乂阿戦記4 終章 黙示録の赤い竜と滅びの歌 -8 vs憤怒の魔王
一方その頃、こちらは雷音サイド。
「おりゃあああああ!!!!」
雷炎撃を纏った斬撃を繰り出す。
だが相手はそれを難なくかわすどころか反撃してくる。
「無駄ですよ♪」
鋭い牙で斬りつけられそうになる。
とっさに剣でガードするも勢いを殺しきれず、そのまま後ろに飛ばされてしまう。
「ぐはぁっ……!!」
地面に叩きつけられ、肺の中の空気が一気に吐き出される。
「おやおや、そんなものですか?赤の勇者さんの力はそんなものなのですか?」
「くっ……」
くそっ……!なんなんだこいつは……?まるで歯が立たないじゃないか……。
このままでは負けるかもしれないと思ったその時だった……!
(諦めるな我が契約者よ……)
頭の中に声が響く……?これは一体なんだ??
(我は最強の封獣クトゥグァ。さあ、我を手に戦うからには敗北など許さん!力が欲しくばくれてやる!気を吐き闘い抜いてみせよ!)
……そうか分かったやってみるさ!
(まずは呼吸を整えてから精神を集中させよ!そしてイメージせよ!自分の中にある我が力を引き出すイメージを!!)
口うるさい剣、いや機体だな!いいさ言う通りにしてやるぜ!
「いくぜえええええええ!!!!うおおおおおおおおおおお!!!!! よしこれでいけるはずだ!くらえぇぇぇいぃいいぃぃ!!!!!!」
渾身の力を込めて振り下ろした一撃は見事に相手の身体を捉えていた。
七つ首のうち、赤い冠の龍が首を切り落とされた。
「ぎゃあああああっっ!!!!」
手応えありだ!やったぞ!倒したんだっ……!!
「フフッ♪なかなかやりますね〜♪」
なっ!?こいつまだ動けるのか?!なんで倒れないんだよっ!おかしいだろ絶対!!
「7つある首の1つを切ったぐらいで調子に乗らないことです!それに切った首なぞ、すぐに再生できます!」
「じゃあこんなのはどうだ??」
横からオームが操る機体ベリアルハスターが攻撃呪文を放つ!
「黒炎よ!!」
ベリアルハスターの黒い炎が龍の切断面を焼く。
「どうだ?これでもう再生復活はできまい!?」
「「「「「ぬうう!?」」」」」
他の龍たちが焦った顔をする。
どうやら図星のようだ!
「ちいい!なるほどぉ〜!確かにこれでは再生できませんねぇ〜!」
ギリギリと悔しそうに歯ぎしりするドラゴン達
「よし!このまま畳み掛けるぞ!」
仲間たちと共に一斉に攻撃を仕掛ける。
だがやはりそう上手くはいかなかったようで、敵は傷つきながらもこちらを圧倒するパワーを見せつけてくるのだった……!
残り六つの首の内3つが呪文を唱える。残りの二つは口から吐くブレスを吐くようだ!
最後の透明の冠は沈黙のまま
「消し炭になれぇーいっ!」
「焼き尽くしてくれるわぁっ!!」
左右から二つの火炎放射器の如く放たれた炎の渦が迫る中、雷音たちに残された手段はもはや一つしかなかった……。
『これは逃げる!』
踵を返して逃走を開始するのだが、敵の方が遥かに速く、首を伸ばして来て追いつかれる寸前まで追い込まれてしまった。
そこで覚悟を決め、火炎系ロボで熱耐性のあるクトゥグァ機とロート・ジークフリード機が、足止めのために立ち向かうことになった!
「みんな後ろに下がってくれ!ここは俺達が食い止めるから……!」
「そんな無茶だよ雷音!」
神羅が思わず雷音を引き止める。
「大丈夫だって!俺はあのケイオステュポーンのアルティメットクラッシャアタックルさえ止めた男だぜ!必ず上手くやるからさ!ほら早く下がれって!」
「……分かった。約束だからね」
渋々納得した様子で走り去っていく仲間達を見てほっと胸を撫で下ろすと、目の前の敵に向き直りニヤリと笑みを浮かべる。
「待たせたな化け物共め!ここから先は通さないぜ!」
そう言って身構えると、敵もそれに応えるように戦闘態勢に入ったようだった。
「では始めましょうか雷音さんとやら?どちらの炎が強いかを決める戦いをね」
「望むところだ!覚悟しろやぁー!!」
まずは先手必勝とばかりに雷音が突っ込む!
そして拳を振りかぶり殴りつけようとした瞬間だった。
突然足元から突き上げられるようにして巨大な火柱が立ち昇ったのだ。
「うわあぁっ?!」
慌てて回避することに成功したものの、危うく丸焦げになるところだった。
(あ、危なかったぁ……!)
内心冷や汗を掻きつつも、気を取り直して再び殴りかかるも、また同じ方法で反撃されてしまったのだ。
「くそっ!卑怯だぞてめえら!」
悪態をつくと、すかさず斬撃で応戦を試みる雷音だったが、それもまた同じように防がれてしまい失敗に終わった。
しかもそれだけではなかった。なんと敵の吐いた炎がそのままブーメランのように弧を描きながら飛んできたのである!
赤い龍達がニタリと嗤いワザワザ教えてくれる。
「「「フフフフ『煉獄輪廻ブレス』です。──一度避けても戻ってくる殺意の熱波です。フフフフフフフフ!」」」
咄嗟に避けることが出来たものの、もし当たっていたらひとたまりもなかったことだろう……。
その後も何度も攻撃を試みたものの、ことごとく失敗してしまい逆に追い詰められてしまっていた。
「いいだろう……!だったら俺が、そのブレスも、首も、テメーの勝ち方ごと全部──ぶった斬ってやる!!構えろよ、地獄の龍……赤の勇者、乂雷音、参るっ!」
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