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乂阿戦記~勇者✖︎魔法少女✖︎スパロボの熱血伝奇バトル~  変身ヒーローの勇者様と歌って戦う魔法少女は○○○○○○○○○○○○   作者: Goldj


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乂阿戦記4 終章 黙示録の赤い竜と滅びの歌 -24 銀河連邦最強のHERO

鳳天の挑発を聞いたルシフェルは再び激昂して次々と強力な魔法を撃ち込んでいく。

しかしどれもこれも鳳天の拳によってかき消されてしまう。

やがて痺れを切らしたのか、自ら前に躍り出ると渾身の一撃を放つべく力を溜めていく。

それを見て慌てて止めようとするクロウたちだったが間に合わず、そのまま撃ち出された攻撃の余波だけで吹き飛ばされてしまった。

あまりの破壊力に地面が大きく陥没してしまう程である。

これにはさすがの鳳天もたまらず片膝をつく有様であった。

そんな中、ルシフェルは更なる攻撃を仕掛けるべく詠唱を始める。

勇者達はその隙を狙って再び突撃を仕掛けたのだが、結果は同じだった。

今度は逆にカウンターの斬撃波を喰らい吹っ飛ばされてしまったのである!

もう打つ手がないと思われた。

そして放たれるルシフェルの黒雷魔法!

衝撃で土煙が舞い上がり周囲を包み込んだ!

だが次の光景を目にしたルシフェルは目を丸くし動揺していた。

「オラァ!」

なぜなら鳳天はまたも拳でルシフェルの攻撃を弾き飛ばしたのだ!!!

突然の事に驚いたルシフェルは思わず後ずさってしまう。

「何かしたか?ああっ!?」

鳳天は着実にダメージを負っている。

だがその鋭い眼光に衰えはない。

凄まじい闘気が肌身でわかる。

「くっ!」

ルシフェルはたまらず息を飲み、一歩後ろに下がってしまった。

「い、いかん!」

その様子を見たルキフグスは慌ててルシフェルの援護に駆けつけようとする。

だがその前に立ち塞がった者がいた……それは―――アカデミア学園破天荒教師織音主水である!

彼は怒りを秘めた表情で木刀を構えて立っていた。

その顔は殺気に満ちていた。

「よう、ルキフグスのクソじじい、てめえよくも俺の生徒たちをボコしてくれたなぁ?落とし前つけさせてもらうぜ?」

傷つけられた生徒たちに目をやり、さらに怒気を燃え上がらせる織音主水

彼は懐からルシルの小学時代のポエム長取り出すとそれを雷音に投げ渡した。

「おう、たしか雷音君だっけか? このクソじじい悪魔は俺がボコボコにするから、お前さんはこのポエムを読んでルシルが目覚めるよう呼びかけてくれ。任したぜ?俺はこいつを片付けてからそっちに行くからな」と言って駆け出した。

そして織音はルキフグスに斬りかかっていく!

「ちょこまかと鬱陶しい!!」

と怒鳴る魔王ルキフグスだが、やはり織音の速さについていけないのか防戦一方になっているようである。

そんな様子を見ながら雷音とルシルの元に駆け寄る一団があった。

言うまでもなく雷音の仲間である。

彼らは傷ついた生徒達を介抱しつつ治療を開始した。

その中には当然リリスの姿もあった。

彼女もまた治癒魔法を使えるので応急処置を施しているのだ。

そんな様子を横目で見つつ、織音もまた戦いに集中し始めたのであった。

「オラァァァァアアアッ!!くたばれぇぇぇええええっ!!!!」

と叫びながら剣を振り回すその姿はまさに剣の風神であった。

そしてその一撃は確実に相手の急所を狙っており、一撃で仕留めようとしていたのである……。

(オノレ剣の風神織音主水! このくそったれめ!……)

思わず心の中で毒づくルキフグスが抵抗とばかりに魔杖を振るう。

すると彼の足元を中心に魔法陣が出現し、そこから無数の黒い腕のようなものが飛び出してきたではないか!?

しかもそれらは全て実体を持っており鋭い爪や牙を持っていた

この手の攻撃を喰らえば喰らえばひとたまりもないことは明白である。

(ちっ……!めんどくせえなあオイ……!!ったくよぉ~……)

舌打ちしながら剣を振る。

嵐のように振る。

その様まさに風神。

暴風の如き剣の舞の前に黒い腕が全て蹴散らされる。

そしてついにその時が来たようだ……。

「うおおおおっ!!!」


渾身の袈裟懸けが風神の名に応える!


