乂阿戦記4 終章 黙示録の赤い竜と滅びの歌 -7 覇王の大虐殺
目の前では目を疑う光景が繰り広げられている。
一人の男が生身一つで巨大悪魔や宇宙戦艦の軍勢をバッタバッタとなぎ倒しているのだ。
2メートル以上ある大男だ。
「グルァーーア”ッア”ッア”ッ!!」
男は獣のような咆吼、いや哄笑を上げて全乗員たちが泣き叫んでる50メートルの大戦艦をブンブンとジャイアントスイングでブン回していた。
男はそのまま戦艦を魔法弾を乱射してくる空の戦艦に向けぶん投げた。
ものすごいスピードで迫る戦艦にぶち当たり他の戦艦がものすごいスピードではじき飛ばされる。
さらに空中にいた他の戦艦にぶつかり、またまた激しく弾き飛ばされた戦艦が今度は他のそのまた別の戦艦にぶつかりビリヤードの玉突きのように連続追突しては大破していく。
信じられないことに生身の人間一人に宇宙戦艦の艦隊が一瞬で全滅の憂き目にあっていたのだ!
六芒星幹部ラスト・エンザとネッソスはその光景を放心したように眺めていた。
乂阿烈の戦いぶりを見たときラスト・エンザは慌てふためいた。
これほどの力を持っているとは思わなかったからだ。
「ぴぎゃあああ!? 嘘嘘嘘、ウッソォオンンン!! その力絶対人間の範疇超えてるって! 」
「どぼちて? どぼちてあんなでたらめ極まりない化け物がこの世にいるの!? シンジラレナーイ!!!」
「なぜなに!? どぼちて!?」
驚きのあまり呂律すら回っていないほど動揺していた。
なんと戦艦の中で発したはずのそのセリフを、戦艦の外にいる阿烈が耳にしてしまい、ギロリとラスト・エンザをにらみつけてきた。
乂阿烈は自分の悪口を聞き漏らさない地獄耳だ。
「貴様〜?今ワシのことを化け物と言ったか〜?傷つくじゃねーか?傷つくじゃねーか!!」
ワシはフィジカルは最強でも──
メンタルはか弱い乙女程度なんだぞ〜?
こいつぁめっちゃ許せんなぁ〜?よし決めた!
嬲って殺そう!
じわりじわりと肉片をちょっとずつちょっとずつ引き千切りながら、
地獄の苦しみを味わせながら、
じ〜っくり時間をかけて殺そう!
ぐるおあああああアアアアアアアア!!!
戦艦の中で阿烈のセリフを聞いてしまったエンザは慌てて弁解する。
「あ、ごめん!!今日の楽しみにしてたエロゲの発売日だった!!ツーわけでポクチン帰ります!!チョーシこいてごめんちゃい!追いかけて来ないで!ネッソスこの戦艦をすぐ様Uターンさせてレッツゴー!!!」
「ブヒビーン!オイっす旦那!!」
狂王達は恥も外聞も無く、戦艦を180度旋回させて一目散に逃げて行く。
「ぴぎゃああああ!無理無理無理!あれの相手とか最悪の魔女エクリプスの相手以上にマジで無理〜! たあすけてええーーー!! 死ぬのはイヤああああああああ!!!」
身体中からあらゆる体液を垂れ流し、ガチの悲鳴を上げ逃げて行く。
「逃〜〜が〜〜さ〜〜ん〜〜ぞ〜〜!」
阿烈は空中を蹴って加速すると一気に追いつくとそのまま飛び蹴りを放つ。
ガシャアンッ!!!
凄まじい衝撃波と共に一撃で戦艦を貫き爆砕させる。
そして続けざまに二撃三撃四撃と次々と撃ち込み、瞬く間に粉々に粉砕し跡形もなく航行不能にさせたのだった。
そのままエンザ達の戦艦内部に侵入する。
恐ろしい足音が近づいて来て、狂王エンザ達がいる艦長室の鉄製扉がギギギと強引に引きちぎられ開けられていく。
覇王乂阿烈の手だ。
「み〜〜つ〜〜け〜〜た〜〜!」
もう完全にホラー映画のワンシーンである。
(ひいいいいっ!!もうだめだあああ!!!)
そんな絶望的な状況の中、部屋のモニターから、いやネッソスとエンザの脳内に悲壮感漂うBGMが流れ始める……(笑)
…
…………….。
いや〜♪今日も一日よく働いたなあー♪さーて帰って飯食って風呂入って寝るかー♪…………なんて考えている場合じゃねえーーっ!!!……..
くそおおおーこんなことになるなら昨日徹夜してエロゲークリアすっきゃなかったぜチクショーメエー!
死にたくねーけどやるしかないのかああああ!!!!
ちくしょうめええええええ!!!!!!
…………..うん!こうなったらヤケクソじゃああああああ!!!!!やってやるうううううううぅぅぅぅうぅううぅぅ!!!!!!!!!うわああああああぁぁぁぁぁぁぁ………….)
「うわああぁぁあっ!?みんな奴を撃ち殺せええええ!?」
『了解!』
配下全員が一斉に銃を構え射撃を始める。…………..
しかし一発も当たらない。
それどころか最初に打った1発が、きれいに脳天に跳ね返され返り討ちにされてしまう。
恐ろしいことに光線銃まで、きれいに跳ね返され撃った相手の脳天に風穴が空いていた。
「「「「「うああああああああああああ!?ば、化け物おおおおおおおおおお〜〜〜〜!!!」」」」」
鬼の形相をした男が立っていた。
男は銃を乱射する狂王達に向かってゆっくりと歩いて来る。
ズダダダダッッッッッドドドドドッッッドンッッッッ!!!!バババババッバシュゥゥゥゥウウーーーーーーンンン!!!
だが、撃てば撃つほど犠牲者が増えるばかり
「屠殺場の豚のように〜〜、
楽に殺してもらえない悲痛な悲鳴をあげながら〜〜、
生まれてきたことを後悔しつつ〜〜、
覆しようのない絶望に身を捩るがいい〜〜!
ムーシーケーラーどーもーーー!!!」
そう言ってギッチュアアアと笑う乂阿烈の顔は、もはやこの世の者とは思えないほどの禍々しいオーラを放っていた。
「「イヒヤアアアアアアアア!!」」
ネッソスとエンザは2人抱き合って絶望に震えた。
※ ※ちなみに阿烈は、我らがヒーロー側である。
https://www.facebook.com/reel/1777764842969259/?s=fb_shorts_tab&stack_idx=0
↑イメージリール動画




