乂阿戦記1 第四章- 白の神子リーン・アシュレイと神鼠の鎧にして白神の槍ナインテイル-6 え!絵里洲が雷音を誘惑?
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昨日の喧騒が嘘のように静まり返ったアシュレイ城の会議室。
そこに集うは六名――オーム、エドナ、リーン、水晶、ジャムガ、そして鵺。
非公式とはいえ、この会合の意味するところは重い。
メギド族とアシュレイ族の国境にて頻発する武装衝突。それは偶発か、それとも必然か。
だが――そのような深刻な議題など、彼女にとっては塵芥に等しかった。
「……ふっ、雷音のことの方が、何億倍も大問題なのだ……!」
ミリル・アル=メギド、迷える乙女ここに在り。
今、彼女が立つのはアシュレイ城・東廊の一室。
その扉の向こうには――赤の勇者・乂雷音が眠っている。
(うおおお……ど、どうすればいいのだ……!? ノック? いや、それは早計すぎるのだ……! なにかこう、自然な感じで……ええい!)
乙女の恋は理性を焼却する。
そう思った時には、既に右手は木扉を小さく叩いていた。
コンコン。
(んあ……? もう朝か……? ふわぁあああ〜……よく寝たなあ〜)
その瞬間。
雷音の意識が夢の淵から浮上する。
背伸びをしながら隣を見る――
「……は?」
そこにいたのは、一糸纏わぬ肢体。
陽の光を浴び、青く輝く絹のような髪。
無防備にも雷音の腕に抱きついたまま、スヤスヤと寝息を立てる少女――
絵里洲だった。
「おいおいおいおいおいおいおいおいおい!?!?!?!?!?」
雷音の叫びは、城の静寂を切り裂いた。
その瞬間、雷音の思考は凍りついた。
(なっ、な、ななな何!? 何これ!? どういう状況!?)
視線を逸らしながらも、健全なる男子の業を背負うが故に、指の隙間からチラリと覗いてしまう――それは咎でも背徳でもない、生存本能である。
そんな雷音の混乱など露知らず、隣で身を起こした絵里洲が、ぼんやりと目を擦りながら囁く。
「おはよーございましゅ、らいしゃん♪」
(か、かかかか……かわいいいいいーーっ!! 萌え死ぬーーーッ!! てかなんで!? なんで絵里洲がここにぃぃぃぃ!?)
理性のタガが外れかけたそのとき――
「こらあっ! 雷音ったらまだ寝てるでしょお!! 起きろー! 起きるのだあー!」
怒鳴り声とともに、嵐のようにドアが開かれた。
「ひいいいいいいいっ!!」
間の悪さの権化・ミリル姫が登場。彼女の前で絵里洲は、まるで当然のように雷音の胸元へ顔を埋め、甘えるように抱きついた。
(や、やめてっ……! 理性が……理性が……崩壊するううううううッ!!)
雷音の脳内では警報が鳴り響いていた。これは夢か現か幻か、妄想かそれとも神罰か。いや、現実だった。現実に、絵里洲のやわらかな感触が、全力で雷音の自我を揺さぶっていた。
(ていうか昨日の絵里洲さんとキャラ違くない!? 二重人格!? 演技!? どっちにしろまずいって! 色々まずいって!!)
「おはようなのだ! 雷音!」
元気いっぱいにミリルが声をかけてきた。その時、雷音の肩をかすかに覆っていたシーツが、運命のいたずらのように、ふわりと落ちた。
「ん? どうしたのだ?」
ミリルが雷音の挙動不審に気づき、首を傾げる。その瞬間、彼女の視線が雷音と絵里洲を捉え――そして、時が止まった。
「…………」
一拍の沈黙。
次の瞬間、ミリルはベッドに飛び乗り、雷音の股間めがけて容赦のない正義の一撃を叩き込んだ。
「ごふっ……!!」
声にならない悲鳴をあげ、雷音は崩れ落ちる。その様子を、絵里洲はまるで小動物を見るような目で眺めながら、微笑んだ。
「あら? 雷音、朝からずいぶん元気ですね♪ ……これは、私がスッキリさせてあげなきゃですね♡」
言うなり、絵里洲は胸を押しつけてくる。
「う、うわーん! 雷音の馬鹿ぁっ! 浮気者〜〜! 変態〜〜〜!!」
怒りと悲しみに打ち震えたミリルは、雷音の部屋を泣きながら飛び出していった。
(違うっ!! 誤解だああああああッ!! 誰か説明してくれえええええええええッ!!!)
雷音の魂の絶叫が部屋中に響き渡る――が、それを聞く者は、誰一人としていなかった。
するとそこへ騒ぎを聞きつけたユキルがやってきた。
「顕現せよ!封獣ユグドラシル!!モードチェンジ! エレメンタルフォーム!」
一瞬で魔法少女に変身し、封獣ユグドラシルの聖弓を構える。
「そこまでよナイアルラトホテップ!
本物のエリリンを何処にやった!?」
「神羅姉様!助太刀する!!」
神羅のすぐ後に続き雷華も魔剣クトゥグァを構え部屋に飛び込んで来る。
「おっと!えらく早く気付かれちゃったな…」
偽絵里洲が本性を表し邪悪な笑みを浮かべ、ベットから飛び起き雷音達と距離をとる。
「私を散々な目に合わせたお前の嫌な気配を忘れるもんですか!!」
怒りの表情を浮かべ矢を引き絞る神羅
「ナイスフォローだぞ雷音!ミーちゃんが部屋を飛び出して安全なところに行くまで騙されたフリをして機を伺っていたんだな!?」
雷華が兄を褒める。
「フ、あったり前じゃねぇか!こちとら全てお見通しよ!!」
嘘である。
雷音は見事にナイアの色仕掛けに騙されていたがそれは黙っていることにした。
https://www.facebook.com/reel/1904404653373413/?s=fb_shorts_tab&stack_idx=0
↑イメージリール動画