……鈍い音と共に確かな手応えを感じると共に鮮血が飛び散り、ルキフグスはそのまま片膝をつき地面に倒れ伏す。

「ぬうう!織音主水〜〜!貴様ぁ……!」

悔しそうに呻きながらも何とか立ち上がろうとする魔王ルキフグス

圧倒的に強い主水の活躍にドアーダ、アカデミア両学園の生徒達は拍手喝采だ。「いいぞー先生ーー!!」

「素敵よーー!」

「最高だぜーっ!!」

「流石は俺達の先生だー!!」

など歓声が上がる中、身体を乗っ取られ意識だけのルシル・エンジェルも興奮していた。

彼女は久々にみる剣の師匠の活躍に目を輝かせており、まるでヒーローショーを見る子供のような様子だ。

ヒーローランキング二位の彼女も、まだまだ幼い少女なので無理もないことであるが……。

ルシルは今、自分の体を乗っ取っている魔王ルシフェルに語りかける。

(おばあ様もう降参したほうがいいですよ。鳳天さんも主水先生も怒らせるとめちゃくちゃ怖い人たちなんです。早く私に体を返してください。)

(ふん!何を馬鹿なことを!私にはまだ切り札がある………)

そう言って邪悪な笑みを浮かべる彼女の表情は邪悪そのものと言った感じだったのだが、やがてその顔は次第に青ざめていくのだった……。

何故ならば…………

見てしまったからだ。

銀河連邦最強HERO鳳天が向ける凄まじい殺気の篭った眼光を真正面からまともに見てしまったからだ。

鳳天はダメージを負い血塗れだ。

戦況は俄然自分が有利だ。

だが、気圧されていた。

気づけばまたも1歩足が後ろに下がっていた。

そんな自分に喝を入れながら、必死に口を開こうとするルシフェルであったが、その言葉を遮るようにフェニックスヘブンは言った。

「やっつけてやるぜ。ルシフェル」

と言い放つと同時に必殺技を放つ構えを取る。

それを見た瞬間ルシフェルは思わず

「ひっ……!!」

と、小娘のように悲鳴を漏らしてしまった。

ルシフェルはたまらず叫んでいた。

「ええい艦長室!艦長室!ネッソスよ、増援はまだか!?早くこちらに追加戦力を差し向けろ!!」

そして艦長室からルシフェルたちが交戦している部屋に連絡が入ってきた。

「悪いなぁ。ルシフェルちゃん〜♪ネッソスの馬野郎は、今俺たちにやっつけられてグルグルにふんじばられてるぜ〜♪」

なんとその声は、カイトーランマからだった。

艦長室にはケンジューハジキもバットーイアイも暮森レヴェナもいた。

彼等は現在、艦内にいる全ての乗組員を制圧し終えていた。

俄然とする大魔王ルシフェル

ルシルが再びルシフェルに脳内で話しかける。

(おばあちゃんこれもう完全にチェックアウトですよ?諦めて降参しましょうよ?早くしないと雷音君が私のポエムを読んでしまいそうなんです。あれ読まれるのは恥ずかしいんです!お願いですから私に体を返してください!)

そんな必死の叫びを無視し、ルシフェルは覚悟を決めた表情で言った。

「仕方あるまい……こうなったら我が最大奥技を使うしかないようだ……」

そう言うとルシフェルは自分の胸元に手を当てた。

すると彼女の胸の中心部分が赤く光り始めたのだ……!

そしてその光は徐々に強くなっていく……。

その様子を見た一同は驚愕した様子で声をあげるのだった…………!!!

「や、やばい!あれって闇ルシルの必殺技の………!!」

「な、なんか今までより桁違いにすごい力が溜まっていってるみたいだけど・・・」

「ま、まさかあれを艦内で撃つ気なのか!?」

動揺するケンジュウハジキたちを尻目にルシフェルの胸の光がどんどん大きくなっていく……!!

そして次の瞬間!!!

