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乂阿戦記~勇者✖︎魔法少女✖︎スパロボの熱血伝奇バトル~  変身ヒーローの勇者様と歌って戦う魔法少女は○○○○○○○○○○○○   作者: Goldj


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乂阿戦記4 第三章 桜の魔法少女神羅と天下の大泥棒-10 レスナス・ゼロゼギルトの災難

一方その頃観客席にいる人物達はと言うと……?

「いやぁーなかなか面白かったねぇ〜。そうだろゼロセブン・ボンド」と呑気に話すゼロゼギルトに対して苦笑いを浮かべながら答える部下の姿もあった。

「ほんとですね……!凄い試合でしたね……!」と興奮気味に語る言葉に頷く一同であったのだが、部下のゼロセブン・ボンドは内心困ったように思考を巡らしていた。

(それにしてもたかが学生と侮っていたが、武仙級の達人がいたとはな……これは厄介な戦力だ)

そのとき、不意に後ろから声をかけられた。

「よう、委員会の四席様」

振り返るとそこには先程までレッドと戦っていたはずのハジキが立っていたのだ。

驚く面々に向かってもうさらに一人の男カイトーランマは言った。

「よう!久しぶりだな。お前さん達〜!」

「ぬう、カイトーランマ……

貴様なんのようだ!?」

驚いた様子を見せたのはゼロゼギルトのボディーガードであるゼロセブン・ボンドだった。

彼は以前ハジキと一度戦ったことがあり因縁があったようだ。

それに対し不敵な笑みを浮かべながら言うハジキだったがその表情には余裕が見られた。

まるで自分達ならば勝てると確信しているような態度に見えたのである。

そんな彼らの様子を見て危機感を覚えた残りのメンバーは警戒を強めたのだが……。

ゼロゼギルトが浮き足立つ部下達をたしなめる。

「落ち着けお前たち、ここは戦場ではないのだぞ?冷静になれ」と言いつつも彼も内心では焦っていた。

何しろ相手はあの天下の大怪盗カイトーなのだ!!

彼を敵に回し潰れた組織は山とある。

だからこそ慎重に言葉を選んで話したつもりだったが、やはり緊張を隠しきれなかったようで少し声が震えてしまったようだが、それも仕方がないことだろうと自分を納得させていた。

そんなことを考えているうちにさらにもう一人とんでもない人物が現れる。

目の前に立った男を見て驚きのあまり目を見開き固まってしまった……。

その男は11人委員会が最も警戒している要注意人物である。

「グルァーッア"ッア"ッア"ッア"ッア"!これはこれは、11人委員会第四席ゼロゼギルト殿ではないか? 学園対抗戦に参観ですかな? 奇遇ですな〜?」

「げええ!?、が、乂阿烈……殿……、き、奇遇ですね……、は、ははは……」

(どぉして灰燼の覇王がここに!?てかまさか我々の計画がバレてるのか……?)と思い冷や汗を流すゼロゼギルトであったのだが、なんとかポーカーフェイスを保ちつつ平静を装って答えたのだった。

そんな彼の様子を面白そうに見ていたカイトーは言った。

「そう身構えるなよぉ〜!俺も阿烈のとっつぁんも、ただあんたらがここで何してるのかなぁと思って見に来ただけさ!」

「ほ、ほう〜〜」

ニヤリと笑うカイトーに警戒心を抱きながらも、ゼロゼギルトは表面上は冷静なフリをして答えることにした。

そんな様子を見ていたゼロゼギルトの部下達はハラハラしながらも見守ることしかできないようである……。

乂阿烈はゼロゼギルトの隣の席に座ると、肘掛けに小瓶をポンと置いた。

小瓶の中には切り落とされた小指の山がギッシリと入っていた。

それを見た瞬間、思わずギョッとしてしまうゼロゼギルトだったが、何とか冷静さを取り戻して言った。

「……それは一体なんなのでしょうか……?」

すると、不敵な笑みを浮かべていた阿烈が言った。


挿絵(By みてみん)


「見てわかんねぇのか??落とし前だよ。落とし前!!ワシ等のナワバリでチビ達のジュエルハートをガメ取ろうってふてぇ輩がいたからよう、そいつらに落とし前をつけさせたのよ。腕一本のところを小指一本で勘弁してやるって言ったら、ジュエルイーターとか言う連中、アッサリと色々ゲロってくれたぜ〜?」

そう言って親指を立ててクイッと後ろを指し示すと、半殺しになったチンピラ共を引っ連れ歩く黒服の集団が現れた。

半死のチンピラどもは申し訳なさそうにボスのゼロゼギルトに視線を送っている。

それを見た瞬間、吐き気が込み上げてきてしまうがなんとか堪えることができた。

「あ、ああ……そういうことでしたか……」

震える声でそう言うと、それ以上何も言えなくなってしまったようだ。

それからしばらく沈黙が続いた後で、先に口を開いたのは阿烈の方だった。

「なあ、ゼロゼギルトさんよ、いい大人がガキを巻き込むのはこれぐらいまでにしとこうや。ジュエルウィッチの嬢ちゃん達を狙うのはコレっきりにしときな。あんたら11人委員会は表舞台の顔役ばかりだろ? ワシらみたいな荒事世界のプロと張り合ったって得になる事は何一つないぜ? 今回の件はこの瓶の小指で幕引きとしようや?どうだ??」

そう言いながら置かれた瓶を指差す阿烈に対し、ゼロゼギルトは黙って頷くしかなかった。

その様子を見た阿烈は再び笑みを浮かべると言った。

「よし、決まりだな!じゃあコイツを持って帰ってくれや」

そう言って懐から取り出したハンカチに包まれた物を手渡した。

「これは……メモリーチップ?」

「雷華や聖羅達が保有するジュエルハートに関するデータが入っている。そのデータがあればジュエルハート無しでも龍麗国にある三聖塔の門を開く手掛かりが掴めるはずだぜ?アンタも組織に対して顔が立つはずだ」

受け取った物を見て驚愕するゼロゼギルトに対して、阿烈は続けて言う。

「そいつはお前さんへの手土産だ。受け取っておけ。そんでもう二度とガキどもに手を出すんじゃねぇぞ!!その条件を飲むって言うなら、お前さんの部下も解放してやる」

「わ、わかりました……!!では失礼いたします!!行くぞお前たちっ!!」

部下達に声をかけるとそそくさと立ち去っていったのだった……。



https://www.facebook.com/reel/416044874104967/?s=fb_shorts_tab&stack_idx=0


↑イメージリール

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