから間違いない。


なんで俺の周りには、こんな凶暴かつ戦闘力が高い女ばかり集まるんだ……?


ああ神様仏様、どうか哀れな俺に救いの手を──


……なんて現実逃避してる場合じゃねぇ!!


このままじゃマジで殺される!!


そう思った瞬間、俺は回れ右して全力ダッシュ。


「あ! ちょ、ちょっと待ちなさいよ!!」


鏨さんがバリバリと雷を纏いながら追いかけてくる。


だが、ここで捕まったら確実に殺される。


そう思って走ったものの──結局、追いつかれた。


さすがアルテミス女学園のエース。身体能力が高すぎる。


畜生めぇぇえええ!!


──数分後。


俺はなぜか正座させられていた。ボコられずに済んだのが不幸中の幸いだが……


なんでだよ? なんでこうなった???


意味わかんねぇんだけどぉおおおお!!


「おいコラ、なんで逃げようとしたのよ! 昨日のこと謝ろうとしてたのに……」


「へ??」


変な声が出た。


いや、だってまさか謝ってくるとは思ってなかったし……。


「あ、あの時は悪かったわ。ウチの学校の友達が誘拐されそうになっててさ、テンぱってたのよ。イポス君やアキンド君には謝ったけど、あんたにはまだだったから……その……いきなり攻撃して、ごめんなさい!!」


彼女は大きな声で頭を下げた。


……まあ謝ってくれてるわけだし、素直に受け取るべきだろう。


そう思って口を開こうとしたその時。


突如、目の前に巨大な壁のようなものが現れたかと思うと、バチバチと雷を放ちながら弾け飛ぶ!


現れたのは──ミリルだった。


「いい加減にしろお前らぁああああ!!!!」


怒号とともに凄まじい雷撃が炸裂し、地形を一変させるほどの威力が走る。


「雷音なんなのだその女は! ワタシという婚約者がいながら、また他の女の子と浮気してるのか!? ひどいのだ! 今、婚約が解消されるかどうかの瀬戸際なのに〜〜!!」


泣きながらポカポカと殴ってくる彼女に唖然としていると──


今度は背後から声が。


振り向くと、憤怒の形相をした神羅が立っていた。


気づけば目の前まで距離を詰めてきており、あっという間に押し倒される。


馬乗り状態の彼女は、血走った目で俺を見下ろしていた。


普段の余裕など微塵もない。


(……いつの間に背後に? 全然気づかなかった……!)


「……ねえ、雷音くん? 可愛い婚約者がいるのに、どうして他の女の子と楽しそうに喋れるのかな〜?」


声は普段よりも一段低く、背筋がゾクリとした。


(おいおい、これって……)


そして偶然視界の端に映ったのは──神羅の婚約者・オームが、アルテミス女学園の生徒会長・銀雪と何やら談笑している姿だった。


(……なるほど。そっちに嫉妬して、俺に八つ当たりってことか!?)


おのれこの三ヶ月だけ年上の姉め……! 弟の人権をなんだと思ってやがる!


「いや、別に仲良くしてたわけじゃないぞ!? 向こうが一方的に話しかけてきただけだ!」


思わず雷音は怒鳴った。


──その瞬間、今度は束緑さんが怒った。


「ちょっと雷音さん! 鏨さんがちゃんと謝ってるのに、そんな言い方ないんじゃないですか!?」


(しまった! 言い方間違えた!!)


「い、いいのよ束さん! 悪いのは本当にこっちなんだから!」


涙目になりながら俺をフォローしてくれる鏨夕さん。


うああああ……!!


これ、こっちが悪者になる流れだ〜!?


慌てて訂正しようとするも時すでに遅し。


「うあ、最低この愚弟〜」


神羅が汚物を見るような目で、俺を見下ろす。


周囲からの視線が冷たい……立場が最悪だ。


……いやマジで勘弁してくれよぉおお!!


結局その後も口論が続き、最終的には俺が折れて謝ることになった。


なんで俺ばっかりこんな目に……!


その後もなんとか穏便に済ませようと頑張ったが、余計にこじれてしまい、最終的に退散するしかなくなった。


……ああもう、今日は厄日だ。


しかも完全に女難だ、こりゃあ……!


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