彼女の胸の光が魔剣ラ・ルシファーに収束し激しく光り輝く。

ルシフェルは剣を掲げ叫ぶ。

「リミッター解除! 邪影剣……」

鳳天は無言で両拳を構える。

ルシフェルの周りで放電現象がバチバチと巻き起こる。

「デストロイ……」

鳳天は深く息を吸い真っ向からルシフェルを見据える。

そしてルシフェルの剣に溜まったエネルギーが臨界点を突破する。


「セイバーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」


「オオオオオ!!オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァッ!!!」


その瞬間、眩い閃光が周囲を包み込んだかと思うと轟音と共に衝撃波が辺り一帯を襲う!

ルシフェルの必殺奥義を剛拳のラッシュで真っ向から殴りつけていくフェニックスヘブン!

激しい爆風によってシークレットルームのありとあらゆる物が吹き飛ばされていく中、二人の戦士がその場に立っていた。

そして煙が晴れた後そこに残っていたのは…………、満身創痍となった鳳天の足元に放心したように座り込んでいるルシフェルの姿だった……。


「……あ?……あ?……嘘?……私の最大の奥義が?……」


鳳天は満身創痍の傷だらけ

体中が血まみれだ。

なのに依然としてその眼光は鋭いまま。

最強のヒーローは魔王を見下ろし告げる。



「もう一度いうぜ? 

      ナ ニ カ シ タ カ ? 

            あああああっっ!!??」



大魔王ルシフェルは完全に戦意を喪失していた。


「……あ……や……ややややややや……やだ………」


フルフルと首を横に振り小娘のように震えていた。

まるで小動物のようだ。



挿絵(By みてみん)

(あの無敵の大魔王がここまで怯えるなんて……)

あまりの変わり身の早さに思わず絶句してしまう勇者一行だった。

その場にいるほとんどの者が鳳天のド迫力の威圧感に圧倒されていた。

彼は一歩一歩、大魔王ルシフェルに近づいていく。

ルシフェルが頭を抱え涙目になって縮こまる。


「やだ、やだ、やだ!……ごめ……ごめんなさい!……

ごめんなさい! 許して………!!」


今にも泣き出しそうな弱々しい声で許しを乞うその姿からは先程までの絶対的な覇者としての威厳は全く感じられないものだった。

だが鳳天は無常に告げる。


「駄目だね」


そして大きく拳を振り被る。

その拳が振り下ろされる瞬間を見ないように目を瞑り震えるばかりのルシフェル。

鳳天を止めるべきかと思う者もいたが彼のあまりの大迫力に誰も動けない。

誰も動かない。

「オラアアァ!!!」

そして最強ヒーローの剛拳が放たれる!


「いやああああああああああああ!!」


泣き叫びながら頭を庇うようにうずくまるルシフェルの体の上に凄まじい衝撃が走る。

それはまるで隕石が落ちたかのようなクレーターができ上げるほどの衝撃であった。

砂埃が舞い上がり視界が悪くなるなか全員が固唾を呑んで見守る。

しばらくすると視界が晴れてきた。

そこには倒れ伏したルシフェルの姿があった。

どうやら気を失っているようだ。

なんとその美しい体には傷1つない!


奥義不殺破心拳!!


……相手を殺さず敗北を認めさせる為に編み出した聖王の活人拳!

言うなれば殺気だけを放つ究極的な寸止めの突き!

鳳天はルシルの体を傷つけることなく、ルシルに取り憑いていた大魔王ルシフェルの仮想人格のみを消し飛ばしたのである!


挿絵(By みてみん)


鳳天はルシルを担ぎ上げると回復魔法を使えるレイミの前に下ろすのだった。

残された者たちは呆然とするばかりである。

回復魔法によりパチリと目を覚ますルシル

目を覚ましたルシルはパンパンと手で自分の体中を触り感触を確かめる。

そして、ぴょんぴょん飛び跳ねながら喜ぶ。

「やった!私の体が戻りました!元の私です!!鳳天さんありがとう!!!」

あまりの嬉しさから彼女は勢いあまって鳳天に力いっぱい抱きついた。

「……やれやれだぜ」

鳳天は一言をそうつぶやくと、安心したのか糸が切れた人形のように倒れ気を失った。

「わああ!?鳳天さん!鳳天さん!」

ルシル達が慌てて鳳天を介抱する。

この闘い、最強HEROフェニックスヘブンをして薄氷の上を歩く、紙一重のギリギリの勝利であった!!



https://www.facebook.com/reel/522397504041526/?s=fb_shorts_tab&stack_idx=0


↑イメージリール動画

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